⭐️さよなら、組合さん 936
結婚当初の住まいは、元夫Hの祖父名義で義両親が管理していた集合住宅。
隣家は義両親宅だった。
妊娠5〜6か月のときに仕事を辞めて家に居るようになると、待ってましたとばかりに「荷物を受け取っておいて」「○○が来たら裏の鍵を開けて」等と義両親から頼まれるようになった。
妊婦の私だって出かけたい日もあるんですよ、お義母さん。
その中のひとつに「組合さんが来たら、(商品を)預かっておいて」があった。
組合さんが来るまで、私は家から出られないの?
冷凍の物が届いたら、ウチのフリーザーの中の物を出してまで義母の商品を入れておかなきゃならないの?
何より電子レンジが届いたときにはびっくりした。
そんなの聞いてないよぉ。
せめて一言あってもよろしくてよ。
直ぐに生活協同組合(生協)のことだと解りはしたけれど、そもそも「組合さん」が何者かを私は知らなかった。
私が育ったエリアに生活協同組合(生協)=コープはなかったし、利用しているお宅もなかったし、全く馴染みがなかったから。
「○○ちゃん(私のこと)も要る物があったら、一緒に頼んであげるよ」と義母がカタログを見せてくれた。
義母は協同購入のグループに属しているのに商品の受け取りにも分配にも非協的なので、ご近所から「ちょっとねぇ」と思われていることが徐々に判ってきた。
段々とお腹は大きくなってきたし、未だ運転免許を持っていなかった私にとって、協同購入は魅力的に思えた。
購入物の全てを義母に把握されるのが嫌で、義母とは別に出資金を出して組合員になり、協同購入に参加。
「自分も注文している」と思うと、義母の物を仕分けるのも預かるのも、負担に思わなくなった。
義両親から離れて当地に転居したら、同じカタログを使っているコープがあった。
てっきり同じコープだと思い込み、協同購入の説明を受けたら、提携関係にありカタログを共用している「別のコープ」だった。
転居前のコープを脱退し、新たにこちらのコープに加入。
近隣に協同購入のグループがなく、長身•イケメン職員のIさんが、我が家に特別に配達してくださることになった。
ラッキー。
何年か経ち、「新しい協同購入グループを作りたい方がご近所にいらっしゃるから参加してほしい」「本来は個人ではなくグループで参加するものだから」とIさんから言われた。
配達場所が我が家から少し離れていて不便だし、グループでないとダメならやめると伝えると、引き続きIさんが独自に配達してくれることになった。
ゴネ得。
Iさんの転勤を皮切りに、担当者が何度も変わったり、隣県のコープに吸収合併されたり、協同購入と併行して個別配達制度ができたり、個配が有料になったりと様々な変化があった。
どういう引き継ぎがなされていたのか、我が家は長らく無料で個配していただけて有難かった。
「上層部が変わり、もう無料で個配はできない。
グループに入るか、個配料金を支払うか、個配をやめるか」と当時の配達員から選択を迫られ、個配をやめた。
お買い物をするお店はいくらでもある。
コープなのに「安心•安全」より売れ筋にウエイトを置き、市販品の取り扱いが多くなっていることに疑問を感じていたから丁度よかった。
1年以上経ってからだったか、この配達員から連絡があった。
「他のグループに属する体で、協同購入に参加してほしい。
以前のように自宅まで無料で個別に配達するから」と。
配達員にも、協同購入獲得のノルマが課されていたのかもしれない。
身勝手だなあと思わなくもなかったけれど、以前に散々お世話になったことだし、渋々引き受けるふりをして承知した。
その後も何度か担当者が変わり、遂に「協同購入グループに参加していただくか、個配料金を負担していただくのが本来のシステム。
もうこれ以上は目溢しできない」と言われた。
知ってるよ、それくらい。
だから一度やめさせたんでしょ?
配達員から頼まれたから復帰したんだよ。
私が無理強いしたわけじゃないのよ。
やっぱり身勝手だよね。
やめさせられたって、私は何も困らないけどさ。
協同購入や個配をやめても、コープの組合員であることに変わりはない。
出資金には少ないなりに配当がつくし、コープ店舗の利用もできる。
黒耳号(人力ママちゃり)で行ける範囲には、コンビニと間違えそうなくらい小さな店舗も、こんなにデカくて採算が取れるの?という店舗もあるし。
コープ店舗はたまにしか利用しない。
近隣には他にも魅力的なお店が多々あるから。
と思いながら更に何年か経った先日、こんなハガキが届いた。
あら、残念。
大きい方のコープ店舗が閉店ですって。
確かにいつも空いてるものね。
私がわざわざ店舗まで買いに行くのだって、無着色•無香料•保存料無添加石鹸くらいよ。
そのコープには、お買い物をしなくても利用できる休憩スペースがある。
夏場マイボトルを忘れたときの、私の給水スポット。
ペットボトルやプラスチックトレイ等の他に、透明プラスチック容器の回収ボックスがある。
透明プラ容器を回収していないスーパーが多い中で貴重。
前述の石鹸、今のところAmazonや楽天市場よりお安い。
「残念」の中身はその程度。
今後、協同購入も店舗利用もしないなら、いっそ閉店する前に退会しちゃおうか?
近隣に店舗がなくなったら、退会手続きや出資金の払い戻しが面倒そうだもの。
銀行預金の利息より配当の方が高くても、投資目的ではないから微々たる金額。
それでもゼロではないけどね。
それより何より、階上にある広々としたDAISOがなくなっちゃったら残念だわ。
建て替え?
跡地は何になるのかしら?
使えるお店がいいわぁ。
さよなら組合さん、世話になったね。
世話もしたけれど。
おっと失礼、未だ営業してましたね。
売り尽くしセールの際は、必ずやお伺いさせていただく所存であります。最後くらい混雑するといいよね。生協だけに「盛況」なんちゃって。「なんちゃって」って……
華麗に有終の美を飾ってくださいませ。 (11/14)
#エッセイ #ブログ #コラム #散文 #雑文 #身辺雑記 #うつ病 #無職 #失業中 #生活協同組合 #コープ #組合 #協同購入 #個配 #閉店 733日目