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⭐️私は脚が短い 932


ご存知かどうかは知らないけれど、私の愛車は黒耳号という人力ママちゃり。
今は亡きロードバイクのケルビム号を別にして3台(代)目。


初号機は元夫Hが勝手に買ったカマキリ型。
カマキリハンドルは子どもを乗せにくい。
私なら選ばない。
駅前に駐めていたら、お手製のハンドルカバーを盗られた。
別の日は、おフランス製のワイヤーキーを盗られた。
何故だかカマキリは盗られることはなかったけれど、Hが勝手に人にあげてしまった。
確かに気に入ってはいなかったけれど、だからといって勝手に人にあげてしまうのは違うよね。
そういうところよ、H。

ブリヂストンサイクルファンチャンネルより


2台(代)目もHが勝手に買った。
今度はカマキリではなくオールランダーハンドルだったけれど、乗る私が選びたかった。
黒色のオールシーズン用ハンドルカバー(既製品)を装着したら、超絶似合わなかった。

オールランダーは右側
セミアップより前傾姿勢でこぎやすい
ブリヂストンサイクルより


余りにも黒色のカバーばかりが目立ち、大きな耳のように見えるので「黒耳」と名付けた。
クロミちゃんは未だ存在していなかった。
……と思う、知らんけど。


修理に修理を重ねて長年乗った。
修理代が購入価格を上回っていたと思う。
自転車屋さんから「日本製フレームは丈夫とはいえ、そろそろ危険。
フレームを修理してまで乗らない方が安全」と言われた。
Hに買われる前にと、次の愛車は慌てて自分で買った。
3台(代)目、現在の愛車。
ハンドルカバーは着けてないけれど、名前は黒耳号。
先代へのオマージュ。

ついついチャリで走っている方の足元を見てしまう。
ヤンチャな男子高校生だったり、かっけースポーツ車に乗っていたり、ばっちりウエア着用だったりする方々が、土踏まず辺りでペダルを踏んでいる。
チッチッチッ違うんだよなぁ、分かってないなぁと残念に思う。
未だにヘルメットを買えていないくせに、私の頭の中は偉そうだ。

自転車の乗り方を習う機会はなかった。
ペダルは中足骨頭部で踏むとか、ブレーキレバーは人差し指と中指の2本で握るとかは、大人になってから知った。
本当は乗る前に毎回ブレーキやタイヤの空気圧やベルやライトをチェックしなくちゃならない。
サドルの高さだって合わせないと、大抵こぐには低過ぎる。
お子様を乗せる場合はこの限りではないけれど。


赤信号などで停まるときは左足を地面に着ける。
車道の左端か自転車用レーンを走行するんだから当然なのに、これも習ったことがなかった。
右足を着いて体が右側に傾いたり倒れたりしたら、車道の自動車と接触する可能性があるからね。

実は長年これができなかった。
足裏がペタリと地面に着くほどサドルを下げれば良いのだけれど、それではこいでも楽しくないし、走っても面白くない。
左足の爪先を地面に着くとバランスが取りにくく、フラフラとして却って危ないし、左脚が攣りそうになってしまう。


意識して練習を重ねてできるようにはなったけれど、安定性を欠いてしまう。
右足なら訳なくできるのに、どうして左足にはできないのだろう。

2016年に骨が見えるほどの裂傷を右脹脛に負った。
2023年に右膝蓋骨を2箇所骨折した。
筋力やしなやかさでは、左脚の方が勝っているはずなのに。


不思議に思いながらも左、左、と意識はするけれど、急ブレーキをかけざるを得ないときや重い荷物を積んでいるときには、やっぱり右足を着けてしまう。
その方が安全に止まれるし安定して停まっていられる。
発進するときもこぎだしやすい。


ところで、私は脚が短い。
ん?


もとい、私の脚は短い。
ん?


もとい、私の左脚は、右脚より約1cm短い。
そうそう、それそれ。

左脚が右脚より短いことに、私が気づいたのはいつ頃だったか。
確かパンツの裾上げをしてもらったときに
「左の方を1cm短くしておきますね」と言われて、腑に落ちたんだった。


裾幅が広いフルレングスのパンツは、何故だか左の裾ばかりが擦り切れてしまう。
足元を見下ろしたときに、左側の靴は爪先の先っぽしか見えない。


ずっと不思議だったけれど、不思議でも何でもなかった。
それまでパンツの丈は、いつも右脚の長さに揃えられていた。
右脚には丁度いいけれど、左脚には1cm長過ぎただけ。


1cm長過ぎる左裾は靴を隠し、靴を脱いで部屋に上がると、床にこすれて擦り切れた。
そういうことだったらしい。


それ以降、裾上げが必要なときは「左右それぞれにピンを打ってください」と頼むようになった。
通じなかったり面倒そうにされたら
「左右の脚の長さが違うのでお願いします」と伝えるようになった。

何ヶ月前だっただろう。
お米とケースの豆乳を黒耳号に載せ、ヨロヨロしながら止まろうとしたときにハッと気づいた。

私の左脚は、右脚より約1cm短い。

安定感の差は1cmの左右差だった。

それ以来、止まるときには車体を少しだけ左に傾けるようにした。
サドルから地面までの距離が縮まるから、左足でも停まっていられる。
お米とケースの豆乳を積んでるときは無理だけど。


裾幅の広いパンツを穿かなくなり、市場しじょうのパンツは布地をケチっているのか、裾上げをしてもらう機会はなくなった。
だからといって脚の左右差が縮まったわけではない。


たかが1cm、されど1cm。
1cmを笑う者は、1cmに泣く。
安全に走って安全に止まろう。
それよりさっさとヘルメットを買えよ、私。           (11/7)

立冬、木枯らし1号が吹いた日
寒いのに図書館の薔薇が健気で可愛らしい




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ちゃりれれ【時々ジャイアン】
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