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Think clearly

心理学の研究成果、実践的哲学であるストア派の思想、そして著者が敬愛するチャーリー・マンガ―(ウォーレン・バフェットのビジネスパートナー)ら投資家の思考法を、52の「思考の道具」にまとめあげた本書

人生の質を向上するため、必要なものを読者が選び、共感して、実践しやすいように、学術的な背景はほどほどに、歴史上の失敗談や現代人の実例を重ねながら、52のメッセージを伝えてくれます

私事ながら、新規事業や仕事に関わる3つの章をピックアップしたい

(本書は、自分の感情との向き合い方、とくに「いかに信念を守るか」に、多くの章を割いている。感情を”飛んでは去っていく『鳥』のようなもの”と受け入れる 11 自分の感情に従うのはやめよう、など、ぜひ読んでほしい)

6 戦略的に「頑固」になろう

『イノベーションのジレンマ』の著者クレイトン・クリステンセンの頑固な「誓約」を紹介したい

クレイトン・クリステンセンは、若い頃、人生の前半をキャリアのためだけに捧げ、人生の後半はーつまり金銭的な余裕ができた後ー家族とゆっくり過ごそうとする管理職の人間を、大勢見てきた。 ただ皮肉なことに、そう思ったときには家庭はすでに崩壊してしまっているか、そうでなくとも子どもたちはとうに巣立ってしまったあとということが多かった。 そこでクリステンセンは、「誓約」を建てることにした。「週末に仕事をしないこと」「平日は家で家族と夕食をともにすること」を、自らに誓ったのだ。その誓約を守るため、クリステンセンは朝の三時に仕事に出ることもあったという

一見、非合理で迷惑なもので、柔軟性を失うことは不自由にも思える。が、こうした「徹底的に頑固な姿勢」をつらぬくことは、長期的な目標を達成することにつながる

日々選択肢を天秤にのせてメリット、デメリットを比較して「決断疲れ」することを避けることができ、周囲の人からも「主体性」を認めてもらえる

妥協せずに貫き通すべき「大事なこと」が何かを自覚して、そのことに時間を人生を投じる姿勢は、不確実でつねに意義を問われ続ける新規事業には必要なものであり、それを誓約して守り通す姿勢を示したい

16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

世界をすべて理解することはできない

ウォーレン・バフェットが「能力の輪」という表現をする、『自分の能力の境界線』を意識し、自分がなにをすべきか自覚することを勧めている

では「能力の輪」はどうやってつくりあげればいいのか

「能力の輪」の形成に必要なのは「時間」である。それも、とても長い時間がかかる。(略)それからもうひとつ。「執着」が必要である。執着は一種の中毒だ

成功者の代名詞であるジョブズやビル・ゲイツも、デザインやプログラムに若い頃から執着してきたからこそ、その分野のエキスパートになれた

自分が信念をもって取り組むべき対象があるのであれば、そこにとことん時間をかけ執念をもやし、他の欠点は周囲に任せて専念しつづけることが、新事業の世界観と事業構想の根幹をつくる、のだと肝に銘じるべきなのだろう(新しいもの好きで、浮気者な自分に言い聞かせるようで耳がいたい汗)

38 自分の頭で考えよう

ファスナーの仕組み、一度も見たことない人に、説明できますか?

私たちは、きちんと説明しようとして初めて、知識が不完全なことに気づく。「知識の錯覚」と呼ばれる現象らしいが、世の中はファスナーのようなシンプルなものよりずっと複雑で、簡単に答えの出せるものではないものばかりのはずだが、「大事なことは3つあって。。」と、ついつい分かったように振る舞ってしまいがちだ。本当は、多くの時間と根気で対峙すべきことばかりなのに

だから、私たちはラクな方法をとる。複雑な問題に関する意見をいう際には、奇妙なことが起きる。そのテーマについての本を読んだり、専門家の意見を聞いたりする代わりに、私たちは自分が属する社会集団の意見をそのまま借用してしまうのだ。(略)『無知の科学』の中で言及しているように、私たちはおもに「自分の周りの知識のコミュニティ」の知識に頼っているのである(略)自分の意見を述べるときは、注意しよう。考えなしに自分の周りの人々の物言いや表現を取り入れるのではなく、自分自身の言葉を見つけたほうがいい

あらゆる事象に対する説明が用意されている、反論の余地がない、不明瞭、の3つの危険信号がかさなるような、何らかの原理原則や規範めいたイデオロギーは、注意すべきであると警鐘を鳴らす

自分の意見に対する「反論」を意識的に探して、自身の論理の確実性を確かめることも有効だ

ついつい、人は自分を守ろうとしてしまい、批判や衝突を回避しがちだが、「自分は不完全だし、全てを理解することはできない」という姿勢で、選択的な注意を向け、自分の言葉で思考を表現しながら、自分の中に経験と思索の積み重ねを蓄えていく

「そもそも、うちにとって新規事業ってなんなの?」

「自分がなしとげるべきことは、なんなのか?」

「自分のゆらぎない信念とは?」


新年に信念をかんがえる。

スタバでお茶を濁す、仕事初めの有給休暇でした。。。