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たっぷりと重い湿気をまとって 雨の匂いが僕を包み込む。 白き花の気配はいつしか薄れ、 伸ば…
約束の時間には誰もいなかった。 けれどテーブルには好きな色のクロス、 引いてある椅子がさあ…
そう、あの星では僕らは影に目を細め、 光に深く溶け込んだ。 青い花が咲いていたかって? も…
その花を食べるとね、眠ってしまうんだ。 そうして僕の大切な人は今も目を覚まさない。 療養所…
果てしない砂の世界を 渡りきた木片を火にくべる。 故郷の浜にも同じものがあると 友が目を細…
かつて叡智の都と謳われたそこでは 輝く水晶が心を伝達した。 曇りなき想い、 その全てを受け…
船べりで君が歌う。 聞いたことのない歌だ。 なのになんとも懐かしい。 湖に沈んでいた歌です。 大切な人に伝えたかった歌。 そう言って君が泣いた。 繰り返される旋律が 遠い日にそっと触れる。 ああ、と僕は息をこぼした。 霧が晴れるように全てが鮮やかになっていく。 胸を震わせて僕は愛しい人を抱きしめた。
ふと目覚めた深夜に思うこと。 もしこの扉があなたの隣に繋がっていたら。 私は最初に何と言う…
私は咲き誇る薔薇の前で祈った。 その棘が世界を支配せんことを。 誰かの作った結末なんて無粋…