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【140字/空想】遥か遠くから流れ着いたもの

果てしない砂の世界を
渡りきた木片を火にくべる。
故郷の浜にも同じものがあると
友が目を細めた。
満天の星々、
紫紺の天蓋からの高貴なる光。
その下で白肌を晒す木片の炎は
聖なる祈りのごとし。
昼の熱を失いゆく静寂の王国で
友が異国の旋律を静かに口ずさめば
まだ知らぬ潮騒を
遠く聞いたような気がした。

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