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【140字/空想】麗しき棘たちの夢

私は咲き誇る薔薇の前で祈った。
その棘が世界を支配せんことを。
誰かの作った結末なんて無粋なものを
繊細で無慈悲な緑の王国に持ち込まないで。
ここに流れる時間はまさに深い眠りのごとく。
幻に踊らされる者たちには
決して見ることのできない夢の中を
本当の待ち人の訪れまで
飽きることなく漂い続ける。

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