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【140字/空想】遠き日の大切な歌

船べりで君が歌う。
聞いたことのない歌だ。
なのになんとも懐かしい。
湖に沈んでいた歌です。
大切な人に伝えたかった歌。
そう言って君が泣いた。
繰り返される旋律が
遠い日にそっと触れる。
ああ、と僕は息をこぼした。
霧が晴れるように全てが鮮やかになっていく。
胸を震わせて僕は愛しい人を抱きしめた。

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