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【140字/空想】夏花たちの秘密

その花を食べるとね、眠ってしまうんだ。
そうして僕の大切な人は今も目を覚まさない。
療養所への道、
疲れ果てもたれかかった古い門の跡。
真夏の香りのソーダ水を買うといいよ。
夢の中で可愛い子が教えてくれた。
広場では夏至を迎える祭りの始まり。
動き始めた運命、
揺れる夏花たちに僕は感謝を捧げた。

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