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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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メールマガジン「小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略」の中から興味のある記事だけお手軽にどうぞ。毎週一回更新。定期購読はこちらから https://www.mag2.com/m/…
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2020年8月の記事一覧

第97号(2020年8月31日) ベラルーシ大荒れの背景は?(その3)、ロシアの新型無人機、ほか

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【インサイト】ベラルーシ大荒れの背景は?(その3) 「ベラルーシの危機」か「ルカシェンコの危機」か ベラルーシでは依然としてルカシェンコ大統領派と反体制派のデモ隊による対立が続いています。ただ、当初の予想に反して、事態は長期化の様相を呈するようになってきました。  ロシアの介入を恐れる反体制派がデモの過激化を慎重に抑制しているのに対し、治安部隊を

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第96号(2020年8月24日) ベラルーシ大荒れの背景は?(その2)

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【インサイト】ベラルーシ大荒れの背景は?(その2) 相変わらずベラルーシが揺れ続けています。8月9日の大統領戦後、大規模な反政府デモが全土を席巻したことは前回お伝えした通りですが、8月23日には過去最大規模のデモが発生し、これに対してカラシニコフ小銃を手にしたルカシェンコ大統領がデモの最前線に姿を現すなど、予断を許さない状況が続いています。  

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第95号(2020年8月17日) ベラルーシ大荒れの背景は?ほか

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【インサイト】ベラルーシ大荒れの背景は?(その1) 日本ではあまり報じられていませんが、ベラルーシ情勢が大荒れの模様を呈しています。  1994年からルカシェンコ大統領による独裁が続いてきた同国ですが、8月9日に行われた6回目の大統領選を機に反政府運動が盛り上がっており、国営企業でのストにまで発展している他、政府の治安部隊や軍からも反体制派に身を

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第94号(2020年8月3日) 夏休み企画 この夏読みたい5冊

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【夏休み企画】この夏読みたい5冊 8月に入って最初のメルマガをお届けします。  7月中はずっと梅雨の続きのような天気だった関東地方ですが、今月になってからようやく「夏」が本気を出してきたようで、にわかに夏休み感が出てきました。娘の夏休みも始まったので(今年はコロナのせいで2週間に短縮みたいですが)カルピスの原液を1本買って勝手に「夏」を始めてみま

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第62号(2019年11月25日) ASEEES in サンフランシスコ訪問記

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【見聞録】スラブ東欧ユーラシア学会(ASEEES)inサンフランシスコ訪問記 最近、だんだん出張記録のようになってきたこのメルマガですが、今回をもってしばらくの間は海外に出る予定は入っておりませんのでもう少しだけお付き合いください。  前回予告した通り、今回はサンフランシスコで開催されたASEEES(スラブ東欧ユーラシア学会)に参加してきました

第10号(2018年10月26日) ロシアのINF条約違反

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】ロシアのINF条約違反はなんのため?●今週の質問  ロシアンロケットおじさんこと小泉先生に質問です。アメリカのINF条約破棄の原因を作ったロシアですが、SSC8対地巡航ミサイルは一体何のつもりだったのでしょうか?  ロシアはINF条約の消滅を願っていたが自分からは破棄を表明したくないのでアメリカから破棄させるように仕向ける為の道具として

第9号(2018年10月19日) ロシアの準軍事組織とは?

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】「準軍事部隊」って何?●今週の質問  先日のメルマガで徴兵の一部が準軍事部隊向けに配属されるとありましたが、「準軍事部隊」をどのような組織を指し、その組織はどのような役割を負っているのでしょうか?  ご質問ありがとうございます。  たしかに日本では「準軍事部隊」といってもなかなか理解しにくいものがあると思いますので、今回取り上げさせて

第8号(2018年10月12日) ロシア軍の転勤事情 ほか

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】ロシア軍の転勤事情は?●質問  ロシア軍の転勤事情について教えて下さい。欧州方面を担当していた人間がシベリアに転勤とかあるんですかね?(部隊が解散とか部隊ごと配置転換などを除いて)  今回はロシア軍人の転勤事情という興味深い質問をお寄せいただきました。なかなかこういうことは自分では思いつかないので、「質問箱」という形式でメルマガを運営

第7号(2018年10月5日) ロシア航空宇宙軍の組織構成

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】航空宇宙軍の中に空軍が?●今週の質問  ロシア航空宇宙軍になったのにロシア空軍(VKS)と国防省のサイトにあるんですがどういうこと? ●小泉より  ご質問ありがとうございます。  本題に入る前に簡単に交通整理しておくと、ロシア航空宇宙軍の略称はVKS、旧ロシア空軍の略称はVVSなので、質問者の方がロシア国防省のサイトで「VKS」という

第6号(2018年9月28日) 財政難のロシアが何故イケイケドンドン?

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】財政難のロシアが何故イケイケドンドン?●今週の質問  ロシアは財政が厳しいはずなのに何故あんなにイケイケドンなのでしょうか?  ロマノフ王朝の埋蔵金でしょうか  ご質問ありがとうございます。  たしかに最近のロシアを見ていると「イケイケドンドン」という印象を持つのは当然かと思います。代表的な動きだけを見ても、2014年にウクライナに介

第5号(2018年9月21日) ロシア軍と女性

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】ロシア軍と女性●今週の質問  ロシアの軍隊って女性、多いんでしょうか?徴兵に関しては男女の区別は無いのですか?  ご質問ありがとうございます。  最近、日本の航空自衛隊に女性戦闘機パイロットが誕生するなど、軍隊における女性の社会進出が話題になってきました。米軍となると女性の戦闘機パイロットくらいはもはや珍しくなく、女性の大将も居ればイ

第4号(2018年9月14日)ロシアは日本と平和条約を結びたがっている?

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【質問箱】ロシアは日本と平和条約を結びたがっている?●今週の質問  ロシアは日本と平和条約を結びたがっているように見えるのですがこれは何故ですか?日本側は外交カードとして使っているように見えます。  ご質問ありがとうございます。  これはプーチン大統領が9月12日、東方経済フォーラム(VEF)において提起した「年内に平和条約を結んではどうか」と

第3号(2018年9月7日)グルジア見聞録

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【見聞録】グルジア見聞録 ●グルジアという国  科研費の出張で旧ソ連のグルジア(ジョージア)に行ってきました。  滞在わずか3日という弾丸出張だったのですが、私としても初めての訪問であり、読者の皆さんにとっても興味深いのではないかと思い、今回はグルジア見聞録をお届けしたいと思います。  グルジアは地理的に南カフカス(南コーカサス)に位置する国で、

第2号(2018年8月31日)ロシアの戦車、なぜ急に減った?

【質問箱】「平成30年度防衛白書でロシアの戦車保有数が急に減ったのは何故ですか?」  ご質問ありがとうございます。  新しく公開された平成30年度版『防衛白書』についてですね。この128ページを見ると、ロシア軍の保有戦車は現役約2800両、保管状態のものを含めて約1万3000両とされています。  一方、平成29年度版『防衛白書』では、現役戦車が約2700両、保管状態のものを含めて約2万200両と記述されていたので、たしかに予備保管が大幅に減ったことになります。  では、予備