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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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記事一覧

第295号(2025年2月10日) この戦争の行方を考える ロシアの戦争目的と「トランプ的なるもの」の狭間

【お知らせ】DEEP DIVEクラファンを今日から開始します 民間インテリジェンス機関DEEP DIVEのクラウドファンディングが今日から始まります。  我々がどんなことにチャレンジしようとしているのか、ぜひご一読の上でご協力を賜れましたら幸いです。 【インサイト】この戦争の行方を考える ロシアの戦争目的と「トランプ的なるもの」の狭間トランプ政権3週間  トランプ政権が成立してから3週間になります。  と自分で書きながら「えっ、まだそんなもんだっけ」となったのですが、ト

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第294号(2025年2月3日) 日本周辺でのロシア爆撃機の活動と中東への武器輸出二題

【今週のニュース】日本周辺でのロシア爆撃機の活動と中東への武器輸出二題長距離爆撃機の訓練続く  前号で紹介した極東でのロシア爆撃機部隊の訓練がいよいよ佳境に差し掛かっている模様である。防衛省統合幕僚監部によると、1月30日には戦闘機の護衛付きのTu-95爆撃機2機編隊が二度、日本周辺に接近したという。一度目は北海道知床岬沖から宗谷海峡上空を通過するルート、二度目は北海道奥尻島沖から秋田県男鹿半島沖を通過するルートであったとされているが、いずれも領空侵犯はなかった。前者のケ

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第293号(2025年1月27日) 極東でのロシア軍の活動、バルト海で相次ぐ海底インフラ破壊、インド・北朝鮮とロシアの軍事協力

【今週のニュース】極東でのロシア軍の活動、バルト海で相次ぐ海底インフラ破壊、インド・北朝鮮とロシアの軍事協力ロシア空軍の爆撃機部隊が極東で訓練を実施  ロシア航空宇宙軍(VKS)の爆撃機運用部隊である長距離航空隊(DA)が、極東地域で訓練を実施している。2025年1月25日、ロシア国防省が発表した。  小部隊単位(подразделениеэ:VKSの場合は飛行隊)で実施される第一段階に続き、第二段階では兵団(соединение:航空師団)及び軍事部隊(воинска

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第292号(2025年1月20日) ベロウソフのロシア軍改革計画と中露軍事協力の行方  ベラルーシに配備される「核」と「オレシュニク」

【今週のニュース】北方領土駐屯師団がロシア陸軍最優秀部隊に ほか混乱相次ぐウクライナの軍事政策  戦争が長引く中でゼレンシキー政権の戦争指導についての批判・不満・混乱が報じられることが増えてきた。そのうちの一つが陸軍第155独立機械化旅団「アンナ・キエフスカヤ」の新編問題である。同旅団は西側の支援で新編される14個旅団の一つという位置付けであったが、当初から指揮官の不足など問題が山積しており、訓練のために送られたフランスでは50名以上の兵士が脱走するという失態まで引き起こ

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第291号(2025年1月6日) 「適応」するロシア軍と日韓攻撃計画?

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第290号(2024年12月23日) ロシア戦略核戦力の現状と将来像 「死の手」システムを増強へ

【インサイト】ロシア戦略核戦力の現状と将来像 「死の手」システムを増強へ戦略ロケット軍創立65周年  ロシア軍の機関紙『赤い星』(2024年12月17日付)に、カラカエフ戦略ロケット部隊(RVSN)司令官のインタビューが掲載されました。RVSNが創立65周年を迎えたことに因むものです。  ということは、フルシチョフ政権下の1959年にRVSNができているわけですが、プーチン政権下の2001年に軍種から独立兵科という扱いに変わって現在に至っています。『原子力科学者紀要』が毎

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第289号(2024年12月16日) ベラルーシ軍参戦の可能性 ほか

【今週のニュース】ロシアと周辺諸国をめぐる政治・軍事上の動き中露がミサイル防衛対話を実施  12月11日、中露は「ミサイル防衛と戦略的安定性のミサイル面に関する協議」を北京で実施した。両国は「世界及び地域の安全保障を維持するとの観点から突っ込んだ議論を行い、特に短・中距離ミサイルについて意見交換を行った」としていることから、米国との中距離ミサイルバランスやロシアのオレシュニク中距離ミサイル(後述)についても議論がなされたのかもしれない。参加者などの詳細については一切明らか

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第288号(2024年12月9日) アサド政権の崩壊とロシアの軍事プレゼンスの行方

【インサイト】アサド政権の崩壊とロシアの軍事プレゼンスの行方アサド一家、モスクワへ  50年にわたってシリアで独裁体制を続けてきたアサド政権が、ついに崩壊しました。12月8日には首都ダマスカスを制圧した反体制派が勝利宣言を出しており、バッシャール・アサド大統領は飛行機で逃亡したと見られています。ロシアの国営通信社TASSがロシア大統領府筋の情報として報じたところによると、アサドは家族と共にモスクワへ逃れ、亡命を認められたとのこと。 ロシア外務省の声明  さらに本稿の脱

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第287号(2024年12月2日) ロシアによるウクライナへの弾道ミサイル攻撃 新型ミサイル「オレシュニク」とは何か

【インサイト】ロシアによるウクライナへの弾道ミサイル攻撃 新型ミサイル「オレシュニク」とは何か謎の新型弾道ミサイル「オレシュニク」  10月21日、ロシアは新型弾道ミサイルを使用してウクライナ中部の工業都市ドニプロを攻撃しました。実はこの前日、ウクライナでは「ロシアがRS-26ルベーシュICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射準備をカプスティン・ヤール実験場で進めている」という未確認報道が出回っています。最初はデマかと思ったのですが、在キーウ米国大使館が一時業務を停止するなど

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第286号(2024年11月25日) 西側製兵器によるロシア領攻撃とロシアの核ドクトリン改訂

【インサイト】西側製兵器によるロシア領攻撃とロシアの核ドクトリン改訂初のロシア領攻撃に投入されたATACMS  ウクライナにおいてミサイル攻撃の応酬が激化しています。  前号で滑り込み言及したように、バイデン政権は先週、米国製長距離兵器(つまりATACMS)によるロシア領への攻撃をついに認めました。これに合わせて英仏のストームシャドウ/スカルプ空中発射巡航ミサイルのロシア領への使用も認められ、これによってウクライナが供与された西側製兵器には基本的に使用制限は無くなったとい

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第285号(2024年11月18日)ついに認められたATACMSによるロシア領攻撃

【今週のニュース】ついに認められたATACMSによるロシア領攻撃ヤーセン級SSGNが宗谷海峡を初めて通過  防衛省統合幕僚監部によると、11月11日、ロシア太平洋艦隊の艦艇4隻が宗谷海峡を通過した。「ウダロイ級フリゲート(艦番号「543」)、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦(艦番号「331」)、バクラザン級救難えい船及びヤーセン級原子力潜水艦の計4隻」とされている。このうち水上艦3隻は10月のオケアン2024演習後、カムチャッカ半島に留まっていたもので、ウラジオス

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第284号(2024年11月11日) トランプの再登板とロシア・ウクライナ戦争の行方 「どっちの」トランプが顔を出すのか

【今週のニュース】ウクライナ軍と北朝鮮軍の戦闘始まるロシア軍が戦略抑止力演習を実施  10月29日、ロシア軍の戦略核部隊は、最高司令官であるプーチン大統領の指揮下で定例の戦略抑止力演習を実施した。  今年の戦略抑止力演習の内容は例年と大きく変わっていない。戦略ロケット部隊(RVSN)による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射訓練、海軍(VMF)の弾道ミサイル原潜(SSBN)による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、航空宇宙軍(VKS)による空中発射巡航ミサイル(ALCM)

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第283号(2024年10月28日) 北朝鮮軍、ウクライナへ

【インサイト】北朝鮮軍、ウクライナへ 予想される露朝の狙いと戦争の今後ロシア国内に現れた北朝鮮兵たち  なんだか三十年くらい前の仮想戦記でも書いているような気分ですが、こういうことを大真面目に記すことになってしまいました。  前号でも簡単に触れたように、10月半ば以降、北朝鮮軍がウクライナでの戦争に参戦するため、ロシア領内に入ったのではないかという報道が相次ぐようになりました。ウクライナ・韓国の政府も「北朝鮮軍がロシアに入った」と述べています。  この間、現地からは映像

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第282号(2024年10月21日) 明らかにされた「勝利計画」の中身と戦争の行方

【今週のニュース】北朝鮮軍がついにウクライナの戦場へ?オーストラリアがウクライナにM1を供与  オーストラリア陸軍から間も無く退役予定のM1A1戦車49両がウクライナに供与されることになった。より新しいM1A2戦車の導入に伴う措置。ただし、ウクライナへの直接供与ではなく、アルバニア政府を介しての供与となるようだ。  ウクライナ軍に配備されたM1戦車は米国が供与した31両のみであり、うち少なくとも16両は既に失われている(Oryx調べ)。残る15両もおそらくはそんなに稼働

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