ブランディングのキモ:まずは顧客の声を聞こう
顧客調査の重要性
ブランディングやリブランディングを行う際、ターゲットを決めるための調査が欠かせません。このプロセスにおいて、「既存のお客様だけで十分ですか?」と聞かれることがよくあります。
ロイヤルカスタマーを探せ
新しい商品や新しい顧客をターゲットにする場合には、その調査も必要ですが、初めてブランディングを行う場合や既存ブランドをリブランディングする場合には、まずその商品やサービスを一番気に入ってたくさんお金を使っくれるロイヤルカスタマーに話を聞くことが最も効果的です。
商品やサービスを買ってもらえない人=未顧客の意見を改めて聞くには、私の経験上コストと時間がかかります。さらに、未顧客はその商品について認知も興味もないため、調査が困難です。商品を売るときの施策を考えるときに未顧客については考えましょう。
レッドオーシャンである消費財や飲料などの大きな市場では、
「どんな理由で自社の商品を購入しないのか」
「他者商品を選ぶ決断をしたタイミングはいつなのか」
など、行動観察を行い、購買心理をつぶさに調べることが重要だと思います。
しかし、大衆消費財でない小規模の市場の場合は、大きく売り上げも立っているわけではないので、既存客からヒントを得ながら、毎回未顧客にどう売るかを考えざるを得なくなります。
新規市場に進出する場合は、ターゲットが全員未顧客ということになります。
ほとんどの企業は顧客データが不足している
信じられないかもしれませんが、結構な売り上げを上げている企業でも、しっかりとした顧客データを持っておらず、顧客への個別のヒアリングをした経験のない会社が多いものです。
これは恥ずかしいことではなく、これまでその必要がなかったわけです。それでもビジネスが成り立っていたわけですから。
そんな会社は実は大きな潜在能力を持っています。顧客の声を聴くだけで課題解決できてしまう例も非常に多いからです。
直接話を聞く
そのような企業では、マーケティング担当が1~2名、もしくは営業や総務が手分けして対応しているケースもよくあります。ユーザーの声を聞く方法やユーザーの集め方がわからないのも理解できます。
しかし、一度ユーザーの声を直接聞く経験をすると、そこには多くのヒントがあります。直接ユーザーの声を聞いた人たちは、嬉しい表情を浮かべ、充足感があります。
ユーザーの声を聞くことは、商品を作っている人、売っている人にとっては、「ここか悪い「「あそこが使いづらい」「ダサい」など、耳の痛いことも多くあります。目を背けたくなるような事実を突きつけられることもあります。
しかし、これを乗り越えない限り、本当の顧客理解には至りません。顧客を理解しないと、最適なブランド戦略を作ることはできません。勇気を出して顧客の声と向き合いましょう。そして可能な限り、消費者の秘めた想いを引っ張り出しましょう。その中に必ず宝物が埋まっているはずです。