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高校の生物でも出てくるけど... 改めて代謝の話

代謝という言葉は多くの方がご存知かと思います。

高校の生物でも割と最初の方で出てくる部分で、生物の生命活動を理解する上でとても基礎的な話です。

アンチエイジングを実践する上でも重要な内容なので、今回はヒトの代謝(特に好気呼吸)についてまとめていきたいと思います。


そもそも代謝とは・・・

代謝とは生物の体内で起こる化学反応のことで、大きく同化(簡単な物質から複雑な物質を合成する反応 例:光合成)と異化(複雑な物質から簡単な物質に分解する反応 例:呼吸)に分けられます。

今回はヒトのエネルギー代謝ということで、異化の代表例でもある好気呼吸をピックアップします。


好気呼吸について

酸素を必要とする呼吸。グルコース(C₆H₁₂O₆)と酸素(O₂)を材料に、エネルギー(ATP)と二酸化炭素(CO₂)を作り出す。

単純に「ごはん(グルコース)を食べ、空気(酸素)を吸う。そして二酸化炭素を吐き出し、エネルギー生み出す。」という、私たちが生きている限り常に行っている活動です。

特に重要なのは、その際に生命活動の源となるエネルギー(ATP:アデノシン3リン酸)を作り出すということ。

当たり前ですが、私たちはエネルギーを生成を行うことで、体温を保つ、心臓を動かすなど生命活動を維持しています。

細かくなるので今回は詳しく書きませんが、好気呼吸は3つの段階を経て進行します。⇒ ①解糖系(場所:細胞質基質) ②クエン酸回路(場所:ミトコンドリアのマトリックス) ③電子伝達系(場所:ミトコンドリアのクリステ) ※ちなみに、人のATP生成の95%はミトコンドリアで作られます。

好気呼吸では、1分子のグルコースから38ATPを生成します。


エネルギー代謝を阻害する要因

好気呼吸は生命維持の超基本であるため、この経路が阻害される要因があると、細胞機能が低下し、疲労や体調不良に繋がります。

経路が阻害や反応の低下には、オーバーワークなどによる疲労の蓄積、不摂生な生活習慣、老化現象などが挙げられます。(最近の研究では、阻害する一因として活性酸素との関係が言われています。)

アンチエイジングとして考えた時も、若々しく健康でいるために健全なエネルギー代謝はとても重要で、特にATP生成の大部分を担うミトコンドリアの機能が活発であることは大きなポイントです。

※ちなみ今話題のNMNサプリメントは、好気呼吸の反応促進に重要な補酵素NAD+を補うために摂取します。(NMNは体内でNAD+に変化)


本当に上手くできている自然の摂理

好気呼吸の化学式をみてみると

好気呼吸 : C₆H₁₂O₆ + 6H₂O + 6O₂ ⇒ 6CO₂ +12H₂O+38ATP

となります。

グルコースと酸素(+水)から二酸化炭素とATP(+水)を作り出す、という人の呼吸の全容が分かります。

一方、同化の代表例でもある植物の光合成の化学式もみてみましょう。

光合成 : 6CO₂ +12H₂O(+太陽光) ⇒ C₆H₁₂O₆ + 6H₂O + 6O₂ ※太陽光は矢印(⇒)の上に書きたいところですが、noteの入力では上手く書けないのでとりあえずの場所に書きました。

ここで、好気呼吸(人の呼吸)と光合成の式を見比べてください。反応がピッタリ真逆になりませんか?

私たち人間は、グルコース(植物など)を食べて酸素を吸い、二酸化炭素を放出している、そして生命維持のためのATPを作り出している。

一方植物は、私たちが放出した二酸化炭素を原料に、人間の生命維持に欠かせない酸素とグルコースを作り出している。

私は高校の生物でこのWin-Winの関係が分かった時、感動にも似たインパクトがありました。本当に自然の摂理って良くできているなぁ・・・と。

私が生物に興味を持ったきっかけと言っても過言ではない代謝ですが、老化や病気を学べば学ぶほどその重要さに気づかされます。

今後はミトコンドリアについても詳しく書きたいなぁ・・・(とか言って、まとめるのが割と大変w)

☆関係ないけど、PR写真のために久々の白衣を着ました!

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