採用広報・採用ブランディングのプロが大手、ベンチャー役員、病気療養を経てたどり着いた働き方の新境地
「採用広報支援をしていると、さまざまな働き方があることを実感します。どんな人生を送りたいのかを見つめ直し、それに向かってまい進することをおススメします」
そう語るのは、採用広報・採用ブランディングのプロ、垣本陸さん。ご自身は大手企業やITベンチャー役員を経験しながら、病気をきっかけにキャリア中断を経験されました。療養中に自身の働き方を根本から見つめ直し、今、自分らしい働き方を体現しています。
「#キャリーミーで挑戦」第6回の今回は、主に採用領域で広報・マーケティング・ブランディングを横断的に担うプロとして多くの企業の支援を行う垣本さんの言葉から、働くことの本質、挑戦へのヒントをご紹介します。合わせて、採用広報支援のやりがいや、採用広報で課題となりがちなKPI設定のヒントもお伺いしました。
採用、マーケティング、ブランディングを横断的に担うプロとして独立
―これまでのキャリアをお聞かせください。
新卒で大手通信会社に入社し、販促・宣伝・広報部門にてtoC・toB両方のマーケティングとブランディングの仕事をしました。その後、知人とともにITベンチャーを創業、経営陣の1人として社業全般に関わりながら、特に人事採用領域に注力して15年ほど働きました。自分は言われた通りに仕事をするよりも、裁量を持っていた方がいい仕事ができるなと感じて、楽しかったですね。
ただその後、病気を患ったことで数年間仕事から離れざるを得ない時期がありました。数年間の療養をして、ようやく元気になってくると、自分の中で「仕事したいな」という気持ちがわいてきました。
―そこからどのように独立につながっていくのですか?
仕事復帰したタイミングが、働き方の多様化が促されフリーランスへでも仕事しやすい環境だった上に、コロナ禍でリモートワークが一気に普及した時期だったので、自宅でできる仕事ができないかと思っていました。
まずは自分のキャリアを棚卸してみたところ、私がこれまで担当してきたマーケティングやブランディング、採用という各領域には、それぞれの専門家がたくさんいる一方で、それらを横断的に扱える経験やスキルを持っている人は少ないのではないか?と思ったのです。
市場を見ても、Wantedlyやnoteといったプラットフォームの広がりとともに、企業の採用ブランディング、採用広報の取り組みが一般的になってきていました。この領域で仕事をしていこうかなと思っていた折、たまたま私のプロフィールや経験を見たWantedlyの方から、「うちでライティングや編集の仕事をしませんか?」とお声がけいただいたのです。こうしてWantedlyの採用広報プラットフォーム「HirinGeek」での業務が始まりました。
同時に、直接企業の支援もできるよう、キャリーミーを含めいくつかのサービスに登録したことで、お仕事をいただけるようになりました。
―会社の看板なしで仕事をしていく不安はなかったですか?
同年代の多くは、「家庭を守るために働く」という要素が大きいと思いますが、私はそういった状況がないので、気楽に考えています。働くうえで大事にしていることの1つが、「ストレスを溜めないこと」。今のように勤務時間に縛られない自由な働き方を気に入っています。
もちろん、プロとして責任感を持って相応の成果を出すことは必須ですが、企業様からもプロとして尊重していただきながら仕事をできているので、働きやすく、いい環境だなと思っています。
戦略立案からかかわり、半年でPV数は3~4倍に
―キャリーミーについて伺います。現在キャリーミー経由でいくつもお仕事をしていただいていますが、キャリーミーを活用してみてどのように感じられていますか?
クライアント企業様からの対応がすごく良く、気持ちよくお仕事させてもらっています。それは、キャリーミーさんがクライアント企業様と信頼関係を築いているからだろうなと。
まず、キャリーミーの担当者のフォローが素晴らしいですね。何かサポートが欲しい場面で状況報告をすると、すぐバックアップの動きをしていただけます。以前、私がクライアント様との契約日時を失念してしまって「月末でしたっけ?」とお伺いしたときも詳細な日付けまですぐに教えてくれました。細かいところですが、経理担当者からの対応もかなり丁寧です。フリーランスにとっては頼りになる存在ですね。
―キャリーミー経由でのお仕事についてご紹介いただけますか?
ここ1年ほど、大手小売チェーングループで技術開発を担う会社様の採用広報支援をさせていただいております。この会社様では、社内のリソース不足によりWantedlyの運用が中断していたのですが、私が入り、採用広報戦略の再構築から行いました。
お客様と一緒にメッセージをきっちり定めたうえで、ターゲットに刺さるようなコンテンツの作り方をご提案し、同意いただけた戦略にしたがって形にしていっています。今は私が、コンテンツ企画・取材・撮影・記事制作、公開後のKPI管理までをまるっと担う形です。
ー採用広報のKPI設定は難しいと聞きます。どのような部分をKPIとされているのですか?
たしかに採用広報は効果が見えづらい側面があるものの、初期と中長期でKPIを分けて設定することで、定量的に効果を測れます。
初期段階での効果測定は、PV数やWantedlyのフォロー数がKPIとなります。中長期的には、内定承諾率・応募者数の変化も、重要な指標です。私が携わる案件ではほとんどの場合、半年間でPV数が3~4倍に増加しています。
また、PV数やフォロー数などの結果に応じて、コンテンツ戦略を3ヶ月に1回ほど練り直し、次に強化していくべきジャンルの記事を定め、作り込んでいく流れで進めています。
ーお話を伺っていると、クライアント企業様とは長いお付き合いをされている印象を持ちましたが、契約期間はどのくらいになるのでしょうか?
長いところでは、2年半ほどお付き合いしているクライアント様もいらっしゃいますね。
採用広報の場合、効果が出たかどうか判断するにはある程度の時間が必要です。息の長い施策なので「3か月で応募を倍増させたい」というご希望のクライアント様に、採用広報だけでの実現は難しいとお断りした経験があります。
お客様も気づいていなかった会社の魅力を引き出せることがやりがい
―採用広報、採用ブランディングのやりがいはどんなところにありますか?
最近、Wantedly内のキャンペーン(Wantedly ストーリーお題企画)で、私が制作した採用広報記事がグランプリを受賞しました。こういったアワードをいただけると、お客様にも喜んでもらえますし、やりがいになります。
採用広報の仕事をしていて楽しいのは、お客様も気づいていなかった会社の魅力を引き出せるときですね。例えば、エンジニアの多い会社様では、それまで技術力の高さを強く打ち出していたのですが、社員の方に話を聞いてみると実は会社の魅力は、人が温かい、面倒見が良いといった人間関係面にあることがわかりました。
外部のコンサルタントを使うメリットは、まさにこのような発見ができる点にあると感じます。私の役割は、第三者目線で改めて会社の魅力を見出すことなのだろうと思います。
採用広報を自社内で完結させている会社様も多いのですが、どうしてもアウトプットが内輪寄りになってしまいがちです。外部の人が見ても魅力的に伝わるコンテンツを作っていくことは、会社の信頼性を高める上でも重要なポイントだと考えています。
―お仕事に取り組む際に、大切にしていることは何でしょうか?
採用広報記事を作る際には、“いい笑顔”を出していただけるような取材にすることを心がけています。作り笑顔ではなく、本心から楽しんでいる表情が出てくるときは、間違いなく本音でお話しいただいているので、記事としてもいいものができると思っているからです。
もう一つは細かいところですが、レギュレーションをきちんと作ることも大事にしています。
例えば記事内で「社員」と書くのか「スタッフ」と書くのか「従業員」と書くのかなどが統一されていないと、読み手に違和感を与えます。記事ごとのバラバラ感が出ないように、会社ごとにレギュレーションを組んで記事を作る必要があると考えています。ですが、できている会社は少ない印象です。そういうところも見る人は見ますから、私が支援する際は「しっかりやっているな」という印象を持ってもらえるコンテンツにすることを意識しています。
まずは「自分はどんな生活を送りたいのか?」を問い直す
―今後、垣本さんが挑戦していきたいことはありますか?
今よりも規模の大きな採用ブランディングの案件が扱えるように、プロ人材同士のネットワークを作りたいと構想しています。
私が現在提供しているのは採用ブランディング(採用の戦略全体の設計、打ち出しやメッセージの方向性の決定など)の支援と、そこから派生する採用業務の一つである採用広報の支援です。しかし、採用ブランディングの方針に沿って採用広報以外の施策についても行っていける状態を作った方が、効果が最大化されるでしょう。
クライアント側には、例えばダイレクトリクルーティングのスカウトを送ったり、ペルソナを定義するなどの業務が発生しますから、選考プロセスに集中していただける環境をご提供できるようになれば、受けられるお仕事の幅が広がっていくと思うのです。
採用広報に絞った話でも同じです。採用広報においてはある程度、記事の量産が必要なフェーズもあるのですが、1か月で数十の記事を制作するとなると、リソースの関係上、お断りせざるを得ない状況があります。そこを同じようなことができる人たちでチームを作っておけば、受けられるようになるかもしれませんよね。
キャリーミーさんにもお手伝いいただき、これら大規模案件にもチャレンジできる環境にしていけるといいなと思っています。
―これから挑戦したいと考えている人に向けて、メッセージをお願いします。
採用広報や採用ブランディングの仕事をしていると、働き方の多様化を強く感じます。社員でフルリモートがいいという方もいれば、毎日出社して周りの人とコミュニケーションしながら仕事をするのが楽しい人もいる。私のように業務委託で仕事をするのがいい人もいれば、ベンチャー起業を目指して頑張る人もいる。男性でも家庭を大事にする価値観を持っている人もいるし、会社制度としても育休取得が可能な時代になりました。
このように、今は自分の好きなように働き方を選べる時代になっています。だからこそ、「自分はどんな生活を送りたいのか?」を自分自身で見つめ直し、ぜひ自分の送りたい生活に向けてまい進してほしいと思います。
考えた結果、自分の力でフリーランスとして挑戦してみたいと思った人には、キャリーミーさんを含めてバックアップしてくれるシステムやサービスが整ってきています。ぜひ自分の思う方向に挑戦してみてほしいなと思いますね。
垣本さん、ありがとうございました!
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