【現代詩】『黄昏』
『黄昏』
赤黄緑紫
*
夕方の海は
癒やされていて
力が抜けていて
それは、まるで
油揚げ みた。い
誰に
気を遣わず
味を染ませて
馬鹿みたいに
煌めいている
*
わ た し の 心 は
身 体 か ら
離 れ
遠 い 国 ま で
な が さ れ て
し ま っ た
*
心がおもうことと
身体がおもうことの
りょうほうを
たいせつに
貝殻のように
波打ち際に
ならべ直して
もう一度
一から順繰り
に
掛け直して
みる
*
すると
この病気は
跡形もなく
治癒する
*
愛することは
こんなにも
容易い
*
んだ
あかきみどりむらさき
2024ねん