【現代詩】『駄座印(でざいん)の動機』
『駄座印(でざいん)の動機』赤黄緑紫
ゆっくり歩く人達がいた
髪が白くて皺が多くて背がまるい
おおらかな間隔から為るチェックのジャケットを纏ったり
腰をギャザーに絞れるキルティングのジャンパーに円く身を包む
多くを望まない
そういう人が
夕陽に照されるべきなのだと
恥じながら遠い故郷に釘付けになり
足りなくなった血液をその連結する山々から手当たり次第に輸血する、最早
それ以外の点を自分ごときが凝視める資格はないという速やかな納得が体内に立ち込め√
小さな胸を行き止まりにして
大人げもなく丸焼きにする
この真っ直ぐな背筋が後ろめたくて
馬鹿馬鹿しくてー!
直ぐ様“タック”を切り込まなければ
私はもう
生きて貫くこともできない
あかきみどりむらさき
2019ねん