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ライブで聴きたい幻の1曲
先日『「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験が、2人組ロックグループB'zのコンサートで実施された。』という記事を読んだ。
条件付きで、大規模イベントの収容率と収容人数の上限を撤廃するなど、ライブ中に歓声こそ上げられないが、世の中が少しずつ活気を取り戻しつつあるようだ。
以前、B'zではなかったが、ある芸能人の年末ライブに参戦するのが、毎年の恒例行事だった。
当時はモバイルファンクラブに入っていたので、スタンド席ではあったが、何とかチケットが入手できたのだ。
初めての参戦は、真夏の野外ライブだった。
巨大モニターが設置された会場での大音響と大歓声。
楽曲によってはタオルを振り回したり、一緒に踊ったり、熱気と興奮に包まれ、何もかもが初めてだったライブ。
あっという間の3時間だった。
曲の合い間に、一番後ろの席まで飛んできた銀テープ。
その時掴んだ銀テープ2本は、今でも大事にとってある。
よく陽の当たる席で、ライブ後、1週間ほど日焼けで真っ赤になってしまったが、初めてのライブは本当に楽しくて、数日間は余韻に浸っていた。
その後も足繁く、その人の春・冬のライブに何度も行った。
ライブに行けば、思い出を半分に分け合えるような気がしていた。
その人に関心を持ったきっかけは、CMだった。
なぜか私がTVをつけると、まるで『ファンになって!』と言わんばかりに、その人がいつも大画面で映った。
その時、彼が歌っていた楽曲は、とても切ないバラード。
毎日流れてくるその楽曲を何度も聴いているうちに、穏やかな落ち着いた声に癒され、いつしか吸い込まれるようになっていった。
名前こそ知っていたが、その人の顔をそれまできちんと見たことがなく、切ないバラードをBGMに、優しい顔を毎日見ているうちに、いつしか虜になっていた。
見えているのに近づけない。
手を伸ばしても届かない。
彼は私にとって、そんな存在だった。
それから10年近く…。
時は流れ、モバイルファンクラブは退会してしまったが、その人のラジオ番組は、今でも聴いている。
私がファンになるきっかけとなったバラードは、遂にライブで聴くことはなかった。
何度ライブに参戦しても、その楽曲は、いつもセットリストになかった。
いつか聴ける日が来るだろうか…?
もしも叶うなら、その時はぜひ、アリーナ席で!
誰かを好きになったり憧れたりしている期間って楽しい。
想いを伝える術はなくても、出会えて良かった。