希望の先に~映画『ショーシャンクの空に』~
待っていてくれる人の存在、行く所があるということの大切さ。
映画『ショーシャンクの空に』(1994年 アメリカ映画)に出てくる冒頭のセリフ。(確かこんな感じのセリフでした。)
晴れて自由の身となった後の身の処し方。
若さや能力、財産のある人は良いが、そのようなものを持ち合わせていない人にとって、待っていてくれる人の存在は何より大きい。
残された出所後の人生の選択。生か死かにまで影響を与えるほど大切な、自分が必要とされる場、心の拠り所の有無。
たとえ自由の身となっても、知る人も居場所もなければ、待ち受けているのは、一般社会の中で1人抱える孤独と恐怖。
孤独死が社会問題となっている今、もっとも印象的だったのが、自分の存在価値の認識がいかに大切かが伺える、出所後の元囚人を辿っていくシーン。
待っていてくれる人が誰もいなく、死を選んでしまう元囚人。
一方、冒頭のアンディの言葉に希望を見出せたことで救われたアンディの友人。
この映画のテーマは希望。
その希望は、出所することだけでなく、出所後にも必要なもの。
本当の自由とは、自分の存在価値を見出した上にあると気づかされる。
4kデジタルリマスター版で鮮やかに、迫力をもって蘇った映画。大画面で観ると、表情や心の動きなど、細部までクッキリと浮かび上がり、より深く作品に入り込める。
私にとっては、現代版『モンテ・クリスト伯爵』。
あるアメリカ人が「アメリカにはこんな素晴らしい映画があるんだ!」と自慢していたが、確かにその通り。公開後、30年近く経っても色褪せない、折に触れて何度も見返したくなる不朽の名作。
作中のほとんどが刑務所の中のシーンにも関わらず、暗澹たる気にならなかったのは、最初から最後まで、画面の至るところに溢れていた希望のお陰。
各所に散りばめられている数々の名セリフとともに、希望を捨てないアンディの生き方が、十二分に描かれている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?