カ メ ヲ

フィクションとノンフィクションの狭間。

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最近の記事

君島大空/独奏京都独公演•外は夏の形

20歳の時に無印良品で、ほんの2ヶ月バイトをしていた。 季節がどんどん流れて25年。幾度かsole cafeの村田夫妻主催のライブに足を運ぶ。 アーティストから絶対的な信頼がある夫妻は 歳を取らない。 羊文学の欠伸さんと餃子定食を食べながら、近況やライブの話などに興じる。 文化博物館の中庭は風通しが悪く、盆地の京都をミニチュアしたようなものだ。雨はまだ降らない。 会場してから、女性のお客さんの多さと若さに驚異。 いつぞや中学生の吹奏楽でライブを観たことがあった。

    • 歪で、あれよ。

      いびつ。先日買ったパンの可愛くなさに ざわざわしてしまっている。   彼ら、彼女か。 人間で言えば異端児である。 「しましま」という、普段は190円のパンを買う勇気が湧いてこない。 娘に見せてみたが嫌悪しか示さず 未だに買えないでいる。 仕事終わり、私は「しましま」に逢いに行く。 今日は5人の「しましま」が、ちんまりとこっちを見ていた。 いや、私がチーズたっぷりのパンを買うのを見ていたかもしれない。 いびつ。歪んでいる事という意味だが 別に歪んでいる訳ではない。

      • 鬱の本トークイベント

        冒頭にこの本の編集者の屋良さんの前書きより “病気のうつに限らず、日常にある憂鬱、思春期の頃の鬱屈など、様々な「鬱」のかたちを84名の方に取り上げてもらっています。「鬱」と「本」をくっつけたのは、本の力を信じているからです。1冊の本として『鬱の本』を楽しんでいただくとともに、無数にある「鬱の本」を知るきっかけになれば、生きることが少し楽になるかもしれないという思いがあります。この本が、あなたにとっての小さなお守りになれば、こんなにうれしいことはありません。あなたの生活がうま

        • グリーフケアの時代に

          今年度観た映画の中で何をオススメするかと言うとこの映画になる。 池田小学校殺害事件を記憶されている方も多いと思うが、それだけではない数多の命。 産まれて来なかった命、癌と闘病している間に鬱で自殺した命。 終わってからディレクターの方と監督(と、呼ぶと嫌がる監督)とお話させていただいたが、5月よりテレビ放送になるとのこと。 私の隣の人はずっと泣いていて、この人もそうなんだろうと思うと私も救われた。 どうか、すべての人間が等しく尊い言うならば この命の限り生きてみようと

          女々しいを越えたところ

          子宮全摘の手術をして、はや三年。 私は当時ものすごくダークなnoteを記していた。 娘をリリースして、10年目。 とってよかった事しか今はない。 手術の時、全身麻酔の機械にエラーが出て 看護師さんがあたふたしていたこと。 「大丈夫です!」意識が朦朧した私はそう発して起きたら、鈍痛と共にベットの上だった。 帝王切開の手術に比べれば痛みとしては 半分以下であること。 何か不便があるかというと、メリットしかない事。 但し、子供を一人出産しているからであって 婦人科は残

          女々しいを越えたところ

          鞄一個で、飛び出して。

          私は、一度目の離婚後アパレルの会社に就職した。 父も丁度亡くし、色んな手荷物や 心の半分を喪失したまま部署の部下を3人連れて 鞄一個とは行かず、単身の格安パックで 収まるようにそっと上京をした。 仕事も決まっていないアラサーの私はゲストハウスでネットカフェから応募した下着メーカーの就職は64人中1番で決まった。 驚くほどブラック企業であったが、 先輩に恵まれ続けるか続けないかのジャッジメントをしていた。 「終わりは向こうからやってくる」 プチンと糸が切れた私は退職票

          鞄一個で、飛び出して。

          拝啓、父へ2枚目

          天国にも行ってない父。 私は、元気と言えば嘘になるよ。 あなたがいつも呑んでいたワンカップは自販機で早々に買えなくなったんだよ。 小さい頃、まだあなたが印刷所で働いて機能性不全になる前のことを私は覚えている。 中卒で5人姉弟で、戦後育ちだから二人病気で亡くしたこと。そして、あなたの母は後家で籍も入れず今の苗字のままきたこと。初体験が14歳の屋上のこと。 あなたはいつも正直だった。 そして、誰よりも優しすぎた。 誰よりも弱かった。 私はあなたと母が堕胎した4人目の最後

          拝啓、父へ2枚目

          拝啓、父へ。

          私が派遣社員として、離婚後廃人のように働いていた日々。 自由を愛しレニークラビッツのように兄がやっとの思いで入所できた老人ホームから疾走し、私の目の前で兄と父は喧嘩をした。 号泣する私にできることと言えば父は、彼の全財産の小銭を渡すことだった。 幼い時から1円玉でウイスキーを冬場に買いに行かされることもあれば、友達に電話すると脅迫される日々だった。 兄と暴れる父をミイラ巻きにガムテームですることもあれば、鍋の底をお玉オーケストラで応戦した。 父は死んだ。道端で。誰に

          拝啓、父へ。

          BTS推しの文化論トークショー。

          私は2年前に「おやときどき、こども」と言う一冊の大変手厳しい本に下北沢で出会った。 その著者の鳥羽和久さんのTwitterを見ると 更に目と心に痛い言葉たちが綴られていた。 「きっと、怖い話し方をする人だ。」と思い込み…怖いながらも「君は君の主人公になれ」の出版トークショーに行った。 ふわふわと途切れなく話す鳥羽さんは、 大いに期待を裏切ってくれた。 熱量は高いのに一つ一つの言葉選びは優しく わかりやすかった。 かわいい靴下を履いたポップな人という印象に変わった。 ご挨

          BTS推しの文化論トークショー。

          瀬戸内海みたいな女になりたい。

          祖父が四国香川の出身。 小学生の頃、キセルを吹かす祖母と母と兄で一度だけお墓参りにいった。 瀬戸内海の海の夜を僕は今でも覚えている。 祖母はタバコを投げ捨て、ゆっくりとそれが海水に消えていく様を。 娘を連れて、昨年瀬戸内海を見た。 感慨深く「ひいおじいちゃんが香川だったよ」とたった一人の家族である娘に伝えた。 彼女は嬉しそうに笑った。 海を何より愛しているのに、なかなか行けない。 ただ、ぼんやり眺めるだけだ。 どこの海より瀬戸内海がすきだ。 僕にはまだ、瀬戸内海

          瀬戸内海みたいな女になりたい。

          親子カウンセリングについて。

          私と娘は、NPOサポチルという 発達支援や心のサポートがいる子供たちと親の カウンセリングに通っています。 なぜ、親子カウンセリングに通う事になったかと言うと「親権者変更及び面会者交流調停」を 申し立てられた2018年。 私は窮地に立たされていました。 法廷では、色んなある事やない事を相手側の弁護士に書面で出され疲弊していく日々でした。 ただひたすらに、絶望もしていました。 そんな時、面会交流を嫌がる娘が深夜馬乗りになり 「会いたくない」と私に馬乗りになり首を絞めまし

          親子カウンセリングについて。

          いい匂いのする方へを読んで。

          晴れた1月の正午。 レトロなビルに棲んで7年。 この季節は、水道が凍結し丁寧に飽きずに 右往左往をする。 徒労よりこれが冬の醍醐味だ。 私が離婚をせずに東京の阿佐ヶ谷に居れば こんな事もなかったろう。 ポストを開けると、曽我部さんの 「いい匂いのする方へ」 本来あと2日後のはずだったので慄く。 私はいつも歩きながら音楽は聞かない。 それは街ゆく人の日常や いい感じのノイズを愛しているからだ。 音楽に対してのリスペクトでもある。 帰宅し、夕暮れがやってくる。 娘は社

          いい匂いのする方へを読んで。

          人生はお子様ランチ。

          人生はお子様ランチ。 そう思う方が生きやすい。 私のことを「強そう」と言う人もあれば 「繊細だね」と言う人もいる。 エビフライが嫌いな人にはお子様ランチは呪いだし、好きな人にとっては天国みたいなもの。 どうにかこうにか日々を工夫しながら 私は生き延びたい。 ユーモアが出てこない夜もあれば 現実のような夢を見た朝は絶望する。 こんなんじゃダメだと何度も言い聞かせて 私は今日も生きた。 あなたも生きた。だからもういい。 明日のことは明日に聞いて。 日曜が終わる夜に深

          人生はお子様ランチ。

          ワタシが離婚するまでー3ー

          母の日の夜だった。 カーネーションを一輪。 「いいお母さんだね」もはや呪いだった。 口論が激化した20時過ぎ。 前夫は私の顔にドラマのように水をかけた。 左の頬を叩き 「何をしたかわかっているん?」 「わかってるよ」と右の頬を神様のように叩いた。 同棲中から物に当たる、首を絞められることは 何度かあった。 多分この暴力はエスカレートとする。 泣き喚く娘と目があい、抱っこをしたまま 「出て行って」と告げた。 4秒後、私は杉並警察署に通報。 7分後、沢山の刑事と警察官が

          ワタシが離婚するまでー3ー

          君島大空/独奏京都独公演•外は夏の形

          20歳の時に無印良品で、ほんの2ヶ月バイトをしていた。 季節がどんどん流れて25年。幾度かsole cafeの村田夫妻主催のライブに足を運ぶ。 アーティストから絶対的な信頼がある夫妻は 歳を取らない。 羊文学の欠伸さんと餃子定食を食べながら、近況やライブの話などに興じる。 文化博物館の中庭は風通しが悪く、盆地の京都をミニチュアしたようなものだ。雨はまだ降らない。 会場してから、女性のお客さんの多さと若さに驚異。 いつぞや中学生の吹奏楽でライブを観たことがあった。

          君島大空/独奏京都独公演•外は夏の形

          羊文学 Tour 2022“OOPARTS“大阪編

          6月11日zepp oosaka公演当初、予定していた恋人が取ってくれたチケット。 シャムキャッツのファンの友人たちとTwitterで流した一枚。(この一枚がのちに、また新たなライブに行くキッカケとなる) シャムキャッツのファンメンとご飯を食べつつ、近況報告に勤しむ。長い付き合いになったこと。 偶然、あの頃出会えたことは、私にも娘にとっても大きい。 娘を抱えてのライブはこれが最後だと思いたい。 そして、音楽があるから友達が増えるのも人生の醍醐味。 先にグッズを買う欠伸さ

          羊文学 Tour 2022“OOPARTS“大阪編