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いい匂いのする方へを読んで。

晴れた1月の正午。
レトロなビルに棲んで7年。
この季節は、水道が凍結し丁寧に飽きずに
右往左往をする。

徒労よりこれが冬の醍醐味だ。
私が離婚をせずに東京の阿佐ヶ谷に居れば
こんな事もなかったろう。

ポストを開けると、曽我部さんの
「いい匂いのする方へ」
本来あと2日後のはずだったので慄く。

私はいつも歩きながら音楽は聞かない。
それは街ゆく人の日常や
いい感じのノイズを愛しているからだ。

音楽に対してのリスペクトでもある。

帰宅し、夕暮れがやってくる。
娘は社交的に育ち日曜日は常に友達だ。

やがて、私1人になるのだろうと
ほくそ笑む。

さて、いい匂いのする方へを読みながら
曽我部さんの大失恋の描写に呑み込まれた。

頭のてっぺんからつま先まで
悲しみでいっぱいになるとき音楽が産まれる。

曽我部さんの楽曲数は
頭のいいリスナーじゃないし
私にはわからない。

サニーデイ・サービスが2人で活動し
「雨が降りそう」がリリースされた背景を知る。

子供たち、それぞれへのエピソード。
私は1人だけで手一杯だから、
曽我部さんのやっている大変さなんて
わかりっこないのだ。

さて、この本に「からっぽの世界」という章がある。
これはザ・ジャックスだとわかるのが
曽我部さんのオススメで聞き出したからだ。

曽我部さんはジョン・レノンみたいな事を
言うんだ。想像して欲しいと。

私は馬鹿だから、本当に目を閉じて想像をした。
ごめんなさいとありがとうの大切さとか
今抱えている悲しみや喜びなんかの意味を。

神様ってなんだろう。クリスチャンのくせに。

あまり本の内容に触れないようにしたいので
ここまでとする。

本を読んだり映画を見たりした後
私は必ず1人の時間をとるようにしている。

家族を崩壊させた、私にも自負があり時として胸が傷んだ。

それ以上にこれからの生活をありのままに受け止めようとおもった。


いや、ほんとにそうなんだ。
この本はそういう本であり、

曽我部恵一という人物を知っていても
知らなくても誰かがくれた花束を
窓際において光を感じるような本だ。

9歳の娘に「曽我部さんのエッセイよかったよ」と告げたら
「そなんだー曽我部さんのライブ行きたいな」
いや、それでいい。

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カ メ ヲ
なんでも嬉しいお年頃です!よろしくお願いいたします🙇

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