見出し画像

人間はよこしまな理性的動物【超訳】自省録37日目

・今日の超訳

人間は理性的動物であるが、健全な理性的動物という訳ではない。故に人と会う際には、その人の善悪や指導理性に対する考え方を把握した上で接するがよい。そうすればいかなる悪い事態に陥っても、起こるべくして起こった必然のこととして、落ち着いて客観的に対処できるであろう。

・引用原文(第11巻39章より)

「ソクラテスはこういうのをつねとしていた。「どちらをあなた方はお望みか。理性的動物の魂を持つことか、それとも理性のない動物の魂を持つことか」「理性的な動物の魂」「どんな理性的動物?健全な、それともよこしまな?」「健全な」「ではなぜそれを追い求めないのかね」「私たちはそれを持っていますから」「ではなぜ戦いいい争ったりするのだろう 。 」岩波文庫 神谷美恵子訳 自省録より

・ちょこっと解説

・ソクラテス後の哲学者であるマルクス・アウレリウス。ソクラテスの思想の影響を受けていたことをこの章は示している。

・マルクス・アウレリウスは、善悪は良いものでも悪いものでもないと考えていたが、人と会うときは、その人が善悪についてどのような考えを持っているか、はっきりとさせておくことが肝要だと考えていた。考えておけば、その人がいかなる行動をとっても、慌てず理性的に判断できる。

・人間は理性的であるが、各個人によって、その人が果たすべき義務(指導理性)は当然異なる。要するに主義主張はそれぞれなのである。それは国に限らず狭い集団でも同じである。上に立つものは、このことを人間の原理として考えておきたい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。また、小生の記事は全て投げ銭形式になっています。お気に入り記事がありましたら、是非よろしくお願いします。サポートやスキも、とても励みになります。応援よろしくお願いいたします!