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でも「失礼を指摘すると悪者になる理由」を考えてみたら。

ちょっと失礼なことを言われたとき「それ失礼だよ」って伝えた側が悪者になるあの現象、いったい何と呼べばいいだろう。

私は体質的にとても身体が細く悩んでいて、それを知っている女友達と、何か重いものを持ったときの話をしたとき「そんな細い腕で?」と少し笑われた。ここで私が「その太い腕なら大丈夫と思う」と言えば(彼女はちょっとふっくらしている)こっちが悪者になる。

幸い、嫌なものは嫌だとはっきり言えるので、一度目は冗談っぽく「それ嫌やねん」といい、それでも言ってきたら「いや、普通に本当に嫌なやつだからせんで」とぴしゃりと伝える。それはそれで、こっちが悪みたいになるのだけれど。

なんだろうなぁ、あれ。凝り固まった男性性を持つかたから「なんかバーとか行ってそう」と少し揶揄されて「そういう会話、よく居酒屋でしてそうですね」と笑顔で答えるとやはり角が立つ。いや、皮肉って気づかないのかな。でもあとから気づいたらその人はすごく怒りそうだ。

たぶん、というかほぼ確実に「自覚の重み」の問題なのだろう。相手が本当に嫌だと思っていることを、親しい間柄の人間は楽しい会話中にわざわざ突いてこない。失礼さがあまりピンときていないのだ。

だから相手スタートの失礼にも関わらずこちらが指摘すると意表を突かれ、少し場の雰囲気が悪くなり、受け流さなかったこちらが悪者となる。なんだこれ、すごく嫌だ。

「自覚しましょう講習会」みたいなのを開いても、おそらくあまり響かなさそうだ。

それで、私は解決法を考えた。ちょっと世界への提案なんだけど、無自覚に失礼なことを言ったら少し全身が紫色に変わる技術が発展したらどうだろう。言えば言うほど紫色になって、最後には紫色人間になる。そうなったら視覚的に「危ない人だ」と把握できる。紫色人間も「流石にこれはまずい」と思ってくれる気がする。それに、

「えっ、ちょっとあたし今少し紫に変わった?」

「私に向かって『女の人って気持ちが冷めかけたら極端に連絡頻度低くなるよね』って言ったからじゃない?」

「そっかごめん、女性を全体で括ったからか。あっ、色が元に戻った」

みたいな、失礼を自覚すると色が元に戻るシステムまで組み込めばより平和になるのではないか。

あぁ、だけどあれだな。たぶんすぐに「紫人間差別問題」とか、ネットに「紫色人間にならないためのポイント7選」とか、身体に紫色のペイントをして紫色人間を装う詐欺事件とか起こるのだろうな。

ただ人が嫌がることはやめましょうよ。というシンプルなはなしだったのだけどなぁ。

むかし読んだ漫画に「簡単をするのはカンタン、でもシンプルを貫くには努力と度胸がいる」と書いてあったように、単純だけど簡単ではない何かを進めるには地道にコツコツが必要なのだろう。

ーーこのアウトプットの結果、たぶん今身体がちょっと紫になっているので、ちゃんと自覚して、色を元に戻してもらおう。思いのほかすごく紫なのは多分システムの不具合だな。まったく、これだから機械は困ったものだ。

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