あお

とにかくちやほやされたい気持ちを、色んな角度からつづっています⚪︎ 架空エッセイだったり時々本当の話だったりします

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マガジン

  • くらしのはなし

    日常の様々な場面(カフェ、電車、公園など)を舞台にした、ちょっと気になるあれこれを不定期に掲載中。

  • くらしの(少し奇妙な)話

    日々を過ごすなかで体験した少し奇妙な小話をつづっています☺︎

  • くらしの(けっこう真面目な)話

    日々のおやっ?と感じたことを綴っています。カフェや電車、図書館などを舞台にした小話です

  • 人様のグッと来た記事

    人様の(特に)グッと来た記事を残しています⚪︎ みなに幸あれ。 ※あまり載せて欲しくない場合はすぐに消します。でも、とてもグッと来ました

最近の記事

絶望に追いつかれない速さで

生理が二週間遅れて母親から腹巻きが送られてきた、と好きな人が言った。腹巻き仲間ができた。 私は15のときから腹巻きをしている。お腹が冷えやすいので夏場はシャツの下に必ずインナーを着て、秋冬は腹巻きだ。あれがあるのとないのでは全く暖かさが違う。異性とキャッキャウフフになりそうな日は付けていない。 でもとある六年は、格好つける日が多かったのでとんと着用しなくなった。その結果、ではないのだろうが、好きな人と付き合えることになり(彼女の許可を得て)腹巻きを再開した。 この人とず

    • そろそろ「血液型問題」の真実を知りたく。

      血液型って結局のところどうなんだろう。私は人類の中でもかなりトップクラスに血液型占いを信じていないほうだが、恋仲になりたい相手の8割がAB型だとある日気が付いてしまった。8割? AB型はたしか日本人の1割程度だ。それにしては好きになる人のAB型率が高すぎる。そして男友達の大半は人口の2割程度のB型だ。ただの偶然だが、それにしても多すぎる。この間も女友達とお茶をしていたら彼女がAB型だとわかった。そして「私の周りはほぼAB型しかいない。オタクはAB型率が高いのかも」と言ってい

      • 眠れない夜の迷える大羊たち

        だいたいの人と同じように、私も眠れない夜は好きじゃない。心身ともに疲れている ✕ 全く眠れない ✕ 暗いことを考える = もっと眠れないみたいな夜がごくたまにあって、そういう夜は何をやっても駄目だったりする。 リラックスしようと、大人の贅沢ミロを飲んでみても、ココアではなくミロを買った自分を呪いたくなる。ミロ美味しいのに。掛け算がすべて揃ってしまった夜は決まって誰かに連絡を取りたくなり、実際にするか自分に問いかける。これは「自分を培う必要な我慢」だっけ、それとも「自分を痛め

        • ゾンビのような人間にならないでください。

          ゾンビ好きの女の子に「ゾンビ映画を観ましょう」と言われて私のアパートで一緒に観た。その子と恋仲になりたかった私が映画ではなく女の子にどぎどきしていたら、「前々から思っていたんですけど」と彼女が言った。 「前々から思っていたんですけど、あおさんのアパートってゾンビが襲来しても絶対大丈夫な造りですよね」 ショックだった。彼女が来る度にどきどきしていたのに、この子はずっとそんなことを考えていたのか。 「ほらここのシーン!」とその人が言う。うーとあーしか言えず動きも遅い古き良き

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          彼女と卵形の歯の笑顔

          笑ったその人の卵形の歯が見えて今日もうっとりした。とてもよく似合っている。彼女とは地域が主催するワンコイン英会話教室で知り合って、半年前からお茶をするようになった。 英語はあまり上達していないけれど、お昼にあった講座では文法とかは気にせず積極果敢に発言していてみなを笑顔にしていた。そして最近の恒例通り、近くの喫茶店でお茶をした。普通に恋仲になりたいと思っているのだ。 彼女は八重歯を含んだすべての歯が卵形だ。人間の歯は基本的に四角なので目を引くし、笑うときはとてもにっこりす

          彼女と卵形の歯の笑顔

          ポジティブモンスター

          友達がポジティブに殺されそうになっている。職場の人間関係(理不尽な上司)ですごく参っているのに、「でも相手の良いところを探さなきゃね」とか言い出してる。喫茶店のオレグラッセにもほとんど手を付けていない。これ、たぶん止めたほうがいいやつだ。 相手の良いところなんて探そうと思えばいくらでも見つかるし、なんだったら捏造できる。主観でどうとでもなる。友達は無理矢理いい面をひねり出し、心の「ポジティブ棚」に絢爛豪華に陳列しようとしている。 私は普通に言った。「それガラクタかもよ」

          ポジティブモンスター

          「みんなそうだよ」って今日だけは言わないで。

          精神的に体調が不安定ででも動けないほどじゃないからとひぃひぃいってキッチンで食品トレーのぬめりを洗い流しながら思う。凄いなみんな。これと戦っているのか。 受け入れている、抗っている、共に在る、壊されている、表現は何でもいい。でも今、これを“体感”している。その凄さに打ちのめされる。本来は体験したうえで何を成すかで人間の質を問われるのだろうが、「体感している」ただそれだけのことで、仰ぎたくなる。 「これ」とは適応障害でもパニック障害のような精神疾患でもいいし、人生で一番つら

          「みんなそうだよ」って今日だけは言わないで。

          理解は出来ないが、受け容れる。

          集合場所にやってきた私を見て、初対面の女の子がとすんと尻もちをついたのでびっくりした。比喩ではなくて物理的にしりもちをついた。えっ、どういうこと? この人は男性恐怖症なのかな。今日の会を開いてくれた友人の女性は私が来ることを伝えていなかったのかな。 などと刹那のあわわをしていたら、同じく待ち合わせ場所にいた、主催者の女友達が、「大丈夫、おあくんだから尻もちをついたんじゃないよ。Aちゃんは誰であってもこうなるの。こういう人なの」と言ったものだからうっとりした。 なんかね、事

          理解は出来ないが、受け容れる。

          SOSのサインのかたち

          セクハラが嫌いだ。 犯罪のなかで最も不快に感じていると言っても過言ではない。理由は割愛するが、私は働くうえで常にセクハラしないよう意識している。女性から触れられるのは良しとしている、念のため。 その前提があるので、基本的に働くときは神経を使う。よほど仲の良い同僚としかキャッキャウフフできない。 一度、ものすごく仲の良い女性社員にピンチを救ってもらったとき、嬉しさのあまり「Mさん助かりました!愛してます!」と言ったら、Mさんがマンガみたいに腰を抜かした。その時に、もう二度

          SOSのサインのかたち

          「すやすや女子 」と「ぐーぐー女子」

          今朝、本当にショックなことがあった。今朝というか午前11時12分の出来事で、まだそれから数時間も経っていない。私には月に2回ほど夜通しホラー映画を一緒に観る女友達がいて、昨日は夜遅くまで観た後そのまま泊まらせてもらった。 朝、初めて私が彼女よりあとに起きて、しかも11時前だったので(彼女は午後から予定があると言っていた)すごく謝ったら「予定は14時半からだから全然大丈夫だよ」と言ってくれた。嬉しいと思ったのち、こう言われた。「でもいびきかいてたよ」。えっ、嘘でしょ。 嘘で

          「すやすや女子 」と「ぐーぐー女子」

          「そんなことないですよ」と言ってもらうまでがセットな人

          やばい相手に見つかった時の対処方法は2つ。戦うか逃げるか。いわゆる闘争逃走本能(fight-or-flight反応)と心理学用語で呼ばれるものだ。鋭い牙を持ったサーベルタイガーに遭遇したらファイティングポーズか全力疾走かを瞬時に判断したほうが良い。 けれど今は現代で、やばい相手と場面は多様化している。職場等すぐには逃げ出せない場合ばかりで、「いなす」「受けて止める」「帰ってからケアする」「愚痴を言い合う」「労基に通報」「怪文書を送る」などの処世術を上げると枚挙にいとまがない

          「そんなことないですよ」と言ってもらうまでがセットな人

          このじゃんけんで負けたほうが偽物の人格ね。

          隕石が衝突する確率は低い。ゼロではないけど、日常から遠く離れた世界線にあるからリアリティのある想像や現実的に体感する機会はない。でももし身近で、計算上は起こり得る確率に遭遇したらちょっと怖い。 などと言いつつ、たかだかジャンケンのあいこが10回連続で続いただけの話だ。でも相手がまずかった。 前職に平田さんという男の先輩がいた。顔は私と全く似ていなかったのだけれど、立ち振舞やシルエットなどがとても似ていたらしく、職員が同じ制服を着る仕事だったこともあり、私と平田さんはよく間

          このじゃんけんで負けたほうが偽物の人格ね。

          「中の上」のこの顔が、ずっと私の命綱だった。

          姉が美人だったので美醜のメリットを肌感で知っていた。具体的には学校1~2の美人で、900人に1人くらいの見た目だった。父方母方両方の家系でごく稀に顔の良い人が生まれるみたいで、姉はどちらの要素も含んでいた。ちなみに私は中の上だった。 平均ちょい上くらいだったけど(幼い頃から美しい姉がメリットを甘受していると知っていたので)、自分くらいの見た目でも実はそこそこ助かっているのだろうと思っていた。そして本当にそうだった。 小さい頃から丁寧に話すのが好きで落ち着きすぎていたから、

          「中の上」のこの顔が、ずっと私の命綱だった。

          私の「あの人香水くさい」は大丈夫ですかね

          匂いは本当に大事で、古今東西やれいい匂いだの臭くてかなわんなどの話題が消えることはない。最近では清潔感の象徴としての地位がいよいよ強くなってきた。 だからとにかく匂いで人に不快な思いをしてもらいたくない。でも自分の好きな匂いに包まれてなんだか気持ちよく過ごしたい。香水が好きなので10種類くらいの香水を時と場合に応じて使い分けている(もちろん飲食店に行くときは付けなかったり、人工的な匂いが苦手な相手の前ではしていない、念のため)。 匂いーー今回は香水のーー問題には色々あるの

          私の「あの人香水くさい」は大丈夫ですかね

          後悔できたほうが良かったんだ。

          自分の長所は何かと聞かれると、誰にでも受け入れやすい最大公約数の長所とは別の、人には言わないけど本当に感じている長所がある。 私の場合のそれは「人生で一度も後悔したことがない」で、そんな自分をふふふんと誇っていた。3日前まで。 3日前にとある恋仲になりたい女の人とお茶をしたとき、彼女の後悔している話の流れで「あおくんが一番後悔していることって何?」と聞かれた。私は、この人になら言っても良いと思い、それがないんだよね、と伝え、決断が正解だったわけではないけれどその時の自分な

          後悔できたほうが良かったんだ。

          仲が良すぎる相手と付き合うか/友達のままでいるかの分岐点で。

          仲が良すぎる相手と付き合う/友達のままでいるという分岐点があって、2人の人間がいれば宿命的に路線を選ぶ瞬間がある。私の場合それは、鼻の穴と耳の穴の見えかたで決まった。 1年前に知り合った女の人がおりまして、この関係性をなんと呼ぼうかと二人して思っていた相手がいました。直接的に言葉や行動で何かしなくとも、慎ましい距離を保ちながら、でもお互い好意があると確信できる雰囲気があったのですよ。ニュアンスとか空気感としか言語化できない、双方の感情に対する信頼がね、あったんです。 仲が

          仲が良すぎる相手と付き合うか/友達のままでいるかの分岐点で。