子どもとお金について考える。未来の自分へプレゼントを!
子ども時代から、私がお金について親から教わったことは「お金は、貯めておくんだよ」ということだった。
一方で、お金を増やすことと使うことは、大人になってから自分で学ぶことになった。
貯めたり増やすのは好きだ。
社会人になってから始めた投資信託は2倍に膨らんでいる。個人年金も若くから始めうち1つは積立が終わっている。奨学金も20代で完済した。今もNISAは家族全員分活用している。
倹約家の親の元で育ったからか、使うのは上手じゃない。夫は住宅や車など大きな買い物に興味がある。すごいと思う。
使うのが上手くなりたい。
お金の上手な使い方がわからない。
今は夫とともに学んでいく所存。
今おもしろいのは、子どもとお金について学ぶこと。
子どもとお金について学びたいと思ったのは、自分が学ぶ機会がなかったから。
子どもの頃、お年玉は全額親に没収されていた。「貯めておくからね」そう言われて見えないところに行ったお金。
当時は銀行に預けておけば利子がたっぷりついた、と推測される。倹約的な両親はお金をすぐ使うことはせず、せっせと銀行にお金を預けていたのだ。
小さい頃、親が持ち去るお年玉を思い私は胸を弾ませていた。クリスマス前に、おもちゃ屋さんの広告を見ては「これ、欲しいなぁ」「お年玉があるから買えるのかな?」と空想した。
クリスマスのプレゼントがおもちゃ屋さんの広告にあるおもちゃだったことはなかった。百人一首だったり、本だったり。
銀行に幽閉されていたお年玉は、私が結婚して1人目の子どもを妊娠しているときに突然私の元に帰ってきた。
「お前に着物を買ったから減っちゃったけど」
そう言われて、お札と小銭がじゃらじゃら入った封筒を手渡された。成人式用に振袖も買ってくれたので、結婚のお祝いに訪問着も買ってくれたようだ。ちなみに訪問着は実家のタンスに入っていて見たこともない。
これが、30年以上前に「何が買えるんだろう?」と夢見たお年玉だったのか…。
訪問着もきっと素晴らしい買い物だったのだろうけど、バチ当たりなことを言ってしまうと、幼い頃、おもちゃ屋さんの広告で見たキラキラしたお化粧バックやおままごとセットの方がほしかった、と思う。ずっと我慢してきたから。
親に手渡されたかつてのお年玉の入った封筒のお金はひと思いに使った。手渡された時お腹にいた子が2歳の時にイギリスの大学院でオンラインMBAを始めたのだ。卒業してすぐに2人目の子どもが産まれた。
子どもの頃あんなにちびちび使いたかったお金をパーっと一括で使い切るのは気持ちが良かった。MBAのおかげで、応募できる仕事も増えた。長年銀行で使われる時を待っていたお年玉は、今頃どこかの誰かのフィッシュ&チップスになっているだろうか。
30年以上の時を経てお年玉への想いが成仏した。
この出来事を経て、ふたりの子どもには、ちびちび使う楽しさも子ども時代に味わってほしいと思うし、お金について学ぶ機会があった方がいいと思うようになった。
我が家には子どもがお金と触れ合う仕組みを用意してある。
キッチンには、夫とディズニーランドにデートしたときのお土産のキャンディの空容器がありその中に500円玉貯金をしている。
7歳になった上の子に500円玉をどう作るかを説明した。100円が5枚あっても500円の支払いにわざと1000円で払うとか、1600円の買い物でわざと2100円を出す、と言ったセコ技だ。今度計算練習も兼ねて息子に500円を作らせたい。500円で何が買えるか、貯まった500円貯金で何が買えるかを話すのも楽しい。それでよく物の値段を教えている。
小学生になった上の子には、家族のためにするお手伝いの値段を設定した。お手伝いの難易度に応じ値段が決まっており、毎日のお手伝いで稼いだ金額を月末で締めて現金で払う。
専用の貯金箱を買ってあげた。
開けたり閉めたり。
小銭を数えたり。
お金が貯まるのを楽しそうにしていてとても可愛い。
スーパーの駄菓子コーナーで「これはもう買えるね」とか「これはまだまだだね」と話すのも楽しい。大入りのパックが本当にお得なのか?とか、季節で野菜の値段が違うのはなぜか?とか、お店や時間帯によって値段が違うのはなぜか?とか、教えることが街の中に溢れている。親の私の方が楽しんでいる。
お手伝いもしてもらえて、算数の勉強になって、社会勉強にもなるから一石三鳥だ。
今度は子どもが稼いだお金でコーヒードリップパックでも仕入れてコーヒーを淹れてもらい、私が子どもにコーヒー代を払うなんてこともしてみたいものだ。古本屋で本を買わせて、メルカリで売ってみるなんてのもいいかもしれない。
また、我が家では宝くじは買わないけど、地元の銀行に子どもたちにいただいたお祝い金を預けてあり、新春に抽選で現金があたるキャンペーンに登録している。抽選に当たったことはないものの、ひとつのお楽しみだ。もちろん、雀の涙ほどの利子も見逃せない。
そういえば、我が家では、生協のひとり親基金に毎月定額を寄付している。それに加えて、個人的にも子どものための事業をしている機関に寄付をしている。そう言うお金の使い道もあるということを子どもに伝えていきたい。
そうやって、お金を通じて社会と繋がり、人と繋がるのは、よく考えたら素敵なことじゃないか?よく考えたら、お金は世代間の橋渡しもしてくれる。人々の思いをのせて今日もこの世界を巡っている。
ちびちび使うのも、パーっと使うのも、自分でお金を獲得するのも、このお金を何に使おう?と夢みるのも、どれも楽しい経験になる。
これからクリスマスシーズン。
子どもたちに「サンタさんになにをお願いしたい?」と聞いてみよう。
サンタさんと協力してクリスマスのプレゼントをするというチャンスに恵まれて幸せだ。
お金について学ぶことが、将来の子どもたちを支えてくれますように。
これもきっと未来へのプレゼントだと思う。
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