マガジンのカバー画像

小説・詩

54
魔法のIランド、小説家になろうには既に書いた小説がありますが、こちらには私小説風の短編や詩を不定期であげられたらと思っています。
運営しているクリエイター

記事一覧

短編小説:ゴキブリ_2021.06.21

 香港のとあるマンション  土曜日の朝、寝室で男の人が寝ている。30代後半くらい。    サ…

汪海妹
2日前
19

短編小説:護身術_2021.05.23

 これは神谷和華が中等部の学生だった頃の話である。 「この通り、お母さん、お願い」  母…

汪海妹
6日前
26

短編小説:木漏れ日のおまけ_2021.05.21

この短編小説は、長編:木漏れ日のおまけ です。  汪海妹  神谷和華、8歳、生まれて初め…

汪海妹
11日前
33

短編小説:白銀_2021.05.12

 この短編は、私の書いたゆきの中のあかり③の最後で、塔子さんと秀樹さんが再会した後に続く…

汪海妹
2週間前
32

短編小説:犬を飼う_2021.03.31

月城道隆 本編はスカートに続く短編です。  僕がそれを連れて帰ると、妻は目を丸くした。 …

汪海妹
2週間前
35

短編小説:僕は無気力に生きている_2024.11.02

とある日に美術展へ出かけて、画家が自分の心の中にある母親を描いているのを目の当たりにした…

汪海妹
3週間前
38

短編小説:息子を盗られる_2021.03.28

 香港のとあるマンションの部屋  ベッドに寝っ転がった千夏ちゃんが、スマホでぼんやりと何か見ています。  それは小さな頃の春樹君の写真でした。  生まれたばかり、初めて立った時、歩き始めて、喋り始めて……  不意に持ってたスマホが振動し出す。    ご主人です。無表情に画面見つめながら考える。出るか出ないか……  そして、昼に聴いた言葉が甦る。  すっごい素敵な人だったから。  息子の彼女なる人を評した言葉。もう一度イラッとした。  ああ、もういいや。今日は出ない。  し

短編小説:ストーカー_2021.03.22

二度目の引越し おまけ その二 中條&上条家のリビングダイニング 日曜日、夕食が終わった…

汪海妹
4週間前
23

短編小説:同窓会_2021.03.06

長編:彼女は牡丹君は椿①のとある場面から繋がる話 長編:Another story of 僕の幸せな結末とも…

汪海妹
1か月前
28

短編小説:美食家_2021.03.04

それは、上条暎万、高校三年生になったばかりの春 彼女の通っていた高校は、中学から大学まで…

汪海妹
1か月前
22

短編小説:言わなくてもわかる_2021.03.01

この短編は 二度目の引越し のおまけです。二度目の引越しは 長編 しあわせな木 と 木漏…

汪海妹
1か月前
21

短編小説:香具土_2021.02.25

この作品は 長編:しあわせな木、木漏れ日① の番外編です。 神谷 秀 「取材の依頼が一件…

汪海妹
1か月前
21

短編小説:夢がないなぁ 解_2021.02.25

春樹  その日は、生まれて初めて女の人に指輪を買った日だった。一応念のため言っておくと、…

汪海妹
1か月前
17

短編小説:夢がないなぁ_2021.01.21

この作品は 長編:かみさまの手 かみさまの味①   及び しあわせな木 の番外編です。 「どうも、ども、ども、ご指名受けまして〜」 「ももちゃんで〜す」 「はなちゃんで〜す」  1人は黒髪でストレートロング、もう1人は茶髪でゆるくウェーブがかかっている。膝上のチャイナドレスを着てる。水色とピンクだ。 「なんだなんだ〜。しけた顔して。先生〜」 「先生〜」  クラブのボックス席のソファーに不貞腐れた顔の春樹君と職場の先輩の桜木先生がいます。桜木先生の方はニコニコしてる。