成宮

初級ミュージカル好き

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『ビリー・エリオット』はいいぞ、という話

「『ビリー・エリオット』はいいぞ」  今夏、2017年・2020年に続いてミュージカル『ビリー・エリオット』の三度目の公演が開幕した。 【公式】ミュージカル『ビリー・エリオット』 (billy2024.com)  そして、これを書いている自分はといえば今夏もまた、「ビリー・エリオットはいいぞ」と言い続ける“妖怪・ビリーはいいぞ”と化している。  公演期間中、リアルでもSNSでも常にビリーはいいぞビリーはいいぞと口走るので、近くにいる方々にはご愁傷さまとしか言いようがない

    • ミュージカル『鉄鼠の檻』配信のすすめ

      ○はじめに『鉄鼠の檻』がミュージカルになった。  といっても、これを書いている時点ではすでに大楽を迎えている。2024年6月14日から6月29日まで東京大阪合わせて19公演、誰一人欠けることなく全公演完走した。昨年五類になった例のアレがまた流行り始めている中、非常にめでたいことである。  じゃあもう見られないのかといえばそうではなく。  実は6月22日~23日の昼夜計4公演は配信生中継があった。  一般に演劇の生配信といえばアーカイブ期間が1週間ほどだが、イッツフォーリ

      • 舞台『キングダム』のすすめ~ネタバレなし紹介&ネタバレあり雑感~

         ※このnoteは「原作未読なテニミュ1st由来の浅いミュージカル好きによる舞台『キングダム』のネタバレなし紹介、 それから作品のいわゆるメタ構造(と勝手に思ってるもの)について好き勝手に書きなぐるよ」というスタンスです。  あらかじめご了承ください。 (※記載の情報は東京公演ベース。一部、大阪&福岡のことも追記で記載) ◆はじめに◆ 『キングダム』という単語を聞いた時、思い浮かべるものは人によって様々だと思う。だが近年に限って言えば、集英社週刊ヤングジャンプで連載中の漫画

        • 今だからこそ見て欲しい『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』

          2022年4月7日、『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』、略して…どう略するのが一般的かわからないのでとりあえず『ジョセフ~』が開幕した。 本当なら2020年4月に華々しく開幕するはずだった。だが、2020年春といえばコロナ禍が本格的に始まった頃。他の多くの演目と共に、『ジョセフ~』もまた全公演上演中止に追い込まれた。 …母さん、あの当時世間をにぎわせてた『演劇界2020年問題』って、本当は「2020年は注目の作品が上演予定されすぎて観客困っちゃ

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          ミュージカル『魍魎の匣』と「原作付き作品」

           ミュージカル『魍魎の匣』を見た。  前提として、書いている自分のスペックは ・学生時代に原作である百鬼夜行シリーズ(とは呼ばれてなかったが)が立て続けに刊行され、当時夢中になって読んだ世代。 ・十数年前に今作主演俳優の初舞台である超有名2.5舞台をきっかけに演劇に触れて以降、大手興業主制作ミュージカルをメインに観劇し続けている。 ・2.5舞台は十年以上遠ざかっている。小劇場系はほぼ見ない。 ・今回の舞台は演出家氏はわりとお馴染み、主催劇団は初めまして、レミゼ出演組以外の

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          2021年版・おすすめ!大人ひとりでも楽しめるミュージカル『ピーターパン』

           ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』2021年度版初日を見てきた。大人が、ひとりで。  いや、ミュージカルを大人がひとりで観劇することは別段珍しいことではない。この未曾有の感染症禍の中、「ひとり〇〇」の需要はどんどん高まっている……なんて面倒くさい話ではなく。ミュージカルファン・俳優ファンの人達、おひとり様観劇でも劇場に行ったら知り合いにバッタリ会うイベントが頻繁に発生するし、別に知り合いに会わなくてもひとりで見るし、なんなら同趣味の知り合いがリアルにいないことも多

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          【ネタバレあり】ここがツボったミュージカル『ゴヤーGOYAー』

           この文章はミュージカル『ゴヤ―GOYA―』のネタバレ&個人の独断と偏見とおふざけを多分に含みます。ご了承ください。  前回、ミュージカル『ゴヤ―GOYA―』の1幕終盤大暴言と親友2人について自分の解釈をかなり真面目に書いた。うん、相当真面目に。  あれが合ってるとか間違ってるとか自分の解釈と合うとか合わないとか、ご意見はいろいろあるとは思う。というか、あってほしい。だってあのシーンについて言及されてる方、SNSで検索してもあまりいらっしゃらなくない? 探し方が悪いだけ? 

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          【ネタバレあり】ミュージカル『ゴヤーGOYAー』親友2人について

          ※この文章はミュージカル『ゴヤ―GOYA―』のネタバレと個人の妄想を多分に含むので、その旨充分ご了承願います。  2021年4月開幕の新作ミュージカル『ゴヤ―GOYA―』。これを書いている時点で東京公演折り返しを迎え、舞台上の熱気はますます増している。  前回、未見の人向け作品プレゼン(というか、ざっくりした紹介文)を作成した時、サパテールがゴヤに向ける感情については「見る人の解釈にゆだねられていると思う」と書いたけども。  まさにその部分、もっと言えば1幕終盤のゴヤがサ

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          【未見の人向け】ミュージカル『ゴヤーGOYAー』プレゼン

           突然だが、「耳の聞こえない芸術家」と言ったらあなたは誰を思い浮かべるだろう。あるいは、「スペインを代表する画家」と言ったら。  自分の場合、「耳の聞こえない」と言ったらまず思い浮かぶのはベートーヴェンだ。次にゴッホ…いや、あれは耳を切り落としただけで聞こえないわけじゃないか。そして「スペインを代表する」と言えばピカソ。というか、それしか浮かばなかった。  が。  2021年4月8日、日比谷・日生劇場で華々しく(?)幕を開けたミュージカル『ゴヤ―GOYA―』の主役は当然

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          箱根のオリエント急行に乗ってきた

          日帰りで箱根に行ってきた。目的はただひとつ、 『オリエント急行に乗る』 これだけ書くとなんのこっちゃだけど。簡単に言うと 「2019年7月末開幕の舞台『オリエント急行殺人事件』上演前に、箱根ラリック美術館所蔵の本物のオリエント急行に乗りに行く」 『オリエント急行殺人事件』、原作も映画も超有名なので説明は省くが。今夏日本で演劇作品になり、そこに自分のいわゆる『推し』が出る。 よっしゃあ開幕前に下調べだーとあれこれ調べているうち、箱根のラリック美術館に廃車となった本物の

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