「きのう、何読んだ?」(2024/5/6-2027/5/9)
「きのう読んだ本」の記録をはじめました!
インスタグラムに投稿したものを、noteにまとめておきます。
ブログやその他記事と違って、「どの本を紹介しよう?」と悩まなくていいので気楽に記録できますね。私の平日読書タイムは、移動時間・ランチタイム・寝る前なので、ご飯+本写真が多めです。たいてい、食べ始めて「あ!」ってなって慌てて撮っています。
『女ふたり、暮らしています。』2024/5/6(月)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
心ゆくまで読書できて、大満足だったGW。本の滋養強壮力はすさまじいです。
昨日読んでいたのがこちら。
『女ふたり、暮らしています。』(キム・ハナ、ファン・ソヌ著・清水知沙子訳/CCCメディアハウス)
Podcastが人気のコピーライター・ハナと、元「W Korea」編集長のソヌ。「似てるけど、違う」アラフォー二人が、家父長制や結婚を巡る旧弊な価値観を軽やかに脱ぎ捨てて、二人暮らしする日々を書き留めたエッセイ。
女二人と猫四匹の共同生活の、楽しいところ・しんどいところ・お互いへの感謝と不満、将来の展望など…表も裏も率直に、そしてユーモアたっぷりに綴られています。
「こうあるべき」から解放された先には、自由と責任が待っている。試行錯誤する二人の姿に追っているうちに、自分を縛っているたくさんのしがらみを、少しずつほどきたくなってきました。
私はKindleで読みましたが、インテリアや猫の写真もたくさん掲載されているので、紙の本で読むのがおすすめです😊
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『君が手にするはずだった黄金について』2024/5/7(火)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
『君が手にするはずだった黄金について』(小川哲/新潮社)
先日友人から、「追いかけている同世代の男性作家っている?」と聞かれて真っ先に浮かんだのが小川哲さん。(なのに、なぜかお名前ど忘れしたという…)
初めて小川さんの著書を読んだのは、直木賞候補に上がった2022年。600ページ超の大作にも関わらず一気に読めてしまった『地図と拳』はその後、第168回直木賞を受賞しました。
『地図と拳』は「これ書いている人、頭良すぎでしょ…」と、ちょっと引いてしまうくらいの力作でした。それ以来、全作読んでおります。追いかけております。
早くエッセイ本とかも出してほしいななんて思っていたら発売されたのがこちら、『君が手にするはずだった黄金について』。
小説ですが、小川さん自身が主人公として登場し、実体験をベースに書いてるの?フィクションなの?とそわそわしながら読んでしまう一冊。
小川さん(又は、小川さんを模したフィクションの架空の人物)が小説を書き始める東大大学院生時代から時系列を少しずつ追うようにして、友人や恋人たちとの関わり、ふと生まれる不思議な(不穏な)出来事が嘘かまことかわからないまま、淡々と書きつけられています。この淡々と嘘つく感じ、がゾワっと怖い。
個人的には、村上春樹さんがフィクションとノンフィクションの間に落とすような作品を書いているときのタッチに似ていると思いました。この文章は本当にすごい。
テーマとかキャラクターではなくて、「文章が好き」と思える小説家さんはそう多くはありません。(小説っていろんな要素でできていますから、その要素のどれかが好きであれば十分です)
次回作が常に楽しみになる作家を見つけると、長生きしようというモチベーションになりますね😊
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『文学キョ―ダイ‼』2024/5/8(水)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
昨日投稿した小川哲さんに続き、「好きな同世代男性作家」といえば……。
『文学キョーダイ‼︎』(奈倉有里・逢坂冬馬/文藝春秋)
『同志少女よ敵を撃て』で、これ以上ないほどの(大袈裟ではなく、ほんとに)鮮烈なデビューを飾った逢坂冬馬さん。
同作は「戦争とジェンダー」をテーマに置き、独ソ戦で狙撃兵として戦う少女の姿を描いた作品。ロシアによるウクライナ侵攻の直前に発売されるという運命のイタズラもあり、話題沸騰しましたね。アガサ・クリスティー賞受賞後、直木賞の候補となり、本屋大賞を受賞しました。
『同志少女よ敵を撃て』については、Paranaviのフェミ連載でご紹介したことがあります。
さて、逢坂さんには実は、ロシア文学者のお姉さんが。高校卒業後単身ロシアに渡ったという奈倉有里さんです。
そんな「文学キョーダイ」が育った家庭環境とは、子供時代の思い出、文学や戦争に対する思い、『同志少女よ敵を撃て』発売までの姉弟連携プレー秘話などなど…。最強に知的で活発な、キョーダイトーク炸裂の対談エッセイです。内容はかなり骨太でキレッキレ。ふわふわ身内トークではありません。
私にも兄弟がいますが、文学トークはできないな笑 残念。
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『クリティカル・ビジネス・パラダイム』2024/5/9(木)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
新刊が出たら即買い・即読み(積読しない)するのが、山口周さんの著書。
『世界のエリートは、なぜ美意識を鍛えるのか?』の衝撃から早6年。私にとって、「私は変化できているか?」「自分の感覚が研ぎ澄まされているか?」「価値観がふやけてズブズブになっていないか?」を確認する、リトマス試験紙のような存在です。
『クリティカル・ビジネス・パラダイム 社会運動とビジネスの交わるところ』(山口周/プレジデント社)
『ビジネスの未来』(2020年発売)で山口さんが示した、「ビジネスの役割はすでに終わっているのではないか?」という問題提起。人々が必要十分な便利さ、快適さを備えること…そんな目的のもとにあっては、ビジネスが果たす役割や提供する付加価値というのはもはやほとんどないのではないか。そんなパラダイムシフトを想起させる、非常に刺さる一冊でした。
本書には、この問いに対する山口さん自らのアンサーが書かれています。
「水と油の関係」に思われる、社会運動×ビジネスというアプローチ。テスラ、IKEA、ブルネロ・クチネリ、フェアフォンといった企業の例を挙げながら、「社会批判」をもとにしたビジネスの展開=「クリティカル・ビジネス」を解説していきます。
山口さんの本の面白いところは、読むと未来に希望が持てるところ。現状批判が議論の立脚点なので、一応ビジネスマンの端くれとして読むと自分が攻撃されているように感じられてもおかしくないのですが、感覚的に「キモチワルイ」と感じている箇所を探り当て、鍼を刺すように指摘してくれるので快感につながっているのでしょうか。
「ビジネス書・自己啓発本ってカタカナばっかりで…」と忌避する向きもあるかもしれませんが、ビジネスの今を捉える上で、山口さんの本程度のカタカナは必須用語かと思います。とてもとても分かりやすく書かれていますので、第一章だけでもぜひ!
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