![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39751575/rectangle_large_type_2_928ec7f7c9f3dbcb5cf3bae337f00f27.png?width=1200)
Photo by
hjmb
双子の君に、君がすきって言われた。
この世の中には、自分に似た顔の人間が3人
いるらしい。
子供の頃、家族で山荘に出かけた。
新潟県の赤倉あたり。
しなの鉄道に乗っていたら同じ場所に行くらしい
双子の男の子と知り合った。
男の子たちのお母さんがほら、ここに座ったらって
わたしを彼らの前に座らせてくれた。
キャンディが好き? とかトマト好き? とか、
言うので、好きって言うと必ずぼくもってはもる。
好きなものを言い尽くした後、車窓を見ながら
雨が好きってひとりの子が言った
山荘に行くと、白樺の木立が林立していた。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39789821/picture_pc_953dc332b4acb6a42a87942c70fc60bf.jpg?width=1200)
何日もその家族たちと遊んでそこを後にする日。
双子のひとりの子が、白樺に片手を預けながら
わたしにすきって言った。
うれしかったけど。
ただ、彼ら双子のどっちにすきって言われたのか
わからなかった。
その後、双子のお母さんと話していたら、
似てませんよ全然違いますよ
親だからわかるんですって言われた。
双子は、已己巳己ではない。
母としての歳月がそう語っていた。
いいなと思ったら応援しよう!
![ゼロの紙 糸で綴る言葉のお店うわの空さんと始めました。](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145050803/profile_907cc1ba9577a37ee533e33579c28a19.jpg?width=600&crop=1:1,smart)