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「最後のたまごまる杯」ゼロの紙エピローグ編。


このうれしいようなさびしいような

それでいてすがすがしいような。

この感覚はnoteに来てからはじめてです。

たまごまる杯。

たまごまる杯と声にするだけで少し

喉の奥が苦くなるようなそんな想い。

わたしは第1回たまごまる杯において

金賞を授かりました。

noteは誰かが読んでくれてスキを押してくれて

いるだけでひとりじゃないねって思えて。

それだけで気持ちに光が差すことを知ったばかりの

そんな日にたまごまる杯の1回目の金賞に選んで

いただいて。

その時がたまごまるさんとの交流のはじまりでした。

交流ってちょっと堅苦しいですね。

仲良くなるはじまりでした。

そして、第2回。

1度あることは2度あるとなかなか思えない

ネガティブシンキングの塊のようなわたしは

受賞のみなさんを応援する気持ちでいました。

そして第2回も、嘘のように金賞を頂きました。

それも心の悩みを抱え込んでどうしようもなかった

そんな記事に贈られた賞。

たまごまるさんのやさしさに一度でも触れたことの

ある人ならおわかりだと思うのですが。

彼にいいねって言われることは、きみこっちに

おいでよって言われているような。

きみ、そこにいていいよ、きみのままでいて

いいんだよって言われる気持ちです。

そして、たまごまる杯は第2回と第3回の間に

ふしぎな第2.2525回たまごまる杯というのが

ありました。

数字のからくりが好きなたまごまるさんらしくて

笑ってしまいます!

2Fと3Fの間で止まるエレベーターみたいで、

そこは異空間ですみたいで好きです( ´∀` )

これは、ある時点でサポートを受けていない人

対象の賞で、エントリー記事にスキをつけて

くれた人の記事をたまごまるさんが読みに行って

心動かされたものが受賞作品となるというもの

でした。

この時、たまごまるさんは55人の方に賞を贈ってる。

55人ですよ!

55人。今2文字程度で記したこの数のなかにも55人の

人生がある。言えなかった過去があって堪えた時間が

あって今につながっていることを知りました。

そして55人の方全員にことばの贈り物も添えられて。

たまごまるさんが、ここまでして読むことに徹して

言葉を贈り、贈られた人だけじゃなくてそれを目にして

読んだ人への賛歌にもなっているところがわたしたちの

心を動かすのだと思う。

書いた人の熱+読む人の熱(たまごまるさん)+
記事を読んだ読者の熱


これこそがたまごまる杯の魅力なのではないかと思った。

そして今朝、第3回たまごまる杯の発表がありました。



僭越ながらわたしが選ぶゼロの紙編という部門で、

選考という形で参加させていただき、金賞と銀賞の

受賞作品11作を選ばせて頂きました。

受賞されたみなさん、ほんとうに素敵な作品を

ありがとうございました。

そして選考過程で素晴らしい作品群が次点という形になって

しまい、わたしは目覚めた朝もそのことが気になって仕方

なかったのです。

そのことが、あまりにも惜しすぎるので今日ここに突然ですが

発表させてください。

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~最後のたまごまる杯ゼロの紙、エピローグ編~


『小鳥の食卓』ヒトシさん

詩の中で自然を詠う時のまなざしまでもが、
こちらに伝わってくるようなヒトシさんの詩。

鳥と言葉にした時、記憶している映像の鳥では
なくてヒトシさんの鳥は、裸眼で観ている鳥。

コガラ、ヤマガラ、スズメ、ヒヨドリ。

ヒトシさんの庭に広がる宇宙を見たようなそんな
気持ちにさせてくれる。自然の営みはあたりまえ
ではなくていつも奇跡のような変化に満ち溢れてる。

ヒトシさんの詩にいつもすがすがしい風を感じています。


『120歳のお祝いに赤いオープンカーを
買ってあげるよママ』。うわの空さん


うわの空さんはこのエッセイで単刀直入に
「人生とは夏休みである」という謎かけをする。

一度きりの人生悔いのないように生きよう!とか、
人生楽しんだもの勝ち!とか、ひとつだけでも自分の
生きた証を残そう!とか、言うじゃないですか。
悔いのないように楽しく生きようっていう、プレッシャー、
いらないんじゃないかなって思うんです。

そして生きているだけでいいんだと言う。
ありがとうという気持ちでわたしは読む。

渡會将士さんの、「新千歳空想」の歌詞をとり
あげて希望だけの未来なんて苦しいだけじゃ
ないかって空さんは綴る。

空さんわたしはどこか同じ星から来た人のように
空さんを感じてしまうのはこういうエッセイを
読んだ時で、もう言葉失うほどうれしくなって
しまいます。


【短編小説】『派手な傘』 寝癖さん


寝癖さんの小説はいつ読んでも、はじまりが
何気ない日常なので油断してしまう。

駅で待っているお兄さんが雨に濡れるといけないので
傘を持って行く、ちょっとめんどいなって思っている
妹が生き生きと描写されている。

家族ってなんだろうって。

同じ傘の下で生きているってことかもしれないと
寝癖さんの小説を読みながらそんなことを想う。

この小説のもうひとつの主人公、虹色の傘ははじめ
冴えない傘として登場したのに、終盤でその虹色さえも
鮮やかにクローズアップされてゆく。

油断してるとエンディングでじわじわと涙が押し寄せる
寝癖さんマジックにまたノックアウトされちゃいました。


『笑いの二つの意味』 洋介さん


洋介さんの詩に触れる度に、わたしのなかにあった
頑なな思いがほどかれてゆくのがわかる。

4月1日に投稿された詩。

嘘をついてだます日ではないんだよと言う。

人は笑いもするけど。嘲り笑うこともあると。

でも花はどうだろう。咲うんだよ。ただ咲うんだ
よって。

最後の1行でわたしたち読者が、ないがしろにして
きたあんなことやこんなことが、胸のすきまを
駆け抜けてゆく。

洋介さんの詩は読んだそばから、なにか心が
整ってゆくようでわたしにとっての処方箋です。


『もしあなたがもう一人いたら、その人のこと
どう思う?』川中紀行さん


このタイトルは、ドラマ『大豆田とわ子と3人の元夫』から。

八作(松田龍平)にすべてじぶんのベクトルで向かっていく
八作に片恋している早良のセリフ。

このセリフを畳みかけた彼女は、自分が問いかけた言葉に
自分で強気に答える。

「想像してみて、自分とつきあってる自分を」と。

このセリフを聴いた川中さんは、恋愛ドラマとしての
言葉ではなくて、自分自身を振り返り誰しもが

じぶんとつきあっているのじゃないかと疑問を投げかける。

そして最後の1行を放つ。ここに記すのはもったいないぐらいの、

じぶんのことが愛おしくなるようなそんな1行を。


『冷蔵庫の中から愛を込めて』七屋糸さん


はじめ読んだ時、この言葉の凝縮された
短さのなかに、なにかみてはいけない誘惑の
光をみたようなそんな気持ちになりました。

『冷蔵庫の中から愛を込めて』シリーズの一篇です。

ビジュアルのセレクションが秀逸で。
日常であるはずの冷蔵庫の中には、ほんとうは
わたしたちが知らないだけで、違う時間を生きている
そんな冷蔵庫もあるんじゃないかと夢想して
しまいそうでした。

このシリーズずっと読んでいたいです。
そしていろいろな冷蔵庫を夢見ていたいです。


詩)『水溜り』kesun4さん


kesun4さんの詩の魅力についてはいつも
言葉がうまくでてこない。

水溜まりの描写からはじまるのだけれど
水溜まりに映る水の表がまるでスクリーンに
なっているかのように、詩の時間が流れてゆく。

はしゃぐ子供が目の前にいる。

子供を子供のまま描写しない。
子供をみつめるまなざしに時の流れを委ねる。

桜を美しいと褒めるその日まで
桜に哀しさを感じるその日まで

そのまなざしの持ち主は桜なのだと気づいた時に
読者は、きっと溜息をもらしてしまうのだろう。

kesun4さん、コメントは面白いのにいつも
詩はすこぶるずるいです、だから好きです。


『なぐなぐー味の旅』なぐなぐさん


なぐなぐさんの家族旅行の歴史が写真と共に
語られている。

家族旅行って、家族だからいいのだと思わされる。

縁あって家族の一員、なぐなぐさん風に言うと
一味になって共に暮らしてゆくことの安堵感が
写真となぐなぐさんの言葉から伝わってくる。

ご子息が小さかった頃から大きくなって成人されて
就職されるまでの記憶がなぐなぐさんのnoteに
込められている。

ご家族の背中を写された写真をみながら、背中を
撮るって、家族ならでは。

そこには許している背中が写っている。

家族だけに見せる背中、そして背中をみまもる
なぐなぐさんの視線。

みてくれているお父さんのまなざしはそのまま
それだけでエールになるのだなって思いながら
拝見していました。

家族への愛おしさを改めてきづかせてくれた
なぐなぐさんにありがとうを伝えさせてください。

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これで「最後のたまごまる杯」ゼロの紙、エピローグ編は

終わります。

みなさん素敵な作品をしたためて頂き、ありがとうございます。

読んでいる時間とても至福でした。

またnoteでみなさんの作品に出会えること楽しみです。

長い間お付き合いいただきありがとうございました。

そしてたまごまるさん、声をかけてくれたことほんとうに

幸せでした!

あしたの最後のたまごまる杯の発表をとても楽しみにしています!

最後のってなんだか郷愁をさそうね!

ひとひらの ゆめににている ことばがこぼれる
夕暮れの thank youだけが 耳に届いて



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