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65.過去と今のアンジー
受け取った作品を、ギャラリーへ搬入する。
学校が終わってから、気持ち早歩きでギャラリーへ向かった。
時間は余裕たっぷりあるのに、嬉しくてウキウキが勝ったことで早歩きになった。
久しぶりに訪れるギャラリー。
次回の展示会のために、ギャラリーは休廊して中の壁を盛大に改造していたのが見えた。
小さな扉が開いていて、入ってみるとオーナーさんが壁のペンキを塗っていた。
なるべく大きな声で「Excuse me、hello」と声をかける。これだけで結構緊張する。(日本語でも私は人に話しかけるのは緊張するタイプ)
オーナーさんが、振り返り私は自己紹介と作品の搬入について説明した。
作品の包装を剥がし、オーナーさんが作品とご対面してくれた。
「What a beautiful photo….」とため息混じりで言ってくれた。
嬉しかった。
展示方法を説明して、必要な画鋲をお渡しして終了。
たった15分以下の時間。
緊張して、作品にたいして暖かい言葉をかけていただいて、本当に私の心臓はバクバクアップダウンが激しかった。
やるべきことはやった!!あとは、次の土曜日にオープニングパーティーがある。
本当にロンドンで写真展が出来ちゃうなんて。。。
と、心の中でおおはしゃぎ。
搬入後はいつも通り、図書館に向かって宿題をはじめる。
この流れが、私のルーティーン化してきた。
約半年前は、社会人でカメラマンをしていた。時々、WEBデザインの毛が生えたようなことも。
朝から、物撮り、モデル撮影、写真編集の日々。毎朝4時に起きて、英語の勉強と読書をして、出勤し、仕事が終わったら読書。
そんな日々を送ってたけど、もうそんな日々は遠い昔のように感じた。
学生って時点で、社会的ステータスが下がった分「今しかできないこと」「社会人じゃないからできること」を謳歌してメンタル的にプラマイゼロにしてやろうと、ここまでがんばってきた。
本当にいろいろあったなと、思い返す。
仕事は大好きだったし、会社自体も大好きだった。社長はもちろん、上司様や同僚・同期みんなのことが大好きで、離れないで済むなら離れたくなかった。
けど、それよりもイギリス愛が爆発してしまい、会社を辞めざる追えなくなったのだ。なぜならロックだから。パンクだから。
時々、こうして過去の自分と比較する癖があった。いいのか悪いのかはわからないけど、今自分の立ってる地点を見つめるための一つの手段だった。
この日も、過去の自分がひょっこりと出てきては今の自分と比べていた。
過去も最高、でも今も最高!
こう言える私はとても幸せなのだと思う。
プロポーズまであと463日