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ブッダの教え2-17 うまくいかないのが普通

第1章 「人生のデフォルト設定」

ああ、人生とは実に「うまくいかない」のがデフォルト設定なんですよね。朝起きて歯磨きをして、鏡の前で「今日こそうまくいくぞ!」なんて言ってみても、家を出た瞬間に靴のひもがほどけたり、電車が遅れたり、上司に冷たくされたりと、うまくいかないことが早速スタートするわけです。そう、これはもう宇宙の法則です。決してあなた一人の不運ではなく、むしろ「うまくいかない」が世界標準、これが全員に適用されているんです。

さて、この「うまくいかない現象」に対してどう反応するかが、その人の真の実力を試される瞬間です。ほとんどの人は、おそらく頭にきてしまうでしょう。「なんでこんなことばかり!」とか、「自分だけなんでこんなに不運なんだ!」と、ひとりでプンスカ怒ってしまう。でも、その怒りが実はなんの解決策にもならないということは、だれもが心のどこかで理解しています。だって、怒っている間に電車は早く来るわけじゃないし、上司が急にやさしくなるわけでもありません。むしろ怒りでエネルギーを無駄に消費して、余計に物事がうまくいかなくなるのです。怒っている時の自分を、まるで「自滅ボタンを押している」ように感じたことはありませんか?そう、怒りは自分自身を壊す力を持っているんです。

第2章 「勇者の登場」

しかし、ここで登場するのが、我々が学ぶべき「勇者」です。勇者とは何か?剣を持ってドラゴンを倒す人じゃないんです。真の勇者とは、うまくいかないことに対して微動だにしない人のこと。たとえば、あなたが朝食のパンを落として、しかもバターが下向きで着地したとしましょう。普通の人なら「何でだよ!」と叫ぶでしょう。でも勇者は違います。彼はパンを見つめ、冷静にこう言うんです。「バターが下向きなのは、当たり前だよね」と。

勇者は、物事がうまくいかないことに驚きません。むしろ、「うまくいかない」のがデフォルトであり、うまくいったときこそ奇跡なんだと知っています。だから、うまくいかなくても全く動じない。まるで嵐の中でも動かない大きな岩のように、揺るぎない心を持っているんです。彼らは、こういう場面で「なんでこんなことが!」とは叫びません。むしろ、「ああ、これが人生の本来の姿なんだ」と悟るんです。パンがバター面で落ちるのも、電車が遅れるのも、上司がムッツリするのも、みんな人生の一部。そんなことでいちいち怒っていたら、エネルギーが無限に必要になります。

第3章 「勇者の特性」

ここで重要なのは、勇者が特別な超能力を持っているわけではないということです。彼らが持っているのは「当たり前を受け入れる力」なんです。うまくいかないことを人生の一部として、自然なものとして受け止めているからこそ、怒りが湧いてこない。逆に言えば、うまくいかないことにいちいち怒るというのは、心のどこかで「物事は常にうまくいくはずだ!」という非現実的な期待をしているからなんです。そう、この期待こそが怒りの種なんです。だからこそ、勇者は「うまくいかないのが普通」と考えているので、怒りが芽生える余地がない。これは、一種の悟りですよね。仏教で言う「無執着」にも近い考え方です。

たとえば、勇者が仕事で失敗したとしましょう。普通の人なら、「自分はダメだ」と自信を失ったり、上司に怒られて腹を立てたりするでしょう。でも、勇者は違います。彼は「失敗なんて誰にでもあるさ。むしろ失敗しない方が奇跡だ」と冷静に受け止めるんです。そして、失敗を糧にして次に進む。彼にとって失敗は、ただの学びの一部であり、怒りや挫折の原因にはなりません。こうして勇者は、どんな状況でも心の平穏を保ち続けるんです。

第4章 「不親切な世界の受け入れ」

この考え方をもっとシンプルに言うと、「人生とは基本的に不親切なもの」という前提を受け入れることです。そうすれば、不親切なことが起きたときに驚かないし、動じない。それどころか、不親切な世界の中で、たまに親切にされることがあれば、それは大きな喜びとして感じることができます。勇者は、この親切な瞬間を宝物のように大切にしつつも、基本的には「親切がないのが普通」と覚悟しているんです。

たとえば、道を歩いていて人がぶつかってきたとしましょう。普通の人なら「なんで謝らないんだ!」と腹を立てるでしょう。でも、勇者は冷静です。「人がぶつかってくるのは、人生の標準装備だ」と考えていますから、怒る理由がないんです。むしろ「ぶつかってきても、転ばなかった自分、素晴らしい!」と、逆に自分を褒めてしまうくらい。こんな風に、勇者は物事を常にポジティブに受け止め、怒りの種を芽生えさせることがないんです。

第5章 「真の勇者になろう」

ここでポイントなのは、勇者が「鈍感」なのではないということです。彼らは何も感じないわけではなく、ただ「うまくいかないのが普通」と認識しているからこそ、動じないのです。だから、物事がうまくいったときには、心から感謝することができるんです。仏教でも、「感謝の心を持つこと」が大切とされていますが、勇者はこの感謝の心を持ちながらも、過剰な期待はしないんです。これは、非常にバランスの取れた生き方です。

人生というのは、驚くほど不親切なものです。仕事もうまくいかない、家庭でもトラブルがある、健康面でも時々問題が出てくる。まさに「人生は障害物競走」。でも、勇者はその障害物をいちいち怒ることなく、むしろそれを乗り越えるゲームとして楽しんでいるんです。「ああ、また来たな、次はどう攻略してやろう?」と、冷静かつ柔軟な心で対応しているんです。まさに人生の達人です。

最終的には、我々が学ぶべきは「うまくいかないことを受け入れる勇気」です。うまくいかないことに対して、怒りやイライラを感じるのではなく、「ああ、これが人生か」と悟り、冷静に対処する力こそが、仏教的な「心の平穏」を得るための鍵です。人生の不親切に対して怒ることなく、むしろそれを当たり前として受け入れることで、我々は真の勇者になれるのです。

ということで、勇者は怒らない。怒る理由がないんですから。それこそが彼らの強さであり、私たちが目指すべき生き方なのです。

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小説 うまくいかない世界の勇者たち


第1章: 謎の失踪

ある晴れた日の午後、町の中心で起こった不思議な事件が、すべての始まりだった。地元の小さなカフェ、「カフェ・アミューズ」の常連客である若い作家、相沢拓也が、突然姿を消したのだ。彼の失踪は、町の人々にとってまるで悪夢のようだった。普段、彼は明るい笑顔で、店の隅でノートを広げては物語を書いている姿をよく見かけたからだ。

拓也がいなくなったその日のこと、彼が最後にカフェに来たのは午前中だった。友人たちと楽しく会話をし、何か特別なことを感じさせるような言動はなかった。まるでいつものように過ごしていたのに、彼はそのまま消えてしまった。誰もが、何が起こったのかを理解できなかった。

その後、友人たちは拓也の行方を追うことに決めた。彼らは、彼が普段訪れていた場所を訪れ、友人の家を訪ね、さらには彼の作品を調べ始めた。しかし、どこを探しても、拓也の痕跡は見つからなかった。

第2章: 不運の暗号

友人の一人である加藤は、拓也が残した作品に目を通していると、彼の作品に奇妙な暗号が含まれていることに気づく。その暗号は、彼が最近書いた短編小説の中に埋め込まれていた。加藤は、自らが探偵になったつもりで、その暗号を解くことに夢中になった。

拓也の小説は、彼の内面的な葛藤を描いたもので、特に「不運」というテーマが繰り返し現れていた。彼が「うまくいかない世界」をどのように捉えていたのか、暗号の中にそのヒントが隠されているようだった。加藤は、自分の周りに起こる不運な出来事とその暗号が関係しているのではないかと考え始める。

暗号を解読するために、加藤は拓也の過去の友人や知人に話を聞くことにした。その中で、一人の女性が彼のことを語り始める。「彼は最近、何かに取り憑かれているようだった。特に、運が悪いことが続いていると気にしていた。自分の運命がどこかで操作されていると感じていたらしい。」

その言葉を聞いて、加藤はますます疑問が深まった。「運命を操る者がいるのか?それとも、拓也自身が何かを知りすぎたのか?」彼は、拓也の不運が単なる偶然ではなく、何か大きな秘密に繋がっていると直感した。

第3章: 謎の暗黒組織

加藤は、拓也が最近興味を持っていたという神秘的な宗教団体の存在を知る。彼らは「運命の選ばれし者」として知られ、特別な儀式によって運命を操作する力を持っていると噂されていた。加藤は、その団体に潜入することを決意した。

彼は、友人たちと共にその宗教団体の儀式に参加し、彼らの信じる「運の法則」について話を聞く。そこで彼は、運が悪い者たちがどのようにして選ばれし者としての道を歩むか、またその過程で何が必要かを知る。驚くべきことに、拓也もその団体に引き込まれていたらしい。

儀式の途中、加藤は一人の男と目が合う。その男は、拓也の姿に似ているように思えた。彼は、運命に逆らう者たちを排除する役割を持つ者だった。加藤は恐怖を覚えたが、彼はその場を逃げ出さず、真実を明らかにするために留まった。

第4章: 真実の告白

ある夜、加藤は秘密の集会で、拓也が何かを語っているのを耳にする。彼は、自分の運命がこの団体に支配されていることを認識し、反発を覚え始めている。拓也は、彼の作品が実はこの団体に利用されていることに気づいていた。

「この運命のゲームは、私がコントロールするべきだ。私は自分の人生を生きたい。」拓也の声は力強く、彼の目には決意が宿っていた。加藤は、彼の気持ちを理解し、共にこの状況から抜け出す方法を探そうと決心する。

だが、その直後、暗黒組織の幹部が現れ、拓也を捕らえようとする。加藤は、友人たちと共に彼を救おうと奮闘する。彼らは、拓也を救出するために、知恵を絞り、勇気を出して戦う。

第5章: 勇者の決断

激しい戦闘の後、加藤たちはついに拓也を救出することに成功する。しかし、彼らの周囲にはまだ暗黒組織のメンバーが多数残っていた。拓也は、彼らに対抗するためには、自らの作品を利用することが最も効果的だと考える。彼の小説に描かれた「うまくいかない世界」の中で、彼は逆転劇を繰り広げることを決意した。

「みんな、私の物語を信じて!」拓也の声は力強く響き渡る。彼は、自分の作品を通じて、彼らにとっての不運を逆手に取り、暗黒組織を撃退する。

第6章: 新たな希望

最終的に、加藤たちは無事に暗黒組織を打ち破り、拓也は再び自由を手に入れる。しかし、彼の中には「うまくいかない世界」を受け入れる力が宿っていた。彼は、自らの運命をコントロールすることができる勇者になったのだ。

彼の物語は、再び「カフェ・アミューズ」で始まる。彼は、友人たちと共に新たな物語を紡いでいく。その物語は、彼らが直面した不運や困難を通じて育まれたものであり、真実の勇気と友情を描くものになるだろう。

そして、拓也は再びノートを開き、書き始める。「うまくいかない世界で、どのように生きるか。それが我々の新たな物語だ。」


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現代版 ブッダの教え1日1話
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