人類は滅ぶべきでしょうか?『透明性』マルク・デュガン
情報を発信するということを人類がし始めてから、その技術が一つの生態系の様に成長し発展するというのはケヴィン・ケリーの『テクニウム』だったか。人類が活動していくなかで発展してきたテクノロジーとはなにか、そしてそれに影響される、生み出す人間とは何かを、小説という形で問いただすとこうなるよ、という印象を受けたマルク・デュガンの『透明性』早川書房、2020年。
はっきり行って、読んでてうんざりするほど地続きなディストピアものである。温暖化が進行した2060年代、人類は余剰な経済活動を