“低め安定”って、物足りない　〜双極性障害の頭の中 7

パピヨン

2023年4月29日 22:56

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型のフツーの会社員、パピヨンです。

この間まで抑うつ期だったのに、なんだか胸の真ん中あたりにあった“重い粘土”が無くなりました。
上がり始めてる気がします。

今回は双極性障害の診察で必ず出てくるワード、“低め安定”について考えてみます。

ねぇみんなが　言う「普通」ってさ
なんだかんだっで　実際はたぶん
真ん中じゃなく　理想にちかい
だけど　普通じゃ　まだもの足りないの

Perfume:『Dream Fighter』

“真ん中”が行方不明

テンションが高いとか、低いとか、比較するためにはまず、
“真ん中”がどこなのか？が分からないと始まりませんよね。

私は1年のうちの大部分を抑うつ状態でフラフラしているため、自分の“真ん中”がどこなのかが完全に行方不明になってしまいました。

“真ん中”から『定点観測』して初めて
上がってるか
下がってるか
分かるワケですが、
双極性障害の私は『定点』が感情の波と一緒に上がったり下がったり同時に動いてしまいます。
「今、私機嫌悪いな」とか、
「テンション高いわ〜」とか、
全然わからないのです。

なるべく自分から気付きたいと観察しているつもりなのですが、
意識し過ぎてナーバスになり、
「今、私機嫌悪いよね？」「今日のミーティング態度悪かったよね？ごめん」と同僚に聞き過ぎてしまって、多分みんな迷惑してると思います。
「全然そんなことないって〜」
「考え過ぎだよ〜」
と言ってくれていますが、これも何度も繰り返されたらウンザリしますよね。
困ったものです。

混合状態だったかも？

3週間程前の記事に書きましたが、久々に会社で“大爆発”をやらかしました。
年明けからずっと抑うつ状態でしたが、3月の終わりあたりからイライラと自分の言動に“トゲ”がある気がうっすらしていました。

“怒り”は軽躁のサインです。
今振り返ってみると、抑うつ期→軽躁へ急激に登っている途中か、躁鬱が混ざり合った“混合状態”だったのかもしれません。

リアルタイムで“軽躁”もしくは“混合状態”をキャッチできていたら、爆発事件は起こさずにコントロールできたんでしょうか？
今はまだ分かりません。

“軽躁”も結構キツイ

人によって感覚は違うと思いますが、私のII型軽躁状態はハイテンションというより、
“多幸感”
“爽快感”
といった言葉が当てはまる気がします。

「なんて晴れた青い空！世界中みんな愛に溢れてる！ありがとう〜！」
みたいな感じです。
これを主治医に話したら、「軽躁状態の時、あんまり空を見ないでください」って真顔で返されました（笑）

気分はいいのですが、まるでアンデルセン童話の『赤い靴』みたいに「もうヘトヘトで踊りたくないのに勝手に靴に踊らされてる」感じもあり、毎日かなり疲れます。
会社から帰ったら、とりあえずコートも着たままバッグも肩に掛けたまま、バッテリー切れが如くしばらくベッドに転がってたりします。

エナジードリンクを無理矢理飲んだ感じというか“元気の前借り”をしている感覚はうっすらあります。

ブレーキって難しい

軽躁状態になってくると、診察時に無意識に「仕事のパフォーマンスが云々」という話をしているようです。
これを主治医に見つかると、
「“パフォーマンス”とか言う言葉が出ること自体が軽躁のサインですよ！ブレーキですよ、ブレーキ。今こそ仕事は控えめに」
と、必ず注意されます。

え〜、ダメなのかぁ〜。
今コスパ良いのになぁ〜と、つい思ってしまいます。
でもそれは永遠には続かない。
いつか必ず“落ちる”のです。