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ホワイトな学校へ#54 その25 というわけで、先生の言葉は重い

どういうわけかというと…

今年の始め、高校の同級生から学校宛に手紙が届いた。ネットで検索して、私の居場所を見つけたらしい。
彼女とは20年ほど、音信不通だった。
というのも、ある時、私が彼女にグイグイとはっぱをかけたら、私はN=^_^=のようにはなれない、私のことはほっといて!と言われ、それっきりになっていた。
私は、時に同性に嫌われることがある。しまった…と、思っていた。

彼女からの連絡を契機に、メールのやり取りが始まったのだが、彼女は、私に先の言葉を言ったことをすっかり忘れていた。音信不通だったのは、彼女が病いを患っていたからだった。

そのやり取りのなかで、高校時代、彼女が入院したことがあり、面会ができない状況が続いたとき、私が彼女に、毎日のように手紙を届けたという話になった。
彼女はそのことをよく覚えていたが、私はすっかり忘れていた。

このように、自分が言ったことやったことは忘れてしまうが、自分が言われたことされたことは、何十年経っても覚えている、という真理。

それが、教員からの言葉だったらなおさらである、ということ。


NSちゃんのこと

2年ほど前、教え子から来た年賀状に書かれていたこと。
その子(といっても、40歳は越えている…)からは、毎年のように年賀状が来ていたのだが、その年は人生の転機となるいろいろ大変なことがあったようだった。
彼女は、小学生のとき、私から、「NSちゃんの笑顔は、周りの人を幸せにする」と言われたことが心に残っていて、笑顔だけは忘れないように、苦境を乗りきったんだそうだ。

私は、驚いた。そんなことを、彼女に言ったことなんか、全く覚えていなかったからだ。
確かに、彼女は、いつも明るくアハハと笑っていて、次々と楽しいことを考え出し、行動に移すような子供だった。私か思い出す彼女の顔は、いつも口を大きく開けて、アハハと笑っている。

でも、そんな風に彼女に伝えていたなんて…そして、覚えててくれたなんて…

Kちゃんのこと

前任校のある年の、新1年生保護者会の時のこと。
終了後に、一人のお母さんが、私を訪ねてきた。
教え子のKちゃん(といっても、30歳は越えている…)だった!
奇遇。子供が入学するんだそうだ。久しぶりに会えて、声をかけてくれて、嬉しかった。

おや?でも、子供の頃と何か雰囲気が違う…
Kちゃんを担任したのは、小学校5・6年。
そうか、Kちゃんはその頃、どちらかというと大柄な方だった。しかし、この時見た限りでは、けして大きくない。

私がその疑問を口にすると、Kちゃんは、
「そうなんです。私、小学生のころ結構ハードなダイエットしてて。痩せてきた私を見て、N=^_^=先生が、『子供の頃ダイエットすると、背が伸びなくなっちゃうよ。やめときな。』と、言ってくれたんですけど、私、やめなかったんですよ。だから、本当に伸びませんでした!」
と、言う。
私は、全く覚えていなかった。でも、Kちゃんは、戒めとして覚えていてくれた。


というわけで、先生の言葉は重い

先生方が、何気なく言っている一言が、実は、子供たちに大きな影響を与えていることがあるのだ。
その一言が、よい言葉であればいいのだが、知らず知らずのうちに、誰かを傷つけているかもしれない。それが、先生の言葉であれば、当人は、深い傷を負うことになる。

先の二つの例は、偶々本人たちのためになる言葉であったが故に、20年以上経って私に届いたが、これが例えば、人の心を踏みにじるような言葉であった場合、私にはきっと届かず、気づくこともないのだろうと思う。

自分の立場が上になればなるほど、自分が発する言葉一つ一つの重みを考え、厳に慎まなければならないと思う。
また、立場が上になればなるほど、周りの人が指摘してくれなくなる。
政治家が不用意な発言から失脚することも多々ある。
先生の何気ない言葉が、いじめの発端になることもある。

私たちは、そういう影響力があるのだということを、肝に命じなければならない。

余談~Yo先生のこと

私は、小学校2から4年生の時の担任のYo先生に、「大器晩成」だと言われたらしい。直接言われたわけではなく、個人面談で母がそう言われて帰ってきて、私に教えてくれた。
大器晩成とはどういうことだ?私の何をもってそういうのだ?という疑問から、妙に心に残り続けた。
また、母がYo先生に、私が小学校の先生になりたいと思っているらしいと話したところ、「先生になると、口が悪くなりますよ。」と、言われたらしい。これも妙に心に残り続けた。

で、実際、小学校の先生になって、やんちゃ君相手に「いい加減にしろ!」なんて怒鳴るたびに、その言葉を思い出し、本当に口が悪くなってるな、気をつけよう、と思った。
また、紆余曲折している頃や、伸び悩んでいた頃、自分は大器晩成なんだから仕方ないな、でも晩成って、いつになったら「成る」んだ?と思っていた。

「大器」とは言えないとは思うが、最近漸く「成ってきた」かな?と思うことはある。

ことほど左様に、先生から言われた言葉は、心に残るのだ。


次回は、寄り道⑮ 誰にでもコンプレックスはある~我が師たち です=^_^=


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