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セルフデートのすすめ(姫路、過去と現在)
1994年のことです。
ほんの数年でいいから、
一度は大好きな神戸で暮らしたい、
と願っていました。
その夢を叶えるため、
神戸の新開地に住んでいた親友のマンション(2DK)に、
当時、住まわせてもらうことも決まっていました。
行く前、景気づけとばかりに、
めちゃくちゃ当たるという占い師さんのところへ。
意気揚々と来月から神戸に引っ越すんですけどぉ、
と話したら真顔でぴしゃりと、
「やめなさい。命を落とすことになる」
と言われたのです。
衝撃。
背中を押してもらうつもりで見てもらったのに、
出鼻をくじかれるような鑑定。
美輪明宏さんがいう、奈落に突き落とすタイプの、
ダメ占い師なのだけれど、
びびりのわたしは、神戸に行くことを躊躇してしまったのでした。
1995年1月17日
阪神大震災発生
親友は無事だったけれど、
古いマンションは半壊で、
(新開地は古い建物が多い)たぶんわたしが使うだろう部屋は、
タンスとかいろいろな荷物が置いてあったから、
死にはしなくても怪我はしていただろうなと彼女。
占い師の言葉を思い出し、背中がすうっと寒くなりました。
それからしばらくして親友は、
姫路、野里の県営住宅に斡旋してもらうことになります。
そしてわたし。
勤めていたブラックのデザイン事務所での仕事がいよいよ苦痛になり、
よし!辞めて友達のもと行こう!
と、
震災から8か月後の9月に、
改めて旅だったのだったのでした。
しかし残念ながら、
斡旋された県営住宅は一人で申請していたものだから、
同居人がいるとバレて追い出され、、、笑
わたしたちは姫路駅の南側に2DKのアパートを借りて、
シェア生活をすることになりました。
ここから約1年、
わたしは姫路に住んでいたのです。
でも、いざ姫路に住んでみるも、
わたしは街になかなか馴染むことができませんでした。
特に一番嫌だったのが夜遅く帰ると、
駅の南側のロータリーには、ヤンキー車が何台も待機していて、
性別は女性であればなんでも良いというように、
誰かれかまわず声をかけてきたこと。
それがとてもしつこく、
びびりのわたしは恐怖をおぼえるほどで、
(友達はあやうく車に引きずりこまれそうになったと)
夜遅く帰るときのストレスは半端なかったのです。
本当怖かった。
それが主な理由で、
友達には大変申し訳ないことをしたと思うけれど、
わたしは三宮に引っ越したのでした。
(仕事も神戸だったため)
この記事を書くため、当時のことを振り返ってみたら、
友達にはたくさん迷惑をかけたなと、
改めて「ごめんなさい」の気持ちがわいてきます。
不思議なもので、
以前は嫌いだった姫路が、
いまでは大好きな場所になっています。
いつから好きになったのだろう?
随分年月もたって、オシャレな店が増えてきた。
以前書いた大好きなパン屋さんもその中のひとつだし・・・。
ヤンキー車も見なくなったなぁ。
現在の2025年、
随分変わった姫路。
いつも立ち寄るお店や風景を、
以下、ご紹介したいと思います。
まずはてくてく歩いて、野里へ向かいます。
そう、むかし、県営住宅を斡旋された場所です。
(路線は播但線になります)
まずは護国神社でお参りをし、
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姫路市立美術館を通り越し、
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野里に到着。
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何しろ静かで大好きな界隈
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この通りで一番好きなお店、
「灯」さん。
雑貨とcafeのお店です。
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めっちゃ落ち着くんです
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めちゃくちゃおいしいです!
スープもサラダも!
すごいボリュームで、このわたしが夜ごはん食べれませんでした😅
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お皿のほかに、
荒れ地の魔女
またはいらんこと言いのおっさんに、
ツキノワグマと言われそうな真っ黒のファーのベストを購入。
お店のお姉さんといろいろなことをお話して、
野里をあとにします。
野里から姫路に帰る、わたしのお気に入りの道筋は、
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いまでは、海外ともに観光客の多い人気の姫路。
いかにレアな道を開拓するかが、
わたしのミッションになっています(?)。
さて、お城付近に戻ってきまして。
ベーカリーLAMPの近くに、
これまたお気に入りの雑貨屋さんがあります。
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あるとき、
勇気を出してビルの2Fにある雑貨屋さんに入ったら!
ああ、
ワンダーランド。
さまざまな雑貨が、ところ狭しとディスプレイされていて、
もう頬が紅潮するような、テンションMAXとなります。
特に、人形好きのわたしにとって、
この小さなかわいい子たちは、連れ帰らずにはいられない子たち。
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キリン、寝かした☺
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でももう生産やめちゃったそうで😿在庫品限り
楽しかったけれど、
たくさん歩いて疲れました。
だいたい休憩は、こちらのカフェ
「5W2H」さん。
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とても充実した一日だったと満足感いっぱいで、
さらに大好きなキャロットケーキを窓側の席でいただけるのに、
心がざわざわしはじめます。
なぜなら、店内1Fの客、3席中2席(女子)が「結婚」について、
声高らかにディスカッションしており、
特にわたしのすぐ隣の40代の女性は声が大きくて関東弁で、
「ワンチャンでさ」
「男なんてさぁ」
「三十代までに・・・」
「作家の友達がいてさぁ」
「付属だよね」
そんな不快な会話が丸聞こえで、
ブルーツゥースで耳をふさいでも効果はなく、
せっかくのキャロットケーキの味がわからなくなりました。
いけない、
我慢をしてはいけない。
「うるさいですけど」と言うか?
いや・・・それは。
と、思いなおし、店員さんにお願いして、
2Fの席にうつりホッ。
これまで楽しかったのに、
リトル、なぜ不快に思うシグナルが今、
わたしに訪れているの?
不快に思っていることがあるの?
気のせいと思いたい。
2Fはこれまた窓側で静かで、
隣のカップルはウィスパーな声で語らいあい、
隣にあるスピーカーからは、いい塩梅の音量でオルタナティブ。
ああ、やっとキャロットケーキの味がわかる。
と、喜んでいたら、
その後ろの席から、
「結婚って興味ある!?」
の声。
苦笑いしながら、ふた口でキャロットケーキを完食し、
コーヒーを飲みほし、陽の落ちかけた街に出たのでした。
妙齢のお嬢さんたちばかりだもの、
当然か。
さぁ、帰ろう。
おうちに帰ろう。
最後までご覧いただきありがとうございました☺
阪神大震災からもう三十年。
どう言葉にしていいか、図りかねます。