【ロッテ/ドラフト24②】(今年も)マリーンズドラフトを考察する。~2軍戦力編~
⚠️この記事はパート②となっております。
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お久しぶりです、ふじです。
とうとうドラフトまで2週間を切り、ついに広島がドラフト1位「宗山 塁(明治大/内野手)」を公表しました。
私の予想もドラフトまでに間に合うかギリギリというのが実際のところですが、なんとか間に合えばと思っています…(気合でどうにかする)
さて今回の2軍戦力の考察ですが、ドラフトで1番重要なのは実はこの部分を正確に見極める力ではないかと思っています。
例えば、現状の「1軍のあるポジション」が十分であっても、2軍を見ていると「そのポジション」は代わりがいないなんてことになれば、数年後に穴として目に見える形になってしまう恐れがあります。
2025プロジェクトもそうですが、本当の”常勝軍団”になるためには、過不足なく2軍を運用していかなければなりません。
というわけで、細かく2軍戦力を考察していきたいと思います。
ちなみに、ドラフトまでに①1軍戦力 ②2軍戦力 ③1位予想 の順で予想・考察をしていきますので、追いかけていただければ幸いです。
それでは、現状のポジション別2軍戦力を見ていきましょう。
※今季リリースとなる選手が発表されました、あらかじめご確認ください。
① 投手
(1)スターター
2軍も先発投手陣は非常に苦しく、悩ましい運用を強いられました。
以上の表は、今季の登板のうち半分以上を先発として迎えた投手を抽出していますが、このうち石川-美馬-唐川の3人は35歳を超えているベテラン投手です。
本来であれば、彼らは2軍で登板数を増やすべき投手ではありませんが、そうなってしまっている以上は仕方ありません。
ここで考えるべき本当の問題は、先発として回るプロスペクトがあまりにも小数精鋭すぎるというものです。
今季は田中晴(22高D3)、中森(20高D2)といった次世代プロスペクトが登板機会を増やすことが出来ましたが、なかなかその他の若手投手陣の登板がありませんでした。
来年以降は吉川(22高育D1)、木村(23高D3)といった、今季いくらか先発登板を果たしたラインナップが追加されることが優に想像できますが、全体的な毎数不足になることも目に見えています。
だからといって、今季と同様にベテラン投手陣に頼りきりで2軍ローテを回したり、本来は1軍で先発起用を想定されていない投手を無理やり起用したりするのは、ただただ「もったいない運用」というまでです。
このような状況をどうにか脱するためにも、まずは2軍でローテを張って経験値を増やす、ひいては数年後には1軍ローテに定着することが出来るような投手の頭数を増やしたいところです。
もちろん、高卒の選手を獲得・育成した方が得られるリターンが大きいことが明白なのは承知の上で、それでもベテラン陣の残された時間などを鑑みても、しっかりと2軍のローテに食い込むことが出来るような投手を追加したいと考えています。
まずは枚数についてですが、来季1年間を通じて田中(晴)・中森・木村・吉川が機能するという前提ならば、複数枚の追加は要らないと言えるでしょう。
ここに、ベテラン組や1軍調整組、二木や高野と言った中堅組が入ってくれれば、それなりに長期・短期の両面からチームの戦力強化が果たせると想定しています。
ただ、彼らが稼働できないというのであれば話は別ですが…
とはいえ、若手先発陣(特に高卒)を数年単位で少しずつ増やしている最中であるため、そこまでナイーブになる必要もないように思えます。
そのため、1枚ほど追加しておくぐらいにとどめるのが良さそうです。
また、チーム内の左腕先発投手が皆無であるため、利き腕は優先したいというのが個人的な意見です。
(2)リリーバー
今季の2軍リリーバーには、本来1軍で運用されることが想定されるものの、不調や枠の都合で1軍から外れた投手が多くいました。
昨季のセットアッパーであった西村、接戦での起用が多かった澤田、ロングを担当していた岩下・中村(稔)などが挙げられます。
また、ドラフト2位ルーキーの大谷は前半戦こそ苦しい成績であったものの、夏ごろから良化の一途をたどり、シーズン終盤に1軍昇格(3者連続三振)を果たしています。
また1軍供給を果たした投手には菊地・廣畑・八木など、手術明けの小野やリリース獲得の吉田などある程度1軍実績のある投手も多く控えているため、全体感で見れば層がだんだんと厚くなってきていると言えるでしょう。
対して、東條・秋山・河村の3人は2軍リリーバーでも少々立場が苦しくなっているでしょうか。(河村は先発起用もあるかも、)
※東條・秋山は来季契約を結ばないとリリース
近年のマリーンズブルペン陣では特に”K%”が重視される傾向が強く、防御率が肥大している上で圧倒的なK%を見せられていないとなると、なかなか1軍行きの切符が掴みづらいです。(ex. 現ドラ放出の佐々木千隼)
とはいえ、1軍に常駐しているリリーバーを含めるとあまりにも十分すぎるぐらいには整備できているともいえるでしょうか。
また昨季のドラフトで2位の枠を使ってリリーバーを獲得しているということを考慮しても、上位枠を使うというのは考えづらいです。
ただ、1軍ブルペン陣の高齢化というのは見逃せない問題でもあるので、余裕があれば1枚ほど追加できると良さそうです。
②野手
※野手成績は、左から打率/出塁率/長打率/OPSの順となっています。
また、試合数は”該当ポジションでのスタメン出場数”です。
(1)捕手
捕手は、開幕してからすぐにいい意味で驚きの事態が起きました。
というのも、高卒ドラ5ルーキーの寺地が開幕2戦目のスタメンで3安打の猛打賞を記録すると、その後も3割前後のAveを保ち続け、気づけばフレッシュオールスター、2軍戦合計100試合出場、1軍初安打を達成しました。
因みに彼の今季の成績は、日本を代表する打者の1人である近藤(SB)の高卒1年目の成績と非常に酷似しているというのも好材料です。
また、打力を活かして捕手以外のポジションで出場した経験も持ち合わせており(入団後は2軍戦で1度だけ三塁スタメン出場)、コンバートも含めて非常に楽しみな選手であることに違いはないです。
※球団・本人・大勢のファンも捕手として期待しているが。
また、松川も昨季よりかは出場を減らしているものの、高い守備力に加えて少しずつ打力も向上しており、楽しみな逸材であることには変わりはありません。
といった具合で1軍捕手も含めて2‐3世代の差で選手が在籍していますが、無視できないのがバックアップ要因の存在です。
いくら松川と寺地がプロスペクトであるからと言っても、まだまだ2軍でやることも多く、できることなら1軍3番手や万一の昇格要因として計算したくはありません。
ここで重要なのが中堅組であるのですが、在籍している柿沼・植田は1、2軍成績が共に苦しい上で出場機会も減らしつつあります。
また、年齢分布も1軍捕手の佐藤・田村・(大下)と被っており、なかなか出場機会に恵まれないというのが現状です。
この点に関しては当然入れ替え候補になるのですが、どんな偶然かは分かりませんが、ちょうど松川と佐藤の間は6つ空いており、社会人捕手(24)を追加し戦力化できれば、編成がとてもきれいになります。
この状態になれば緊急の事がない限り定期的(3年ほど)に高卒捕手を獲得するだけで良くなり、今後のドラフト戦略も非常に組みやすくなります。
といったわけで、社会人捕手をドラフト指名するメリットは大いに考えられ、かつ十分にリターンのある選択であると想定しています。
ただ、社会人の選手は支配下でしか指名することができないため、いざ獲得となれば自チームからのリリースは免れないでしょう。
そのため他の補強ポイントを回ったうえで、気になる社会人捕手がいれば狙っていくというぐらいに考えるのが良さそうです。
※一応、この人もいるしね。
(2)内野手
二遊間はいい部分と悪い部分が同時に露呈するポジションでした。
こちらも高卒1年目である松石が遊撃としてチーム1の出場数を記録し、シーズン終盤である9月には月間打率.279、OPSも.709を記録するなど、プロの世界に適応を見せる場面も見られました。
もうご存じの方も多いでしょうが、彼はプロで初めて遊撃(野手コンバート)を経験している選手です。にも関わらずまずまずの打力と守備力を見せているのは、”遊撃1年目”として考えれば上出来と言えるでしょう。
ここまでのパフォーマンスを見せられると、将来的な正遊撃手候補の筆頭株と言えるでしょうか。
また今季から二塁へコンバートとなった金田も、守備力は触れづらいですが、アプローチ力を向上させているという点は明るい部分です。
ただ一見するとAveは良いですが、今季放った33本の安打のうち、僅か2本しか長打(二塁打)が出なかったというのは寂しい部分ではあります。
とはいえ、1年目からオープン戦に出場したことのある大型内野手が着実に歩みを進めているのは楽しみな部分です。
それだけに、シーズン途中の怪我離脱がもったいなかった…
対照的に、昨年出場の多かった勝又は松石にポジションを奪われる形となり、昨年同様に黒川も出場数を増やすことは出来ませんでした。
※黒川は来季契約を結ばないとリリース。
加えて、金田の怪我や好成績を残した池田が昇格した際に、外野手として出場の多い平沢が流動的になるなど苦しい運用も見られました。
このあたりの1・2軍合わせた二遊間の枚数不足は解決しなければいけない問題であるのは間違いありませんが、来季も松石が多く起用されるのは明白である以上、育成枠での追加はしづらいです。(松石が早期支配下となれば話は別だが、少々考えづらい)
また、1軍でもそれなりの需要があることや、直近2年で金田・勝又・松石の3人の高校生をドラフトしていることを考慮しても高卒選手は選択しづらいです。
そのため、来季の2軍二遊間を松石-金田(勝又、池田)といったように想定するのであれば、わざわざ2軍のために追加するという考え方はしなくていいでしょう。
対して、2軍におけるコーナーの運用は少々苦しかったと言えるでしょう。
というのも、今季の最多出場は一塁井上・三塁上田という構図でしたが、井上は今季35歳を迎えたベテランであるにも関わらず、1軍出場はなし。
さらには、一般的に打力が優先される一塁のポジションでOPSが6割前半というのは、年齢を考慮すると苦しいです。
もちろん守備力であればそれなりに戦力として貢献できるでしょうが、1軍のリザーバーに入るにはマルチツールが必要である以上、一塁専の彼の起用機会は考えづらいというのが実情です。(2020年10月13日、「涙のサヨナラタイムリー」現地勢としては寂しいものがあります…)
対してドラフト1位ルーキーの上田は、守備こそ目立たないものの、打力でそれを凌駕する成績を叩くことが出来ました。
これであれば2-3年を目安に1軍定着というのも夢ではないでしょう。
そうすると、上田昇格後にコーナーで起用したい選手が2軍からいなくなります。であれば追加を検討したいところですが、チーム内には安田・上田といったコーナーをメインにしている選手、池田・山口のようにオプションとして持っている選手が控えています。(皆これでもかといったように大社世代である)
そのため、できれば高校生の世代で狙いたいところです。
また、上田の適性がどちらなのか(現状だと一塁?)が分からない状況であるため、なるべく三塁に就くことが出来る選手を優先したいです。
(3)外野手
2軍の運用で今季一番崩壊していたのは、間違いなく中堅でしょう。
本来は両翼タイプである山本や、そもそも内野手登録である平沢、今季オフに西武から現役ドラフトで移籍した中堅(年齢)外野手である愛斗が多く出場をしましたが、正直な話をすると、誰が出ても健全な運用と言い切ることは出来ません。
以前よりお話している通りですが、中堅は外野の司令塔の役割を担っているように、非常に専門性の高いポジションだと言えます。
それだけ重要で貴重なポジションであるにも関わらず、中堅適正が考えづらい選手に任せているというのはおかしな話です。
ただ、シーズン夏ごろに途中加入したA.マーティンはある程度中堅手として出場できそうであり、1軍用にドラフトで獲得した選手が場慣らし的な運用で2軍戦に出場するというケースも十分に想定できるため、2-3年後のことを考えて獲得するというよりは、それよりも先のことを考えて獲得する方がベターな選択となるでしょう。
となれば高卒世代で良さげな選手を獲得したいところですが、来季の2軍運用という観点だけで見れば、無理をする必要はなさそうです。(1軍用に外野手を獲得すればね)
両翼は一見問題が無いように見えますが、山口・山本を1軍へ送り出すと支配下契約で両翼として育成したい選手が全くいなくなります。
これは2軍運用をする上では大問題で、来季も育成野手として松石・マーティン・藤田が出場を増やすことが想定され、投手でも吉川・田中楓・永島田も起用が増えていくでしょう。というか、挙げればキリがありません…
そして、両翼の若手野手は藤田・高野(ともに育成)のみ…
つまり、いつぞやかの左翼に江村、右翼に柿沼(中堅の西川も)という”生き地獄”のようなラインナップになってしまう可能性が少なからず存在しているというわけです。
どうにかこのような事態となるのを避けるためにも追加をしたいところなのですが、山口(24)・山本(22)はともに大社世代であるうえ、予定では1軍用の外野手を獲得することになっています。
そのため、現実的には高校生の外野手を1枚追加するというのが限度となるでしょう。
どこからか、「育成枠も含めて若手外野手が多い」という声も聞こえてきそうですが、山口の一塁コンバート(フェニックスの三塁山本)まで構想に入れるのであれば問題はなさそうです。(というか、長打課題だし)
③ 2軍ポジション別ドラフト優先度まとめ
というわけで、ここまでの各ポジションごとの考察を踏まえた優先度は以上の通りです。
やはり、1軍同様今ドラフトで最も重視したいのは先発投手のカテゴリー。
もちろん2軍の先発プロスペクトがいないわけではありませんが、1年間ずっと稼働できるかが分からないという状況まで考慮すると、どうにか追加はしておきたいところです。
続いてBランクのコーナー、両翼、中堅は、大社世代のプロスペクトはいるもののなかなか次の世代が居なかったり、育成選手しかいなかったりと、来季の運用に支障をきたす可能性があるポジションです。
現有戦力という面だけ見ればそこまで心配はしていませんが、将来的なことまで考慮すれば高校生の選手を追加しておきたいところではあります。
最後はCランクの捕手、二遊間、リリーバーですが、これらのポジションに関しては来季も積極的に起用したい若手選手が在籍しているため、今すぐの追加というのは必要ないと判断しています。
※ただし入れ替えはありかも
というわけで、今回はここまで。
次回からは、実際のドラフト考察を進めていきたいと考えています。
お相手は【ふじ】でした、また次回。
Photos⇩
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