エイプリル

はじめまして。「老親が精神科に入院しました」というコラムを書いてます。内容については家族の許可を得ています。よろしくお願いします。

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はじめまして。「老親が精神科に入院しました」というコラムを書いてます。内容については家族の許可を得ています。よろしくお願いします。

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  • 老親が精神科に入院しました

    高齢者の精神科入院について一家族の立場で書いたものです

最近の記事

老親が精神科に入院しましたその12

入院して一か月入院してAの一か月後の状況です。 残念ながら劇的に改善されてはいません。 面会 閉鎖病棟ですが、ガラス越しに面会出来てます。 コロナ下で面会禁止の病院がほとんどですから全く会えないと思ってましたが、意外でした。 一か月の間、4回会えました。 いわゆる面会可能時間(午前中から夕方くらい)までで、一回15分ほどと時間と時間制限はありますが、一か月何回という回数制限はありません。 大学病院だと洗濯物を届けるなど用事があっても回数制限がある病院が多いですから、とても

    • 老親が精神科に入院しましたその11

      退院はいつ? Aは入院となりましたが、いつ退院出来るのかは分かりません。 主治医の先生の判断を待ちたいと思います。 一番気になったのは、一度自分でサインした書類に「良く分からないままサインした」と言い出したことです。 些細なことでパニックを起こしたり、良く分からない書類にサインしたりする今は日常生活が一人でおくれる状態と思えません。怪我や病気、事件に巻き込まれる前に入院させて貰えて良かったと思います。 目標は一人暮らし 理想は一人暮らしが可能なレベルまでの回復ですが、難し

      • 老親が精神科に入院しましたその10

        △△病院入院~入院前~ 入院の当日、Aの様子はいつもとはまったく違いました。 躁状態というのでしょうか、見た目は元気そうですが、どこかギラギラした感じでした。 気持ちが楽になるというお薬を飲んで三日目です。 最近になく元気な様子でした。 先生と喧嘩する? 「私、先生と喧嘩してくるから」 とAは出発前に言いました。 「喧嘩って?」 「入院しませんって言うから」 家で「入院は嫌だ」を言い続けるので、「先生が入院は必要と判断したからそうなったの。もう決まったことだから、嫌なら自

        • 老親が精神科に入院しましたその9

          △△病院二回目~受診~ 老親が精神科に入院しましたその7の続きになります。 ◇登場人物◇ A・・・患者本人。七十代後半 B・・・Aの夫。故人。 C・・・ABの息子。 私(エイプリル)・・・Cの妻。 初診から二日後、また△△病院に行きました。 相変わらず、「具合が良くない」「(自分を)処分して」「何も出来ない」という発言は続いています。 それに「もう病院は行きたくない」が加わりました。長い二日間でした。 Aは朝から落ち着かない様子でした。 病院に向かうタクシーの中は「また熱が

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        • 老親が精神科に入院しました
          12本

        記事

          老親が精神科に入院しましたその8~患者の家族ケア~

          患者の家族が疲れた時は 今回の内容はAのことではなく、患者の家族であるCと私のことについてです。 Aの様子がおかしくなったのは、Bが亡くなってすぐのことです。 Bが末期がんと分かり、亡くなるまでの一ヶ月、その前後からAが精神的に不安定になり、Cから見れば、父親の死と母親の病気は同時進行でした。 Cはとても大変だったと思います。 Cの対応が遅い 今回、一つ気になったのは、Cの対応が遅かったことです。 私はAにとっては「嫁」の立場ですから、当初はあまり積極的に動きませんでした

          老親が精神科に入院しましたその8~患者の家族ケア~

          老親が精神科に入院しましたその7

          △△病院初回~病名はうつ~ 先生:「Aさんはうつだと思われます」 エイプリル(以下エイ):「ではAは病気なのですか?」 先生:「はい。配偶者が亡くなって気分が落ち込むというのは、当たり前の心の動きで、時間が経てば自然と立ち直れます。ですがAさんの場合、引っ越し、金銭面の不安など複数の要素が重なり、こうした悲しみや苦しみを上手く受容出来なかったようです。ここまで来ると自力で直すことは難しいですね」 病名はうつでした。 エイ:「今後はどういった治療になるんでしょう?」 先生:

          老親が精神科に入院しましたその7

          老親が精神科に入院しましたその6

          入院対象 今回、多くの人にお世話になりましたが、この○○クリニックの看護婦さんから適切な助言を頂かなければもっと大変なことになってしまったと思います。同じような状況にある方のお役に立てればと書き残しておきます。 その5の会話の続きになります。 入院が必要な状況とは? ○○クリニック看護婦さん(以下クリニック):「二週間以上の『死にたい』『消えたい』とAさんは訴えているわけですね。それは既に入院が必要な状態だと思われます」 エイプリル(以下エ):「そんなに良くない状態ですか

          老親が精神科に入院しましたその6

          老親が精神科に入院しましたその5

          地域包括支援センター このコラムで書きたかったことの一つが、この地域包括支援センターについてです。私は今回初めてこういう施設があることを知りました。 地域の健康のための施設です。高齢者の総合相談にも乗ってくれます。 ですが、私のように存在すら知らない人が多いのではないでしょうか。 地域包括支援センターを知ったのは、Bの生前、病院内のがん支援センターにCが相談に行った時のことでした。(記事はこちら→老親が精神科に入院しましたその2) 「Aは高齢者ですが、健康で要介護認定は受けて

          老親が精神科に入院しましたその5

          老親が精神科に入院しましたその4

          二ヶ月後 この頃から異常行動が目立つようになりました。 印象深かったことを挙げておきます。 夜中(深夜2時頃)に留守電が延々と入る。深夜なので遅れて気付き、取ると返事はなくその後も延々語り続ける。 いきなり押しかけて来て語り始める。(それまではアポなしで来ることはありませんでした)内容は「目も足も歯も悪くて一人では何も出来ない」ということ。これは深夜もありました。 「こんなに痩せてしまった」と腕や鎖骨を見せようとする。 3の歯バージョン。入れ歯を見せられた。「入れ歯の

          老親が精神科に入院しましたその4

          老親が精神科に入院しましたその3

          我が儘だと思った 今思い返すとBの死後一ヶ月の時点でAの行動は普通ではありませんでした。しかし、家族はそのシグナルを見落としてしまいました。 Cと私が何故この時点で異常に気付けなかったか?思い当たることを上げていきたいと思います。 Bの死の直後で私達も疲れていた。 異常な行動が元々のAの性格が強調された形で発露した。 Aは元々ちょっと大袈裟な物言いをするところがありました。例を挙げると、おいしいものを食べた時「これ以外のものは食べられない」というような言い方をする人でし

          老親が精神科に入院しましたその3

          老親が精神科に入院しましたその2

          Bの入院中にあったこと依存心 Aは元々依存心が強い人のように見えましたが、Bの入院中からそれが顕著になりました。Bの代わりに今度は息子であるCに依存を始めたのです。 具体的には、「出来ない」「分からない」「こんなの初めて見た」が口癖になり、かつては出来ていたことも出来ないと言うことが多くなりました。 電車やバスにも「乗ったことがないから乗れない」と言います。もちろんそんなことはありません。移動はほとんどBが運転する車だったので、日常使う交通手段ではなかったですが、いくらなん

          老親が精神科に入院しましたその2

          老親が精神科に入院しましたその1

          きっかけは配偶者の死老親が精神科に入院しました。うつです。 備忘録がわりに一部始終を書き記しておきたいと思います。この文章がどなたかの役に立つことを祈っています。 うつの原因 きっかけは配偶者の死です。 よく小説で、「どこから話せば良いのか……」という台詞がありますが、そんな気持ちです。色々ありました。 少し長くなりますが、まずタイトル通り入院してしまった老親Aの家族構成から書かせてください。 Aは夫と二人暮らしです。この夫が亡くなりました。ガンでした。 元々告知はされて

          老親が精神科に入院しましたその1