老親が精神科に入院しましたその11
退院はいつ?
Aは入院となりましたが、いつ退院出来るのかは分かりません。
主治医の先生の判断を待ちたいと思います。
一番気になったのは、一度自分でサインした書類に「良く分からないままサインした」と言い出したことです。
些細なことでパニックを起こしたり、良く分からない書類にサインしたりする今は日常生活が一人でおくれる状態と思えません。怪我や病気、事件に巻き込まれる前に入院させて貰えて良かったと思います。
目標は一人暮らし
理想は一人暮らしが可能なレベルまでの回復ですが、難しいなら、訪問看護、デイサービスなど、看護や介助の手を借りれるようになることです。
Aは入院前、「誰とも会いたくない。家に誰も来て欲しくない」とこうした支援を拒絶しました。
せめてこうした支援が受けられる状態になって欲しいなと思います。
家族が思うAのうつの原因
家族カウンセリングの時に先生から指摘されましたが、AはBの死と共にいくつもの状況の変化が重なってしまいました。Aが感じたであろうストレスを挙げていきます。
Bの死
Bの死後の葬式や手続き
ここまでは普通にあることですが、Aの場合はこれに更にいくつかの出来事が重なってしまいました。
Bの死で車を手放すことに→移動手段の変更
Bの死による収入の減少→引っ越しや家計・老後の計画の見直し
どちらもある程度予測がついたことなのに、Aはまったく対応出来ませんでした。
老後の計画の欠落
A家の最大の欠点は人生設計がほぼ皆無だったことだと思われます。
子供であるC家は気付けなかったのかと聞かれると、まったく迂闊ですが、「気付けませんでした」と答えるしかありません。
何故なら、Aも生前のBも「Cには迷惑掛けないから。あんた達は好きにやりなさい」と口癖のように言っていたからです。
Bの個人事務所が上手くいってないようなのは、うっすら分かっていましたから、少々の違和感はありましたが、それでも「親がそう言うなら」と甘く見てしまったところがあります。
C家は同居に対応した家でもライフプランでもない
「あんた達は好きにやりなさい」と言われていたので、我が家のマネープランはCと私のみを前提に設計してました。
私の親も存命です。
色々話し合って将来、親の体の具合が悪くなったら、Aではなく、私の親との同居する予定でいます。
私の実家はそこそこ広さがあるので、私実家にC家が引っ越しすることになります。
これについては、ABも一応知っていました。反対された記憶はありません。
今考えると、「人の家のことなので……」とあまり深く聞いてませんでしたが、ABは「あんた達は好きにしなさい」のみで、こういった有事の際どうするか?という話について話し合いはほぼなかったです。
結局、何の備えもなく、Bは亡くなりましたから、先送りにしていた諸問題はBの死を契機に一気にAに降りかかってくることになりました。
Aの老後資金
残されたAの金銭状況ですが、実は老人一人、慎ましくなら十五年ほどは暮らせるのではないかと思われます。(二十年は無理かなと思います)
ただ、それには家計のシェイプアップが必要です。具体的には、現在の家は、広すぎ、家賃も高すぎるので、引っ越しする必要があります。
Aにはこの引っ越しがストレスだったようです。
きれいなゴミ屋敷
Aは元々とても綺麗好きで、家もC家より綺麗に片付いています。
ですが、よくよく見ると、すさまじいゴミ屋敷でした。
おかしな言い方ですが、きれいなゴミ屋敷という感じです。
タンスが四つ
クローゼットが2つあるにもかかわらず、タンスが全部で四つあります。
更にハンガーラックが合計三つあり、そこにもびっしりと服が並んでいました。
他に箪笥がひとつです。
量としては五百着以上はあると思います。
二人暮らしの老人家庭には明らかにおかしい量でしたが、どれも出しっぱなしではなく、綺麗にハンガーに掛けられたり、たたんでタンスにしまっています。
ただ、年単位で放置されているようでした。クローゼットの前にはものがおかれており、ほこりや置かれているものから見ると、十年ほどは開けられてない状態です。
スペースがいっぱいになると「捨てる」ではなく、タンスなどの収納家具を使って「拡張する」という方向だったようです。
綺麗に収納するとこれほどのものが入るのかと驚きました。
他にも印象的だったことを書いておきます。
紙袋が段ボール4個分
何かの時に使えると、紙袋をとっておくお家は結構あると思います。ですが、A家は量が異常でした。
120㎝サイズの大きな段ボールに4個分くらいありました。
くつも大量
バッグも大量(マイバックを含めると150個くらい)
アルバムも大量
空き缶、空き箱も大量
食器も大量
タッパーも大量
ビニールの袋も大量
十年以上前の薬も保管
大昔にやっていた洋裁の道具も大量
書類棚や収納棚が大小合わせると20個以上
二人暮らしの老人家庭にティーセットや湯飲みが10組以上、食器棚にひしめいてます。
印象的なのは、タッパーですね。
台所の棚を開けるとタッパーがびっしりしまわれていました。
洗剤も数えたら八箱ありました。(+お中元のセット4本)
はさみも10本以上、ペンも大量にありました。
二人暮らしには何もかもものが多すぎます。
収納家具にチキンと納められ、一見綺麗ですが、とても使いづらそうな家になってました。
年を取ったらダウンサイジング
年を取るに従って、段々、管理しきれなくなっていったのが、何となく見て取れます。
在庫が幾つもあるものを新たに買った形跡があります。服とカバンは似たようなものがいくつもありました。
「終活しないとこうなるのか」と思いました。
せっかく賃貸なのだから、もっと早く小さな家に越したら良かったのに、と残念に思いました。
私も少しずつダウンサイジングしないとなと身につまされました。
A家の状態は、ちょっと病的だと思います。
Aは「捨てる」という判断が出来ない人のようです。ゴミ屋敷のような分かりやすい状況ではないので、発見が遅れましたが、家の惨状を見ると、Aは以前から心に問題を抱えていたような気がします。
老親が精神科に入院しましたその12に続きます。