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若者の受難

なかなか大変な世の中だ。神経疲労にさいなまれ、命の味がしないものを食べる。そんな痛みが、今の世には溢れかえっている。フツーに生きてりゃ知恵も自信も体力も生活力も文化的素養も身について、そこそこの人生を歩める、というわけにはいかない。

20代の頃の手記


アラフォーの私が20代の頃に書いた手記で、前述のように始まるものがあります。

続きにはいろいろなことが書いてあるのですが、1つは、自分が中学生の頃に思ったことがしたためられていました。

忘れられない一場面。進学塾に通うため、母とともに入塾テストを受けに行った。
スタッフに受験料の支払いを求められ、いそいそとカバンから財布を出す母。
なんだか切なかった。

そして、100年くらい前に生まれていたらどうだったのだろうと思いをめぐらせます。

進学塾なんてなくて、はた織り、糸紡ぎ、子守り、そろそろ嫁入り?

今は長いこと子どもとして保護され、教育もつけてくれる。
それは結構なことだが、悪く言えば、長いこと子どもとして囲い込まれ、ヘタすりゃ飼い太らされる。そして、生き辛くなってくる。
だから昔のほうが良かったという気はない。昔は昔で今とは違うリスクがあったはずだ。
なかなか人生は、思うように快適にはいかないこともある。生まれる国や時代に応じて、柔軟にやっていくしかない。


イトコが「引きこもり」に


乱文失礼しました。こんな手記を持ち出してくるのは、自分のイトコ(私より年下の男子)が引きこもりになったことを思い出したからです。

彼はそこそこのレベルの私立大学を卒業した後、就職せずに家にいました。

当然、親(私の叔母)は気が気でありません。

叔母はとても悩んでいて、イトコ本人とケンカすることもあったと言います。

私はなんとか力になりたくて、叔母に手紙を書きました。今は若者がマトモに育つのは難しいから、そのへんを理解してあげた上で、健康にだけは気をつけて…といった主旨です。

手紙のことを感謝してくれたものの、自らもバリバリ働くしっかり屋さんの叔母は、やはり悠長には構えていられません。当然です。ある日、イトコと口論になり、勢いで「見てみぃ!〔ゆきわ〕ちゃんもこんなに心配してくれてるんや!」と言って、私の手紙を見せたところ、彼は仕事に行くようになったと言います。

倉庫などでの作業で、学歴という点で見ると適合しているとは言えないようですが、とにかく社会に出て働けているということが大切だと、私も思います。

イトコに甥っ子ができて


2世代前、すなわちイトコと私の祖父母の代は、親族で工場を経営していました。イトコはその代に生まれていれば、何の問題もなかったかもしれません。

しばらくして、イトコに甥っ子ができました。お姉さん夫婦に男の子が生まれたのです。イトコはそれは嬉しそうに、甥っ子を可愛がっていると聞きました。

器用なタイプではないけど、優しくて、仕事もその気になれば真面目にできる。

そんなイトコに幸あれと思うのでした。

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