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【調査】ブランド認知における関心喚起の要因は「印象」が7割

巷であらゆる商品・サービスやブランドの認知の重要性はイヤというほど語られてきていますが、認知されることにおいて、認知する側の視点で語られるデータが乏しいと感じてましたので、これを深掘るリサーチを実施いたしました。


調査結果のまとめ

◯ 65.3%の人が「商品・サービスの内容や品質」により関心を喚起する。
◯ 約3人に2人がブランドイメージやデザインからの影響を受けている。
◯ 関心を抱くきっかけは、コンセプトや口コミより、ビジュアルが優勢に。


例えば、デザイナーであればクライアントにデザインやビジュアルの重要性を語る根拠としても使っていただいてもいいですし、ブランドマネジメント側においてはブランディングやマーケティング施策の稟議を通すのにもケースによっては有効なデータになるかもしれません。

私たちは普段から新しい何かと出会う際に、それに関心が持てるのか、持てないのかの情報の取捨選択を瞬時に行なっています。私たちは何かを欲する以前に、その対象に何らかの興味を喚起された「きっかけ」が存在しており、そのきっかけが何か、その選択においてどの程度を影響を及ぼすのかを探ることが、あらゆる業種のブランディングにおいて、認知を有効的に掴むきっかけを作れるのではと考えました。
そこで私が主導するブランディングエージェンシーのPOROROCAが、都心で働く20〜50代の男女を対象に、関心を抱くきっかけの影響度を測るブランド意識調査を実施しました。

対象モニタには、「最近、すでに興味のある分野で非認知の商品・サービスに関する情報に触れた際、以下の8項目それぞれについて、関心を喚起する影響度がどの程度あるか」を6段階(影響がない/影響があまりない/どちらでもない/影響が少しある/影響がある/影響が非常にある)で評価してもらいました。

・他人の感想や評価
・店舗スタッフとのやりとり
・商品・サービスのコンセプトや物語
・商品・サービスの印象
・商品・サービスのデザイン
・商品・サービスの内容や品質
・企業への信頼感
・企業の社会的な取り組み

【調査概要】
調査期間:2024年12月下旬
調査地域:東京都・京都府・大阪府在住
調査対象:20歳〜59歳の男女
対象職業:公務員・経営者・役員・会社員・自営業・自由業
回答者数:1,209人
調査方法:インターネット調査


約3人に2人が、ブランドイメージやデザインから関心を喚起している


その結果、最も高い影響度を示したのは「商品・サービスの内容や品質」で65.3%(影響が少しある/影響がある/影響が非常にあるの合算値)。次いで「商品・サービスの印象」が59.3%、「商品・サービスのデザイン」が57.2%となりました。
「商品・サービスの内容や品質」にはパッケージやデザインなどの視覚情報が含まれることから、多くの人が商品・サービスの視覚情報によって関心を持つ傾向が明らかになりました。
また、「商品・サービスの印象」や「商品・サービスのデザイン」において「どちらでもない」と回答したモニターの中にも、潜在的に視覚情報から影響を受けている可能性も考えられます。それを含めると影響度としては70%前後に達すると推測され、商品・サービスの認知段階において、約3人に2人が印象などのブランドイメージやデザインからの影響を受けていることが示唆される結果となりました。
一方で、企業の社会的な取り組み姿勢や、商品・サービスのコンセプトやストーリーが関心喚起に与える影響は限定的でした。これは何かに関心を抱くプロセスにおいて、コンセプトなどを理解する「思考」を伴う情報処理よりも「感情」や「直感」に依存する情報処理が優勢だと推測されます。
関心を高める要因としては、視覚的要素だけでなく、口コミや競合との比較、深く考える行為も有効である一方で、ブランドや企業にとっては、初期段階で顧客の関心を掴むためには、商品・サービスのビジュアルやそのインパクトが特に重要であることが、今回の調査結果から明らかになりました。

今回の調査結果はプレスリリースとしても出しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000105191.html


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