先進的な幼稚園・保育園のその先に…
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
先日、1年生の先生との会話で出てきた話。
「最近、◯◯幼稚園から上がってきた子が大変なんだよね。あそこの幼稚園は園長先生が変わって、すごく先進的な考え方を取り入れているんだって。個人のやりたいことを大切にして、無理強いはしない。運動会でも、走る順番は子どもたち自身で決めるんだって。普段も裸足で自由に走り回ってるし、先生が話していて聞いていなくてもあんまり注意したりもしないみたい…。それじゃあ小学校に上がったら、急に『授業中座って、しっかり話を聞きましょう』って言われてギャップに苦しむよね。」
新しい形を模索する幼稚園とまだ変わりきれていない小学校
幼稚園は、小学校から見ていると園長先生や経営者の考え方次第で大きく変わる印象があります。私立の幼稚園は、人を集める関係もあるから、ある程度他の園との差別化を図るために大胆な方針を立てているところも多いですよね。前述の幼稚園も「個を大切にした教育活動」を全面に押し出しているのかなと思います。
一方、小学校は「個別最適」に代表されるように個を大切した教育活動を目指しつつも、根底にある「教室できちんと話を聞いて活動する」という形式は学習である以上は変わらない部分かなと思います。
そう考えると、幼稚園でどんなに先進的な活動をしても、小学校に上がって学習することになれば、変わっていく幼稚園と変わりきれない小学校でそこにギャップが生まれるということですよね。決して幼稚園の取り組みが無駄という話をしたいわけではなく、あくまでもギャップが生まれるという話です。
変わろうとする小学校と変えられない中学校
小学校では、「教室できちんと話を聞いて活動する」という前提は変わらなくても、その中身は「個別最適」という路線のもと、自由進度学習が出てきたり、タブレットを積極的に活用したり、授業のあり方は大きく変わろうとしています。
一方で、中学校はゴールに従来通りの受験を控えているため、生徒の進路のことを考えて従来通りの授業スタイルで、内申点を考慮しながら従来通り進めざるをえない。(中学校先生談)
変わろうとする小学校と変えられない中学校で、またギャップが…。
学校種ごとの改革ではなく、全体で改革しないと困るのは子どもたち…
どこかだけが変わろうとすると、子どもたちはそのギャップで苦しんでしまう…。幼稚園から大学までの教育界全体が目指すべき姿を共有し、受験というシステムもそれに合わせて変わっていかないといけないんでしょうね。
皆さんは、この問題についてどう思いますか?