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「ボードゲーム」を再評価してみましょう
ボードゲーム、正確にはアナログゲームの総称です。デジタルゲーム(TVゲーム・スマホゲーム)ではない、という意味合いです。カードだけ使うゲームも広い意味でボードゲームと呼んでいます。
最初に書いておきますと、トランプ、UNO、麻雀も広い意味での「ボードゲーム(アナログゲーム)」に含まれます。
この記事で最終的に伝えたいこととしては、「学び×遊び」のツールとして、大人にボードゲームを遊んでもらいたいなぁと思ってます。
◆ボードゲーム=人生ゲーム(すごろく)と思っていませんか?
ボードゲームと言うと人生ゲームなどのすごろくを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。それもボードゲームの1つではございますが、すべてではございません。
人生ゲームはサイコロを振り、出た目によって駒を移動させ、止まったマスに書かれていることを実行するゲームです。基本的にはサイコロの出目という運要素のみで勝敗が決まり、勝ち筋を考えたり、相手との駆け引きを行う要素が無いです。そのため、ボードゲームは子供向けの遊びというイメージをお持ちの方が多いように思えます。
◆麻雀(マージャン)はどんなイメージを持っていますか?
ルールを覚えるのが大変。子供がやるものではなく、大人がやる遊び。それも、あまり良いイメージが無い。テンプレート化するとこんなイメージを持たれやすいのではないかと思います。
麻雀の要素を分解してみると
ルールを覚えるのが大変
役が多く、それらを覚えて組み合わせて行くのが難しい
得点計算も複雑
麻雀のゲームとしての要素
牌をツモって来るのは運要素
自分の手配をどう組み合わせ、勝ち筋を考える要素
相手が何を欲しているかも考える駆け引き要素
何が何枚切れてるか?など残枚数からの確率を考える要素
ギャンブル要素を含まなくてもゲーム性としても「運要素」「勝ち筋を考える要素」「駆け引き要素」と複数の要素が入っていてバランスの良いゲームだと思います。
冒頭でも記載しました通り、広い意味では人生ゲームも麻雀もボードゲームの1種になります。このことから、ボードゲームは「運要素だけのゲームではない」ということを知っていただけると有難いなぁと思います。
◆世の中にあるボードゲームの数
日本だけでなく外国でもいっぱい作られており、何千何万という種類が存在すると言われています。
そんなにいっぱい!?と思われたかもしれません。例えば皆さんご存知の「トランプ」。
いくつ遊び方を知っていますか?
大富豪、ポーカー、ブラックジャック、ダウト、七並べ、ババ抜き、etc
トランプは1つで複数のシンプルなゲームを遊ぶことができる万能のボードゲームだと思います。しかも、ゲームによって特色が全然違いますし、本当に凄い・・・!
ボードゲームはUNOや麻雀のように、1つの遊び方で1つのゲームとして販売されることが多いです。トランプの例だと「大富豪」というゲームで販売される感じですね。
◆ボードゲームの種類(ジャンル・メカニクス)
ボードゲームのジャンル分けみたいなことを「メカニクス」と呼びます。仕組み・構造・機構と言った意味ですかね。カードを使う、ボードを使う、牌を使うとかではなく、ゲームのルール(ゲーム性)によって仕分けする感じになります。
メカニクスに関しても公的機関が正式に仕分けしているわけではないので、それっぽいものを仕分ける人がなんとなく仕分けてることが多いかな、と思います。メカニクスの仕分けに正確性を求めるのではなく、「どんな要素のゲームなのかな?」の参考情報に使うぐらいの感覚で見ていただけると良いかなって思います。
例えば、麻雀やポーカーは「セットコレクション」というメカニクスに分類できます。セットコレクションは自分の手札を揃えるタイプのゲームです。
人生ゲームは「すごろく」になります。すごろくもメカニクスの1つになります。基本的に戦略性がなくサイコロの出目によってマスを進めて行くゲームですね。運ゲーとも呼ばれることもあります。
頭を使いそうなメカニクスの例として3つほど簡易説明と共に挙げておきます。
1.拡大再生産
自分の資源を投資して資産(資源を産むもの)を獲得します。
資産が新たな資源を産み、更に投資し資産を増やし、勝利条件を達成させるゲームです。
2.ワーカープレイスメント
自分のコマがワーカー=労働者。
自分のコマの配置(=労働者に仕事を割り振る)ことで収入を得て行くタイプのゲームです。
3.正体隠匿系(推理系)
対戦型の対人コミュニケーションゲームですね。
自分の正体を隠し、他のプレイヤーの正体を探り合うゲームです。
◆ボードゲームは「学び×遊び」のツール①
ビジネススキルにはハードスキルとソフトスキルの2つがあると言われています。ハードスキルが専門知識で、ソフトスキルが個人の特性スキルという感じですかね。
ボードゲームは遊びです。多くの人にとってハードスキルを習得する学びにはならないと思います。しかし、ソフトスキルは多く習得することができるツールだと思います。
すごろくのような運だけで遊ぶゲームではなく、めちゃくちゃ頭を使うゲームも多数ございます。上記の例で挙げた拡大再生産やワーカープレイスメントは戦略性の要素が高く、勝つための道筋を考える力(論理的思考)を養うことに長けていると思います。
また、正体隠匿系(推理系)は対人コミュニケーションの訓練になるという側面もございますし、こちらも“相手の発言から” 矛盾点や違和感を感じ取り、情報整理し、仮説を立てます。自分の推理を裏付けるために必要な情報は何か?漏れはないか?と考えることでこちらも論理的思考を使うことになるでしょう。
◆ボードゲームは「学び×遊び」のツール②
今回の最後のコーナーです。
メカニクスによってゲームを通して養えるスキルも多くあると思います。それ以上に面白いなぁと思うことがございまして、それはゲーム本編の要素以外にも3つのビジネススキルの訓練になる要素があるってことなんです。
1.人の話を聞いて理解する力(傾聴力と理解力)
ボードゲームを推すのはこれも大きな理由になります。数多くの種類があるので、毎回違うゲームをプレイすることもザラにあります。
そのため、プレイ開始時にはゲーム説明を聞いて理解するところから始まります。同じゲームばかりをずっとやり続ける場合、この効果は無くなって意味がないと思ってます。
2.プレゼン力
ルール説明を聞くということは、ルール説明を行う役割の人も居るわけです。分り易く・抜け漏れなく・内容をまとめて短く! 説明する技術の訓練になります。
3.集中力
これはゲームによります。ルールの複雑さとプレイ時間の重ゲーと呼ばれるゲームだと、初回プレイ時は説明に1時間、ゲームに3時間、計4時間ぐらい見込まれるものもあります。
1プレイ4時間の間、考え続けて完遂するには集中力も必要になります。
スキル(技術)は受動的だと身につかず、能動的に考えることで初めて身につくと思うんですね。だからこそ、つまらないと思うことから得られるのではなく、楽しい!と思えるところから得られると思うんです。
「良く学び、良く遊べ」という言葉の意味を改めて深堀して行くと面白いと思います。
是非、こんな視点も取り入れていただいてボードゲームを再評価して貰えると嬉しいなーって思います。よろしければ是非、ボードゲーム&コミュニティ 松田村 へ遊びに来てください♪