[※重要] 超一流の読書家が実践する「究極の記憶術」とは?本の内容を忘れないための3つのコツ
本日の記事は以下「読書との対話 : How to read a book」マガジンに収録させて頂きました。
今回の記事は以下youtube動画「I learned a system for remembering everything」を参考にして制作させて頂きました。
はじめに
私たちは日々、膨大な情報に触れています。特に自己啓発本などの非フィクション書は、人生を変える重要なヒントが詰まっているにも関わらず、読み終えた後には内容をほとんど忘れてしまうという問題があります。せっかく読んだのに、数週間後には「この本に何が書いてあったっけ?」となってしまうのです。 しかし、世の中には本の内容を驚くほど鮮明に記憶している人がいるのも事実です。彼らはいったいどのようにして情報を記憶しているのでしょうか?本記事では、ベストセラー作家のライアン・ホリデイ氏の知見を基に、本の内容を忘れないための3つのコツをご紹介します。
本の内容をすぐに忘れてしまう原因
人間の記憶力には個人差がありますが、多くの人は読書の内容をすぐに忘れてしまいます。その理由は、私たちの脳が無意識のうちに情報を取捨選択しているからです。 日常から逸脱した感覚的な体験、例えばボールが顔に当たって痛かったことなどは記憶に残りやすい一方で、自己啓発本から得た気づきは、脳にとって必ずしも記憶すべき情報ではないのです。つまり、意識的に記憶をコントロールしなければ、いくら良書を読んでも内容は忘れ去られてしまうのです。 コーネル大学(世界における大学ランキング : Webometrics Ranking of World Universities 5位の大学)の研究では、人は読んだ情報の60%を1時間以内に忘れ、1日経つと70%近くを忘れてしまうことが分かっています。読書だけでは記憶定着率が低いのは、脳の情報処理メカニズムに原因があったのです。
ライアン・ホリデイ氏の「究極の読書術」
ベストセラー作家のライアン・ホリデイ氏は3000冊以上の本を読破しているそうですが、その記憶力は驚くべきもの。過去に読んだ本からも、引用やエピソードを即座に引き出すことができるのです。 その秘訣は、読書中にメモを取り、読み終わった後にメモを整理し、カテゴリーごとにファイリングすること。アナログのカードを使うことで、デジタル画面から離れて深く考えることができるそうです。 ホリデイ氏は読書中、重要だと感じたページの端を折り、ページにメモを書き込みます。読了後は、印象に残った箇所をノートカードに書き出し、テーマごとに分類。カードに書かれた情報は、著者との対話のようにインプットできるのだとか。 つまり、ホリデイ氏の「究極の読書術」の肝は以下の3点です。
読書中にメモを取る
読了後にメモを見直し、重要な部分を抜き出す
抜き出したメモをテーマごとに整理する ポイントは、読書を受動的な行為でなく、書き手と対話するような「アクティブリーディング」に変えること。自分なりの視点でメモを取ることで、内容の理解が深まり、記憶にも残りやすくなるのです。
記憶のメカニズムとアウトプットの重要性
なぜこの方法が記憶力アップに効果的なのでしょうか?脳科学の観点から見ると、私たちの記憶のメカニズムと深く関係しています。 人間の記憶は、「顕在記憶」と「潜在記憶」の2種類に大別されます。顕在記憶は、事実や出来事の想起に関わる長期記憶の一種。潜在記憶は、無意識に影響を及ぼす記憶です。 読書で得た知識を覚えておくには、「顕在記憶」に情報を定着させる必要があります。そのためには、インプットした情報を整理して、アウトプットにつなげることが効果的なのです。 脳は、頻繁に使われる情報、最近使った情報、意思決定に必要な情報を優先的に記憶します。つまり、読んだ内容をメモに書いてまとめたり、人に説明したりするなど、能動的に情報に関わることで、大切な情報が長期記憶に残るようになるのです。 ライアン・ホリデイ氏の読書術は、インプットとアウトプットのサイクルを効率的に回すシステムだと言えます。読むだけでなく書いたり話したりする作業を繰り返すことで、知識を自分のものにしていくわけです。
他の記憶術との違いと科学的根拠
本を読んだ内容を記憶するためのシステムは、ホリデイ氏独自のものではありません。むしろ、古くから知られている学習法の一種と言えるでしょう。 似たシステムとしては、「フェインマン・テクニック」が挙げられます。物理学者のリチャード・フェインマン氏が実践していたこの方法は、
学びたいテーマを決める
そのテーマについて、紙に書いたり人に教えたりする
つまずいたら、基礎に立ち返って学び直す
難しい言葉を使わずに説明できるようにする というステップで知識を定着させていくものです。
アウトプットを重視している点で、ホリデイ氏のシステムと共通していますね。フェインマン・テクニックの有効性は、認知心理学や教育学の実験でも裏付けられています。 記憶とアウトプットの関係で重要なのが、「検索練習効果(retrieval practice effect)」と呼ばれる現象です。能動的に情報を思い出そうとする過程で、記憶が強化される効果が実証されているのです。 アメリカの認知心理学の実験で、大学の講義で学生に小テストを課す実験を行いました。その結果、小テストで学習内容を思い出す機会が多い学生ほど、後の期末テストの成績が良かったのです。 つまり、ホリデイ氏のシステムは単なる思いつきではなく、記憶のメカニズムに基づいた科学的な方法だったのです。本を読んで、メモして、カードにまとめる。そのアウトプットのプロセスが、記憶力を高める鍵になっているのでした。
まとめ:今日から始められる!記憶力向上のための3つのステップ
超一流の読書家が実践する最強の記憶術。それは、読書で得た情報を自分なりに「消化」して「システム化」すること。 本を読んだだけでは記憶に残りにくいからこそ、ライアン・ホリデイ氏が実践するようなメモの取り方が効果的なのです。情報を整理し、言語化することで、知識は自分のものになっていきます。 では、実際にどうすれば良いのでしょうか?ホリデイ氏の方法をまねて、以下の3つのステップを習慣化することをおすすめさせて頂きます。
ステップ1 : 読書中は、付箋に自分の考えをメモしましょう。
読んでいて気づいたこと、疑問点、関連する体験などを、書き留めます。批判的に読むことを意識しましょう。
ステップ2 : 読了後は、章ごとにメモを整理しましょう。
付箋を見返して、書籍の内容を章ごとに整理します。要約やコメントを書き加えるのも効果的です。
ステップ3:定期的に読み返して、人に説明してみましょう。
読書ノートを定期的に読み返すことで、記憶を強化します。
誰かに内容を伝える機会を作るのも良い練習になります。 もちろん、最初から完璧を目指す必要はありません。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。手順やツールは、徐々に自分に合ったものにアレンジしていけば大丈夫です。 大切なのは、読んだ本の内容を自分の頭で考え、言葉にしてアウトプットする習慣をつけること。そうすることで、読書はあなたの血肉となり、人生を豊かにしてくれるはずです。 ぜひ本記事を参考に、「究極の読書術」を実践してみてください。そして、読書を通して得た学びを、あなたの人生に活かしていってください。
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