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『9割の人が間違っている炭水化物の摂り方』笠岡 誠一

概要

炭水化物に対する誤解が健康にどう影響しているか、そして正しい知識で炭水化物を摂る方法について解説した一冊です。本書は、糖質制限が健康に及ぼすリスクに焦点を当て、無理のない形で炭水化物を生活に取り入れる方法を紹介しています。著者は、炭水化物を適切に摂ることで、心身ともに健康な生活を築く道を示しています。ダイエットや健康に関心がある人には特に役立つ内容で、炭水化物への誤解を解き、正しい摂取法を身につけるための必読書です。

本のジャンル

健康、ライフスタイル

要約

1. 炭水化物への偏見と誤解を解く

糖質制限の問題点
著者は近年流行の糖質制限ダイエットについて、「短期的には体重が減っても、長期的には健康に害を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らしています。炭水化物を完全に排除するのは、体の自然なバランスを崩し、逆にエネルギー不足や体力の低下を招く可能性が高いのです。実際に、糖質制限を長期間行っている人ほど、倦怠感や肌の乾燥、精神的なストレスを感じやすいという報告があります。

炭水化物がもたらす健康効果
本来、炭水化物は人間の脳や筋肉の主要なエネルギー源です。特に脳は炭水化物由来のブドウ糖を必要とし、これが不足すると集中力や判断力が低下する危険があります。また、炭水化物の摂取が少なすぎると、代謝が低下し、免疫機能も弱くなる可能性があるため、適度な摂取が推奨されます。

2. 正しい炭水化物の摂取法

種類と量に気をつけることの重要性
著者は「すべての炭水化物が悪いわけではない」と強調します。炭水化物には、白米や小麦粉などの精製されたものと、玄米や全粒粉のように未精製のものがあります。精製された炭水化物は血糖値を急上昇させやすいため、摂取量やタイミングに注意が必要です。未精製の炭水化物はゆっくりと消化され、血糖値も安定しやすいので、健康的な生活には未精製の炭水化物を意識的に摂ることが推奨されています。

適切な量とタイミングの見極め
理想的な炭水化物の割合は、全体のエネルギー摂取量の50〜60%が目安とされますが、これを聞いて「多すぎる」と感じる人もいるでしょう。しかし、炭水化物はガソリンのように、日々の活動を支えるエネルギー源となるため、バランスを保ちながら摂取することが重要です。特に朝食や昼食にはしっかりと摂り、エネルギーを充填することが、集中力を保ち、午後の活動に支障が出ないポイントです。

3. レジスタントスターチとその効果

レジスタントスターチの健康メリット
著者が注目しているのは「レジスタントスターチ」と呼ばれる特殊なでんぷんです。これは一度冷ました炭水化物に含まれ、通常の炭水化物と比べて消化がゆっくり進み、血糖値の上昇を抑える効果があります。このため、冷やご飯や冷やしたパスタは、温かいままのものよりも血糖値の上昇を抑えやすく、ダイエットや血糖値コントロールに役立つと言われています。

セカンドミール効果を活かす食べ方
セカンドミール効果とは、一度食べた食事が次の食事にも血糖値への影響を与える現象です。レジスタントスターチを含む食品を摂ると、次の食事でも血糖値が急激に上がりにくくなるため、食事全体の満腹感が長続きし、間食の欲求を抑えることができます。著者は朝食や昼食に冷やご飯や冷やした芋類を取り入れることで、午後の食欲コントロールがしやすくなることを勧めています。

4. 健康と幸福感のための「心地よい食習慣」

無理のない食事スタイルの提案
1日3食をきっちり取ることが重要だという考え方は、一部の国での習慣に過ぎません。著者は、自分の生活に合わせて1日2食や4食にしても問題ないとしています。大切なのは「空腹を感じたときに無理なく食べること」であり、食べることを楽しむ気持ちを失わないことが健康に大きく寄与します。また、食べ過ぎや栄養バランスが乱れないよう、食事の内容に気を配ることも大切です。

楽しむ食事がもたらす心身の健康
著者は「美味しい食事を楽しむことが心身に良い影響を与える」と説きます。食事は単なる栄養補給だけでなく、幸福感やリラックス効果を得るための時間でもあります。友人や家族と共に楽しい時間を過ごし、笑顔で食べることでストレスを軽減し、精神的な安定にも繋がります。これにより、食事が私たちの体と心の健康を支えていることが再確認できます。

5. 自然に調和した食生活

腸内環境を整える炭水化物摂取
特に夜には適量の炭水化物を摂ることで、腸内細菌のバランスが整いやすくなるとされています。夜間は消化活動も続いており、適度なエネルギー供給が体全体のリカバリーを助けます。著者は「夜にしっかりと炭水化物を摂ることで、快適な睡眠と翌日の活力が得られる」と提案しています。

持続可能な健康法としてのバランス重視
健康を維持するためには極端な制限を避け、持続可能な方法を選ぶことが重要です。本書は炭水化物を楽しみつつ、心身のバランスを取る食生活の提案に満ちています。どんな食生活でも、無理なく続けられることが健康維持の鍵です。

まとめと感想

著者の笠岡さんは、炭水化物に対する誤解を解き、無理なく続けられる健康的な食習慣を提案してくれています。食事は体に栄養を与えるだけでなく、幸福感をもたらすものだと再認識できる一冊です。健康的な生活を送りたいと考えている方、ダイエットを続けたい方にとって役立つ知識が詰まっています。また、ネット上でも「レジスタントスターチの効果は体調に良い影響があった」「糖質制限から解放されて気持ちが楽になった」などの高評価が目立ち、実際の口コミも参考にしてみる価値があります。この本が健康な食生活をサポートする一助となることでしょう。

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