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「キャリア」と「年齢」に甘えぬ男

興味深いカードが組まれました。

プロレスリング・ノアの「強さの象徴」といわれる杉浦貴選手は、今月末で53歳になります。でも彼の身体を見てください。俊敏な動きと鋭いテクニック、そしてハードな打撃に耐えるタフさはどう考えても全盛期です。

かつて日本テレビが放送していた「全日本プロレス中継」が毎週の楽しみでした。小学生の頃、ジャイアント馬場さんとラッシャー木村さんのシングルマッチを見た記憶があります。後で調べたら馬場さんは当時50歳、木村さんは47歳でした。

いまだったら、こういう試合の味わい方をある程度わかっています。しかし世の中の諸々に無知な(=残酷なまでに率直な)子どもの目には、申し訳ないけど「動きがスロー」「もう年なのかな」と映ってしまった。

一方、もしプロレスを知らない小学生や中学生がいまの杉浦選手のファイトを見たらどう思うか? おそらく普通に「すげえ!」「この人強い!」と度肝を抜かれるはず。年齢的な衰えなどまったく感じないでしょう。

興味があったら↓をどうぞ。対戦相手の藤田和之選手も同い年です。

どんな仕事でも、経験を積み重ねた者にしか出せない何かがあります。杉浦選手は今年でデビュー23年。目の肥えたマニアを唸らせるストックを十分備えているはず。しかしあえてそちらのアプローチを用いず、若い頃と変わらぬ直球勝負を挑み続ける。いまを生きる男の矜持が伝わってきました。キャリアで誤魔化したり年齢に甘えたりする気はないよ、と。

いつまでも書店の現場で働きたい身ゆえ、彼の存在が励みになっています。ジェイク選手とのタイトル戦で奇跡は起きるでしょうか? 決戦は6月17日。↑と同じ名古屋国際会議場イベントホールです。

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