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「作家になりたい」あなたへ
高校生のころ、アニメ「マクロス7」がキッカケでロックに目覚め、エレキギターを独学で練習しました。
様々な教則本を読み、現役のギタリストが監修しているビデオを見ました。チョーキングやハンマリング・オンといったテクニックに驚愕し、バンドを組んでいた同級生から話を聞きました。
それら全てに共通していたアドバイスは「洋楽を聴け」でした。ロックが欧米発祥の文化である以上、日本のものを聴くだけでは何かが足りないと。
この感覚、最近になってわかってきました。私の大好きなプロレスも海外から入ってきた文化だから。いわゆる「アメプロ」のおかげで学べたことがたくさんあるのです。
たとえば↓。スティングというレスラーに注目してください。映画「ザ・クロウ」でブランドン・リー(ブルース・リーの長男)が演じた主人公を思わせる風貌です。
彼は今年で62歳(!)です。それがテーブルに叩きつけられてもすぐに立ち上がり、ふたりまとめてスコーピオン・デスロックで締め上げる。
こんなものを見せられたら、どこの国でも視聴者は大興奮です。シンプルな衝撃の前では言葉の壁など無意味。学生時代に英会話を学んだので、多少はリスニングできます。でももし英語がわからない状況でこの動画を見たとしても、やはり「うおお!」となったはず。
言葉はすごく大事。と同時に、大事なのは言葉じゃない。洋楽ファンならわかってくれるでしょうか。
私は一介の書店員です。プロ作家じゃありません。大した作品も書いていません。それでも断言できます。作家になりたい人は海外文学を原書で読むといいですよと。一発目のオススメはヘミングウェイ「老人と海」です。
まさに「シンプルゆえに世界中で愛される名作」の代表。私が初めて通読できた洋書でもあります。あとで日本語でも読みましたが「人は何でもできる!」という最初の感慨には及びませんでした。
言葉の壁を超える何か。その正体に触れる第一歩としてぜひ。
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