「人気You Tuber」と「又吉直樹」
ローガン・ポール、身体能力の高さは見事です。「サマースラム」におけるザ・ミズとの一戦は盛り上がりました。
しかし。
WWEはプロレス界の最高峰です。そしてユニバーサル王座は団体の看板タイトル。2回試合をしただけのYou Tuberがなぜ挑戦できるのか?
ローガンはボクシングで5階級を制覇したフロイド・メイウェザー・ジュニアとも闘いました。でもそのときはエキシビジョン。今回はタイトルマッチです。
昔、某タレントが総合格闘技HERO'Sのリングに上がった際、前田日明さんは「本当にやるならアマチュアから始めるのが当然」と激高しました。真面目に練習しているとはいえ、いきなり最高の舞台で試合できるのはおかしいと。
客にウケれば何でもいい。カネを生み出せるなら下積みは不要。それがWWEの本音とは思いたくない。命懸けの試合を何年も続け、少しずつ居場所を作ってきたレスラーの気持ちはどうなりますか?
「じゃあ又吉直樹がいきなり芥川賞を受賞したのは?」と突っ込まれるかもしれない。考えました。
たしかに彼は新人賞を獲ってデビューした作家ではない。だから「火花」を読む際は相当ハードルを上げました。結果「本気」を感じました。どうせ売れるからOKみたいな甘えは微塵も見えなかった。
一方、彼より前に某俳優が某新人賞を獲ったときは作品を読んで唖然としました。作家になりたくて何年間も新人賞へ応募し続けたのがバカみたいに思えました。
クリエイターが誰であっても面白いものは面白い。でもやはりジャンルへの愛情や覚悟、何より「本気」が見えないと。
最後に新日本プロレス・高橋ヒロム選手が昨年出したコメントを紹介させてください。
「真面目に生きたらバカを見る時代か!? 夢を見ちゃいけない時代か!? それだったらな、なおさら俺が、バカみてぇな夢を! 真面目に追いかけて! そして! 必ず叶えてやる!」