「中心を諦めた人」VS「中心を受け入れた人」
赤が似合いますね。
1.4東京ドーム大会から使い始めたばかりですが、すでに「これでなきゃ」と思えます。むしろ自然体。まるでピカチュウが満を持してライチュウへ進化したように。
赤は戦隊もののセンターカラーです。いまはどうか知りませんが、私が子どもの頃は「後楽園ゆうえんち遊園地でぼくと握手!」というテレビCMに、その年のレッドが出ていました。だからなのかエンターテインメントの世界で赤を身に着けていると、条件反射で「主役なのかな」と感じる。責任や使命の重さを想像させる色でもあります。
いままで使わなかったのは、デスぺ選手のなかで「自分は団体の中心を占めるようなレスラーではない」という遠慮があったのか、それとも単に好みではなかったのか。もしくは赤の似合う人が他にいるから引いたのか。
真相はわかりません。でもそれらすべてが少しずつ要因だった気がします。
もしかつてのデスぺ選手が赤を着ても「顔じゃないよ」とスルーされたはず。圧倒的な支持を集めているいまだからこそ、ファンの願望とピントが合い、さらなるカリスマ性の拡大に繋がっているのでしょう。
そして中心的存在は、己が輝くだけではなく周りを引っ張る使命も果たしてこそ。
次の挑戦に名乗りを上げたのはSHO選手。ヒールターン後に意外なプロレス頭の冴えを見せ、闘いの幅を広げてきました。それはそれで面白い。でもかつての心技体で真っ向勝負みたいな姿を恋しく思うのも事実です。
おそらく以前のSHO選手は、軽量級の中心を目指していた。それを諦め、違う場所へ生きる道を求めた。デスぺ選手は元々中心になろうという意欲がなかった。しかしファンや会社のニーズを受けて「俺がやらねば」という自覚が芽生えた。
そんなふたりが中心の座を懸けてぶつかり合う。見たいです。小悪党に徹してきたSHO選手の「本音」に期待します。