「攻めているヒーロー」&「無自覚なルーツ」
↓をご存知ですか?
1991~92年に放送された「鳥人戦隊ジェットマン」です。
子どもの頃に見ていました。ブラックコンドル・結城凱が敵の光線を受け、結晶化しながら「死にたくねえ…」と呟くシーンが頭に焼き付いています。どんな逆境も耐え抜くヒーローの強さではなく、勉強勉強で苦しい己と地続きなひとりの弱さを感じ取ったのでしょうか。
当時の私はあるプロレスラーに惹かれていました。過酷なデスマッチを戦い、カリスマ的な人気を誇っていた大仁田厚選手です。週刊プロレスで読んだ「痛いものは痛いって明確に伝えたいだけなんじゃ!」という彼のコメントを、あるいは凱に重ねたのかもしれない。
現時点で1話と2話が無料配信されています。いつまで見られるかわかりませんがぜひ。特に第2話。凱の登場シーンが最高です。
イカサマのポーカーにサックス演奏。共に戦おうという誘いに「いっそのこと人間なんざ滅んだ方がいいんじゃねえのか?」「公害問題に人種差別、たしかに人類って愚かなもんだ」「俺は今まで誰とも組んだことはねえ。これからも同じだ」と不敵に返す。
痺れました。太陽が似合う優等生のロールモデルではなく、本音で生きる孤高のダークヒーロー。こんなハードボイルドなキャラクターが戦隊シリーズに存在していたとは。
ネットでストーリーを調べ、さらに衝撃を受けました。今年のNHK大河ドラマ「べらぼう」が攻めていると評判ですが「ジェットマン」も引けを取ってはいません。最終回における凱のエピソードはなんとなく知っていたのですが(某刑事ドラマを思い出しました)他にもいろいろ。
覚えていないだけで、同作品と結城凱からかなり影響を受けている気がしました。「ハードボイルド書店員」の無自覚なルーツを探り当てたような。もちろん私はあんなに強くないし、カッコよくもありませんが。
群れない。せめてこの一点は貫きます。