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わかってないCTOと想像以上に優秀!な永野芽郁CEOが見られるドラマ「ユニコーンに乗って」のレビュー②とスタートアップのロジック

さて先週もレビューを書いたTBSドラマ「ユニコーンに乗って」ですが、すいません、社名はドリームポニーですね。前回レビューではストレオポニーと間違った表記をしてました!改めてお詫び申し上げます!(ステレオポニーってどこやねん笑)

さて、先週放送後、永野芽郁が演じる成川佐奈が、杉野遥亮演じる須崎が提案した有料課金化のアイデアに「功は何もわかってない!」と言ったセリフでネット情勢は大炎上したが、いや、あれはCTO全然わかってないんすよ…

ドリームポニーのターゲットとは?


ドリームポニーのターゲットとなる顧客のペルソナは西島秀俊演じる小鳥さんのような勉強熱心で新しもの好きの社会人か、金銭的に義務教育以外の教育にお金の余剰がない家庭の子供を中心とした子供である。これは、永野芽郁役の佐奈の妹が回想編で「つまらないから、勉強したくない」といったところから、勉強に退屈「できる」自由を与えられた子供なのである。一方で、塾に通わせられる子供は、親の意向により、受験戦争などの教育競争に無理矢理参加させられており、勉強で結果を残せないということが不安でならない子供である。そういう人たちはターゲットではなく、おそらく杉野の演じる須崎はそちらの受験戦争に参加していたプレイヤーサイドの人間。大多数の教育サービスは、羽振りの良い後者向けの優秀になるためのテクニック的な教育を提供し、高額の授業料を取る。
一方、ドリームポニーは言わば楽天ポイント的な発想なので、優秀になる子を育てる教育ではなく、知的好奇心、あるいはゲーミフィケーションによる教育コンテンツのインプットを目的とする。となると、いかにユーザーに負担がないかという観点と教育ではない誘惑的コンテンツやプロダクトが広告主になる。となると、やはり無料でなければ意味がない。これは永野芽郁演じる成川CEOの実体験と思想、ヴィジョンがマーケットフィットしている証拠であり、何人もこの思想やヴィジョンに口出しができない構図なのだ。
おそらく私が思うに、課金制度導入に対して「何もわかってない」と発言した永野芽郁の成川社長に批判的な反応をしたのは、大企業に勤めていたり、学歴が優秀だったり、既存で教育のビジネスの経験がある人たちだろうと思う。既存のルールで成功している人たちには、知覚できないが、そもそもこの会社は教育サービスのEdtechスタートアップと自称するも、その事業実態は、教育事業ではないのだ。いや、教育事業ではあるのだが、既存の教育事業では捉えられないディスラプトした教育サービスなのだ。

一方で気になるのは?

今日の放送ではメタバース企業が多くピッチしたが、現実のスタートアップではアメリカも日本も中国もインドもヨーロッパもアフリカもイスラエルも南米も、メタバースサービスなんてごく僅かだ。
多いのはビジネスSaaSでツール系が非常に多く、そもそもB2Cは少ない。なぜかといえば、手っ取り早くキャッシュが獲得できるサービスでないとスタートアップは死にやすく、いくらドリームポニーが巨額調達していても、とくに日本だと資金ショートしやすく、メタバースだと開発と保守管理コストが見合わないほど膨れ上がる。Metaでさえも、昨日ザッカーバーグCEOがメタバース事業を「楽観視しすぎた」と業績の下方修正をメディアに発表したばかり。いくら、日本のテレビメディアにスタートアップの知見がないとはいえ、メタバースがほとんどの企業で乱立するという見せ方はやりすぎだ。
また個人的には、色恋はおいておいても、ドリームポニーの教育の提供者、いわゆる先生をどう集めるかに注目している。
今後の展開も注目したい。


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