ボードゲームの2つの作り方:「レンガ積み」と「道づくり」
こんにちは、ボードゲームデザイナーの山田空太といいます。
道のりでわける2つのタイプ
さて、今日は、『ボードゲームの作り方には大きく分けて2つのタイプがある』という記事です。
以前、こんなTweetをしました。
ボードゲームの作り方を、「レンガ積み法」と.「道づくり法」の2つに分けました。ざっくり言うと、既存のものを組み合わせていくのか、最初に完成図を描き、そこに至る道筋を考えていくのかという違いです。
とは言え、実際の制作では、どちらか一方を使うというよりは、自然と2つの方法が組み合わされています。
1. レンガ積み法
レンガ積み法は、1つ1つメカニクスやフレイバーを決めて積み上げていく方法です。
すでに評価が確立されているメカニクスを土台にしたり、既存のメカニクスをいくつか組み合わせたりします。
例えば「ワーカープレイスメント×セットコレクション」のように。組み合わせるものは、2つでも3つでもいいですね。
既にあるのものを積んでいくので、最初のプロトタイプを作るのまで時間が短縮できるというメリットがあります。完成形がイメージしやすく、大きな失敗が少ないかもしれません。
デメリットは、目標を定めにくいことです。レンガをせっせと積み上げても、積み終わったときにはヘンテコなものができちゃったり……。
ただ、積み木に似ているので、一回ガシャーンと崩しても積み方を変えたり、他の積み木を持ってきたりもできるので、修正は比較的カンタンですね。
もう一つの欠点は、見たことのあるようものができやすいこと。つまり、オリジナリティを出しにくいんですね。気をつけたいところです。自分だけの形の積み木を一つ入れておきたいですね。
レンガは、メカニクスだけとは限りません。ボードゲームのテーマでも良いですし、箱の大きさでも、コンポーネントの種類でも、対象年齢でも、プレイ人数でも。積み上げるレンガの種類は問いません。
では、レンガ積み法の応用例は、次のTweetのような感じ。
すでに決まっている条件を整理して、そこにピッタリとあうアイデアを探していく感じ。よく言われるように、制約がある方がアイデアが出やすかったりします。
2.道づくり法
対して、道づくり法です。道づくり法では、理想の場面や状況からさかのぼってそこに到達するまで道をつくっていきます。
数学で答えは分かっているのに、解き方の説明が難しいんだよな・・・。そんな経験がある方は。こちらの方法が合っているかもしれません。ロジカルよりは直感よりですね。
道づくり法は、自分の理想から始まるので、オリジナリティを出しやすいというメリットがあります。
道づくり法での最初の一歩は、ある一場面をニヤニヤと想像すること。自分が作り出したい場面、体験をありありとイメージできるまで、考え抜きます。
ー遊んでいる人たちはどのような顔をしているだろう・・・
ーどのような感情の変化があるだろうか・・・
ー最も盛り上がる瞬間はどんな感じだろう・・・
その理想形から逆算していく方法です。
ちなみに、ぼくは「道づくり法」派です。ある1場面を想像して、その場面がどうやったら生まれるだろうかを考え抜いてから、制作をスタートします。
映画に例えましょう。映画の1場面を想像して、まずその場面の絵を描きます。その場面に出ている俳優、音楽、ロケーション、小道具などを考えていく。そして、そこに至るまでのストーリーを固めていくという順序です。
さて、ボードゲームの作り方ー道のりでわける2つのタイプ、いかがだったでしょうか?
今回の記事は若干抽象的でしたが、次回からはもうちょっと具体的な実践法を書いていくつもりです。
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道づくりで作ったカードゲーム『でんしゃクジラ』!
家族でテーブルを囲んでいるイメージから、さかのぼってできたゲームです⇩
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